喫茶モフモフ

白石華

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喫茶モフモフ

フェア終了

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「という訳で。終わりました~! 皆さん、お疲れさまでした!」
「パチパチ。」
「やりましたね!」
「ワホッ。」

 マスターのサナダさんの掛け声で、ゴンドウさんが拍手をし、マスエさんもやり遂げたようになり。犬(魔獣)たちも周りをウロウロしている。

「特に君たちもお疲れさまでした。いっぱい撫でて貰って、接客までしてくれましたからね。
 これはご褒美ジャーキーです。」
「アオーン。」
「クキューン。」
「ピスピス。」

 犬たちはサナダさんに貰ったジャーキーを嬉しそうに食べ始めた。

「あとでマスエさんも魔力をあげてください。」
「はーい。みんなも頑張った分、いっぱいナデナデしてあげますからね!」
「バフッバフッ。」

 犬たちはマスエさんに撫でられて大人しくしていた。

「フェアも終わりましたし。僕たちも骨休めに、遅い休みを入れましょうか。」
「オフで遊んでいいって事ですか?」
「それもあるんですが、温泉などいかがでしょう。」
「おんせん……。」

 マスエさんがうっとりしたようになる。マスエさんは温泉好きだった。

「丁度、個人客用のプライベートスパを貸し切れそうでして。
 サウナとアカスリもあるみたいですよ。」
「いいですね!」
「疲れが癒せそうですね。」

 サナダさんの提案にマスエさんとゴンドウさんが頷く。

「今回は皆さんもフェアに協力してくれましたし、僕も奮発して慰安旅行にしようかと。」
「わーい!」
「やりましたね!」
「よそのカフェも回りたいですし。
 チーズフォンデュを始めとした山の幸も堪能したいですねぇ。」
「うわあ……。」

 マスエさんが感嘆の声ばかりを出している。

「ふふふ。最近は僕も……。
 人が喜んでくれることが受け入れられるようになりましたからねぇ。」
「我々にとっては大きな進歩ですが、その進歩が当たり前に行えるようになれたんですね。」

 サナダさん、ゴンドウさんもとても嬉しそうだった。本当に昔は眩しいといっていたから、本人たちにも嬉しい変化なのだろう。

「このまま、バリバリ稼げて、みんなに回していければいいんですが。」
「ええ。やっていきましょう。」

 ゴンドウさんもサナダさんを励ますようだった。

「そう言えばワンちゃん(魔獣)たちはどうするんですか?」
「それはですねマスエさん。
 魔獣用のシッターも魔導士や魔術スキルを持った者の新たな転職先に。」
「へー。」
「エルフの方が飼いならされた魔獣をモフりたいと応募殺到だそうです。
 珍しいことが長年生きたエルフさんにもまだあるみたいですね。」
「エルフ……。」

 こちらでも例に漏れず、人里離れた森で暮らす、人間の姿をしている野生に住む人種のようだが身体のパーツが人間と一部、違っているため亜人扱いになっている、生活圏が違う長生種だ。正確には「だった」で、最近は人間の異文化に触れるのがマイブームになっている変わった趣味の種族もいるらしい。それがきっかけになったのも魔獣を扱うモフモフ喫茶の影響かもしれない……が、マスエさんには初耳だった。

「ついでに観光とかしてみたいらしいですよ。何から何まで珍しいらしくて。」
「エルフが……。」

 随分とミーハーな趣味を持ったエルフもいるんだな~とマスエさんは思ったが。エルフの魔力なら魔獣の魔力補充には十分すぎるぐらいだろう。王子様の次はエルフか……と思ったが、改めてモフモフ喫茶の影響力を知ったのだった。みんな人懐っこいちょい悪ワンちゃん好きなんだなと……。
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