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ナーバン様に誘拐される?
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アミルダの部屋から猫の姿で表に出た。
建物や周囲の物が大きい。
猫ってこんな風に見上げながら生活してるんだ。
ジャンプ力もすごいし、体は柔らかだし。
何より怖い上司のご機嫌を取らなくていい。
天気もいいし、幸せ。
日向ぼっこ、気持ちいい。
何にも考えず、太陽のあたたかさや優しい風を感じたのはいつぶりだろう。
働き始めてずっと気を張り詰めていたな。
こんな風に自分の時間を作ることも大切だったんだ。
王城内のお庭でのんびりしているとみんなが撫でてくれて、おやつをくれる人までいた。
サーチェは作戦の事も忘れて猫でいる事を堪能していた。
もうこのまま1週間のんびり過ごそうかな。
猫万歳!
そこにやって来た人を見てテンションが下がった。
ナーバン様だ。
ナーバン様がお庭に何の用?
キョロキョロと何かを探している。
そう思ったけどすぐに何を探しているのかわかった。
お庭に住み着いている猫を見つめている。
アミルダの情報は本当だったんだ。
そこで思い出す。
今回、猫になった目的を。
あー、このまま忘れていた方がマシだった。
でも、思い出してしまった。
思い出したからには、実行しないと‥。
トボトボとナーバン様に近づく。
仕事の時のようにナーバン様に近づくたびにテンションは落ちていく。
ナーバン様は無表情で猫を眺めている。
本当に好きなのか?
そう聞きたくなるような顔だけど、大切な時間なんだと思う。
無駄を嫌う人だからこの時間が無駄なものなら、すぐに離れているはずだから。
ナーバン様はポッケに手を入れると猫のおやつを出した。
猫達はナーバン様に近づいていく。
懐いている様子を見ると、ずっと続けられている事なのかもしれない。
私ももう少し近づいてみようかな。
猫だし。
少し近づいて他の猫達の視線を感じた。
何この新参者と目が言っている。
猫の世界にも縄張りがあるの?
ナーバン様に近寄れず、おやつをあげている様子を眺めていた。
顔は相変わらず無表情だが、口元が少し緩んでいる。
本当に猫が好きなんだ‥
仕事が全ての感じが悪い上司としか思わなかったから、こんな風に息抜きしているの初めて知った。
何匹かの猫が私を警戒してこちらを見ている。
わかってるよ、近づかないから。
そんなに睨まなくても‥
人間の世界も猫の世界も新人には冷たい。
ちょっと泣きたくなる。
そんな猫のいつもと違う様子にナーバン様が気づき、こちらを見た。
ドキッ
私だと気づいてないはず。
なのに何で見つめられるの?
何で近づいてくるの?
ドキドキドキッ
ナーバン様が私の前に立っている。
私は猫、私は猫、私は猫‥
自分に言い聞かせる。
ナーバン様がしゃがみ、手を伸ばしてくるのがみえる。
ギュッと目を閉じる。
フワッと体が持ち上がった。
目を開けてみるとナーバン様に抱えられている。
私を抱き上げてナーバン様は歩き出した。
「ニャー!!ニャー!!」
必死で抵抗してみる。
猫の言葉はもちろん伝わらない。
言葉が話せる猫なら良かったのに。
ナーバン様はわたしを抱き抱えたまま、スタスタと歩いている。
「怖い事はしない。ちょっと大人しくしていろ。」
アーバン様は、誘拐犯のような発言をしている。
いやいや、そもそも猫に言う言葉じゃないと思うのは私だけ?
どこに行くの?
私、何で抱き抱えられてるの?
アミルダ、助けて!
「ニャーニャーニャー」
王城内に猫の鳴き声が響いた。
建物や周囲の物が大きい。
猫ってこんな風に見上げながら生活してるんだ。
ジャンプ力もすごいし、体は柔らかだし。
何より怖い上司のご機嫌を取らなくていい。
天気もいいし、幸せ。
日向ぼっこ、気持ちいい。
何にも考えず、太陽のあたたかさや優しい風を感じたのはいつぶりだろう。
働き始めてずっと気を張り詰めていたな。
こんな風に自分の時間を作ることも大切だったんだ。
王城内のお庭でのんびりしているとみんなが撫でてくれて、おやつをくれる人までいた。
サーチェは作戦の事も忘れて猫でいる事を堪能していた。
もうこのまま1週間のんびり過ごそうかな。
猫万歳!
そこにやって来た人を見てテンションが下がった。
ナーバン様だ。
ナーバン様がお庭に何の用?
キョロキョロと何かを探している。
そう思ったけどすぐに何を探しているのかわかった。
お庭に住み着いている猫を見つめている。
アミルダの情報は本当だったんだ。
そこで思い出す。
今回、猫になった目的を。
あー、このまま忘れていた方がマシだった。
でも、思い出してしまった。
思い出したからには、実行しないと‥。
トボトボとナーバン様に近づく。
仕事の時のようにナーバン様に近づくたびにテンションは落ちていく。
ナーバン様は無表情で猫を眺めている。
本当に好きなのか?
そう聞きたくなるような顔だけど、大切な時間なんだと思う。
無駄を嫌う人だからこの時間が無駄なものなら、すぐに離れているはずだから。
ナーバン様はポッケに手を入れると猫のおやつを出した。
猫達はナーバン様に近づいていく。
懐いている様子を見ると、ずっと続けられている事なのかもしれない。
私ももう少し近づいてみようかな。
猫だし。
少し近づいて他の猫達の視線を感じた。
何この新参者と目が言っている。
猫の世界にも縄張りがあるの?
ナーバン様に近寄れず、おやつをあげている様子を眺めていた。
顔は相変わらず無表情だが、口元が少し緩んでいる。
本当に猫が好きなんだ‥
仕事が全ての感じが悪い上司としか思わなかったから、こんな風に息抜きしているの初めて知った。
何匹かの猫が私を警戒してこちらを見ている。
わかってるよ、近づかないから。
そんなに睨まなくても‥
人間の世界も猫の世界も新人には冷たい。
ちょっと泣きたくなる。
そんな猫のいつもと違う様子にナーバン様が気づき、こちらを見た。
ドキッ
私だと気づいてないはず。
なのに何で見つめられるの?
何で近づいてくるの?
ドキドキドキッ
ナーバン様が私の前に立っている。
私は猫、私は猫、私は猫‥
自分に言い聞かせる。
ナーバン様がしゃがみ、手を伸ばしてくるのがみえる。
ギュッと目を閉じる。
フワッと体が持ち上がった。
目を開けてみるとナーバン様に抱えられている。
私を抱き上げてナーバン様は歩き出した。
「ニャー!!ニャー!!」
必死で抵抗してみる。
猫の言葉はもちろん伝わらない。
言葉が話せる猫なら良かったのに。
ナーバン様はわたしを抱き抱えたまま、スタスタと歩いている。
「怖い事はしない。ちょっと大人しくしていろ。」
アーバン様は、誘拐犯のような発言をしている。
いやいや、そもそも猫に言う言葉じゃないと思うのは私だけ?
どこに行くの?
私、何で抱き抱えられてるの?
アミルダ、助けて!
「ニャーニャーニャー」
王城内に猫の鳴き声が響いた。
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