僕とお姉さん(仮)

白石華

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僕とお姉さん

僕の秘密

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「……お姉さんに、なんて顔をして会いに行けばいいんだろう。」

 僕は久しぶりに会う、お姉さんに会うのが戸惑いを隠せなかった。
 ぼくのお姉さん。お姉さんと言っても血が繋がっている訳じゃない。子供の頃、近所で遊んで貰っていたお姉さんだ。それでまあ、人並みに初恋とかもしていたのだが、ぼくが学園に入学する辺りでお姉さんは大学生になり、そのまま離れ離れとなる。その後、お姉さんは結婚したと聞いたのだが、ぼくが大学に進学する頃、旦那さんが亡くなった訳で。その辺りのゴタゴタは置いておこう。それで、お姉さんが独りになり、その間、ぼくは……慰めてあげたかったのもあってか、両親との許可も得て、大学と距離も近いし、お姉さんと同居する形で住まいを借りることとなった。
 とまあ、それだけなら、僕の甘酸っぱい思い出の続きをお姉さんの傷を癒しながら送って貰わせる日々を送ることになるのだろうが、一つだけ、違う事があった。

「僕……お姉さんに綺麗になったねって言って貰えるかな。」

 大学生を期にそういう趣味を謳歌してもいいだろうという事になり。それまでは誰にも言えなかった……女装癖があったのを、お姉さんだけは知っていたのだった。と言うよりも、女装するためのおさがりの服や化粧の仕方をみんなお姉さんから貰って教わっていたため、僕とお姉さんだけの秘密だったのだ。
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