目撃

桶乃ハシ

文字の大きさ
1 / 1

目撃

しおりを挟む
 家に入る途中、私はぎょっとした。女と男が、ブロック塀に囲まれた、細い庭に座り込んでいたのだ。注意しようかと思ったのだが、何をしているのか興味を持ってしまった。とりあえずいつものように家の中に入り、その男と女の見える窓の隙間から覗き見た。
 女の肌は小麦色をして、顔が小さい。それなのに体がでかいものだからひょうたんのような体型だ。男はというと、顔も体も細い。しかし、バランスよく筋肉がついていて男前だ。
ひょうたん女と男前は何か話し合うと、男前が一人でどこかへ行ってしまった。ひょうたん女はそのまま居座っている。
 時々人目を気にして、辺りを見回している。何をしでかすつもりなのだろうか?
男前がビニール袋を提げて戻ってきた。ビニール袋の中から小さいビンとコピー用紙、サラダ油を出し、ビンの中に油を注ぎ始めた。
 これは……火炎ビンを作っているのだろうか。何てことをやっているのだ。止めなければ。
窓を開けようとした瞬間、火炎ビンが窓を突き破ってきた。私は本能的に違う部屋へ逃げ込む。爆発する音が聞こえる中で、私は冷静にタンスから貯金通帳、宝石を取り出して外に逃げた。公衆電話を見つけて、警察に連絡する。
「男と女が家に爆発物を投げました。すぐに来てください!」

 その日、男前もひょうたん女も捕まった。テレビのニュースによると、恨みを持っての犯行だった。
あのときに盗んで来た宝石を手に思う。
火炎ビンを放り込む前に止めていたら、私が捕まっていたかもしれない。
 さて、次はどの家を狙おうか。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

麗しき未亡人

石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。 そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。 他サイトにも掲載しております。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

処理中です...