精霊の加護の科学都市

白石華

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精霊の加護の科学都市

魔法科学都市が、都市である由縁

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「じゃあ、パパ。ちゃちゃっと部屋の掃除をして、ご飯を作るわよ。」
「おお。ありがとう。」

 まだパパの部屋にいた私はスイッチの前に構える。魔法科学都市である、ここの都市の住居の家事はとても簡単だ。精霊装置と呼ばれる、家事用に起動が入力された装置から、合体魔法を含めた精霊魔法がスイッチ一つで起動する、魔法科学の結晶のような装置があるのだが。論より証拠。まずはどうなるかを見て貰いたい。

「じゃあ、家具の掃除用のスイッチを、ポチっと。」

 シュンッ。

 私が家の壁に電気スイッチのように設置されている指定のスイッチを押すだけで、散らばった家財道具や私物があっという間に、初期に配置設定している所定の場所に戻り、それ以外の設定外の物……紙とかホコリとか、ウチの場合はパパの抜け毛もだけど、空いた容器とかはひとまとまりになって、不要物入れに入っている。これらはすべて装置に設定さえしておけば、あとはボタンを押すだけで自動で行われる魔法で動作するものである。

「はあ……手間はボタンを押すだけ、不要物を分別するだけって、とっても簡単ね。」

 万が一のことがあるからそうしていないが、可燃物の包装に包んで、そのまま捨ててしまう機能だって付いているから、滅茶苦茶、掃除が簡単である。

「じゃあ、部屋が綺麗になったところで次は料理。」

 私は台所にある、調理する材料と料理を入れる容器、調味料をIHクッキングヒーターのような調理台に置くと。

「今回は、これ。」

 シュンッ。

 再び、私が設定した調理法で料理するように設定すると、不要物や廃棄食材は所定の容器に入り、調理済みの料理が容器に入って出てくると言う寸法だ。

「重力の魔法、風の魔法、水と炎の魔法は基本よね。」

 私も得意としているこの魔法。重力で圧縮したり開放したり、何か殻のようなものを割ったり。風で何かを切ったり、圧縮した廃棄物を拡散しないように包んで所定の位置に配置したり。そうしなくても重力の魔法と合体させて物の配置全般だったり。水と炎は料理で扱うならイメージそのまんまよね。

「まあ、人間を家事から解放したとされる魔法だから、覚えていればここじゃいいはず。」

 更に肉体労働全般や製造物なんかもこの精霊装置で行われるし、対人接客は入力した言語の発音魔法か、AIみたいに学習・入力して覚えさせていく文字のやり取りで、すべて行ってくれる。
 この国で人のすることと言えば、魔法科学の研究と、精霊魔法の組み合わせで便利な精霊装置を発明することと、趣味で何かすることと、精霊の卵に魔力が注入されるように、都市にある寺院などで礼拝し、精霊を信仰することなどである。
 繰り返すけど信仰は自由だから、税金を払っていればこの恩恵は受けられるし、パパの場合は信仰していなくてもこの国の公務員みたいなものだから、ちょっとしたサービスも特典として受けられる。それがこの住居だったりするわけで。

「あとはテストだけど……はあ……また相手が無茶苦茶な能力を発揮して。
 ああいう風にリリーシャもなれって言われるんだろうな……。
 無理に決まってんでしょ。何べん言わせる気よ。
 無理だって向こうも知ってるくせに黙らせるために言うのよ。」

 私の場合、マチルダとなんだかんだで我慢しながらも耐えていけているから周りも言いやすい側面もあるのだろう。一度、そういうポジションになってしまうと、集団行動では抜け出すのは難しい。しかも先生が率先してやっているのだ。腹立つ程ではないのだが鬱陶しい。子供の情操教育にすることじゃないだろ。とは言え、学園以外でも、社会に出ても就職しても、そういう事は付いて回るのである。寧ろ、社会じゃ振り分けられるのは当たり前になるのである。そういうことをされても毛ほどに感じないで、しかし伸びる必要はあるから日々の訓練に徹せられるスルースキルが切に欲しい。甘えた事を言わせて貰うなら、多少の性格の難には目を瞑って、こっちがやる気になるように扱ってほしい。

「パパには聞いて貰えたけど……学園がなー。」

 私は身支度を整えたのだった。
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