「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)

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【番外編②】「図書館での静かな時間 ― 少しずつ心を開いて ―」


それからフェルナンドは、時折図書館に足を運ぶようになった。

宮廷での疲れを癒す場所としてだけでなく、少しずつコレットの存在が気になり始めたからだ。



コレットは24歳。名ばかりの伯爵令嬢で、家族を支えるために働き詰めだった。幼い兄弟たちの面倒を見てきた経験から、年下の扱いがとても上手い。その柔らかさや気配りは、フェルナンドにとって自然に心地よく、思わず甘えてしまいたくなるほどだった。



図書館での彼女は、穏やかにフェルナンドに話しかけるだけで、疲れ切った心を静かにほぐしてくれる。

最初は宮廷での愚痴をこぼすだけだったが、次第に互いの趣味や日常の些細なことを話すようになり、会話は心地よいリズムで続いた。



ある日、フェルナンドが書棚の整理を手伝う中で、手がぶつかって本を落としてしまった。



「あ、すみません……」



「大丈夫です、気にしないでください」



コレットの笑顔は優しく、フェルナンドは自然と照れくさそうに笑った。

幼い兄弟をあやすように年下のフェルナンドを気遣うその仕草に、心の奥でふわりと温かいものが広がる。



日々の会話の中で、フェルナンドは少しずつ彼女の強さと芯の通った考え方に気づく。

家族を支え、名ばかりの伯爵令嬢としての現実を受け止める姿、そしてそれを自嘲気味に笑う柔らかい笑顔――そのすべてが、フェルナンドの胸に静かに響いた。



ある日のこと。宮廷での疲れを思い出して肩を落とすフェルナンドに、コレットは自然に手を伸ばし、頭をそっと撫でた。



「……大変でしたね」



その何気ない仕草に、フェルナンドは心を揺さぶられるのを感じた。

恋心ではない。しかし、確かに心の奥でこの人に惹かれている自分がいる――。



フェルナンドはまだ完全に恋に落ちたわけではない。

でも、図書館に足を運ぶたびに、彼女といる時間が心地よく、離れたくないと思う自分に気づく。

幼い兄弟をあやすように、年下の自分をそっと扱ってくれるコレットの存在は、ますますフェルナンドの心を虜にしていた。



静かな図書館の中で、二人の距離は少しずつ、しかし確実に近づいていった。



――この場所で、少しずつ自分を取り戻せる――

そう思ったフェルナンドは、小さく息を吐き、次に来る日が待ち遠しくなる自分に気づいた。





---

(後書き)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

王子はまだ恋に落ちたわけではありませんが、コレットの存在に心地よさを感じ、図書館での時間が少しずつ特別になっていきます。

幼い兄弟をあやすように年下の王子を気遣うコレットの優しさ――この距離感がどのように進展するのか、お楽しみに✨

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