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旅人編
54.マナリーの依頼
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「え、どういうこと、誘拐されたって!なんで!」
マナリーがレイチェルに向かって叫ぶ。
エレミヤも驚いているのが分かる。
レイチェルは長く伸びた赤い髪を振り乱して泣き叫ぶ。
「私と同じ赤い髪だからよ…。」
マナリーはハッとしてように顔を上げる。
エレミヤはキョトンとしている。
「あの、赤い髪がどうかしたんですか?」
マナリーはエレミヤに説明を始める。
「私達の国は赤を聖なる色として信仰しています。炎龍を神聖な生き物としているからです。それと同じで赤の髪を持つ人間は、大事にされるのですよ。」
エレミヤはなるほど、と呟き、頷く。
「僕が探してきましょうか?その誘拐犯とお子さん。」
すると、レイチェルは
「あなた新人でしょ?優秀な冒険者に依頼するわ。気持ちだけでも嬉しいわ。ありがとう。」
と少し落ち着きを取り戻した様子で言う。
マナリーはそんなレイチェルに呟きかける。
「何言ってるの!エレミヤ様は新人なだけでお強い方よ!」
レイチェルはエレミヤを見定めるように眺める。
その左手に握られている大きい袋を見て目を大きく広げる。
「それ、全部リザードマンの頭部?」
エレミヤはそれを見て、ニッコリと笑う。
「そうですよ。仲間と狩ってきました。」
「これだけの量を?」
「そうですが…。おかしいですか?」
それを聞いてレイチェルは悩む仕草をする。
マナリーはレイチェルに聞かせるようにエレミヤにこう質問をした。
「そういえばエレミヤ様、十分程前に出ていかれたばかりでしたが、なぜそんなに早く森へとたどり着けたのですか?」
レイチェルはそれを聞いて、目を見開く。
「まさか…10分でその量を…?」
エレミヤは自分の持ってる袋をちらりと見たあと、苦笑いする。
「えぇ。まぁ。」
レイチェルは呆然としていたが、隣では頼れる上司のキラが親指を立てて笑っているのを見て、エレミヤに言う。
「お願いします。娘を…。リィカを助けて…。」
「私からもお願いします…。」
レイチェルとマナリーが頭を下げる。
エレミヤは微笑み、
「報酬は50ロンでいいですよ。」
と言うと、リザードマンの頭を袋ごとマナリーに渡す。
「その間に確認しておてくださいね!」
エレミヤはそう叫ぶと、ギルドを飛び出した。
外に出ると、全てを聞いていた仲間たちがいた。
彼らはエレミヤに頷きかける。
エレミヤは頷き返す。
そして彼らはそれぞれ散り、走り始めた。
❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅❅
「もう、まっくんたら厄介ごと背負ってくるんだから…。」
ミイロは走りながら呟いていた。
そして聖弓レジュリアートを取り出す。
「ほいっ!」
そして、矢を番えたそれを空に向かって放つ。
すると、それは枝分かれし、仲間たちの元へと伸びていく。
ミイロはその糸の端をつまむ。
するとそれは形状を変え、耳を覆うほどの大きさに広がる。
ミイロはそれを耳に当てる。
『みぃ!聞こえてる?』
『みーねーちゃん!メハナだよ!』
『懐かしい。これを使うのは大闘祭のとき以来か。』
『わっ、声が聞こえた!ナニコレ!』
『ママー!レジュくんの力だよね、これ!』
『姉様。周りから見れば独り言を呟いているおかしな子に見えますよ。あまり騒がないほうが…。』
街の人たちが空を見て驚いている。
「何あれ…?」
「矢…?いや、紐…?」
ミイロはため息をつくと、それを不可視化させた。
「消えたっ?!」
「なんだ、さっきのは!」
「すげえ…」
ミイロはそ知らぬ顔で彼らの間をすり抜ける。
「もう…。」
ミイロが呟いたときだった。
『ふぁぁぁぁ。よく寝た…。』
ミイロの中から直接紅蓮ではない声が聞こえた。
ミイロは驚いて足を止めるも、その声がこの世界に勇者として召喚された時に契約した相棒の声だと知っていた。
【レジュ!起きたの。】
すると、レジュリアートは嬉しそうに声を上げる。
『ミイロ!久しぶりだね!』
【ええ。久々ね。】
ミイロが嬉しそうに笑う。
【早速だけど、手伝ってほしいことがあるの。】
『何でも言ってよ!オイラの力はミイロのものさ!』
ミイロはそれを聞いて、笑った。
マナリーがレイチェルに向かって叫ぶ。
エレミヤも驚いているのが分かる。
レイチェルは長く伸びた赤い髪を振り乱して泣き叫ぶ。
「私と同じ赤い髪だからよ…。」
マナリーはハッとしてように顔を上げる。
エレミヤはキョトンとしている。
「あの、赤い髪がどうかしたんですか?」
マナリーはエレミヤに説明を始める。
「私達の国は赤を聖なる色として信仰しています。炎龍を神聖な生き物としているからです。それと同じで赤の髪を持つ人間は、大事にされるのですよ。」
エレミヤはなるほど、と呟き、頷く。
「僕が探してきましょうか?その誘拐犯とお子さん。」
すると、レイチェルは
「あなた新人でしょ?優秀な冒険者に依頼するわ。気持ちだけでも嬉しいわ。ありがとう。」
と少し落ち着きを取り戻した様子で言う。
マナリーはそんなレイチェルに呟きかける。
「何言ってるの!エレミヤ様は新人なだけでお強い方よ!」
レイチェルはエレミヤを見定めるように眺める。
その左手に握られている大きい袋を見て目を大きく広げる。
「それ、全部リザードマンの頭部?」
エレミヤはそれを見て、ニッコリと笑う。
「そうですよ。仲間と狩ってきました。」
「これだけの量を?」
「そうですが…。おかしいですか?」
それを聞いてレイチェルは悩む仕草をする。
マナリーはレイチェルに聞かせるようにエレミヤにこう質問をした。
「そういえばエレミヤ様、十分程前に出ていかれたばかりでしたが、なぜそんなに早く森へとたどり着けたのですか?」
レイチェルはそれを聞いて、目を見開く。
「まさか…10分でその量を…?」
エレミヤは自分の持ってる袋をちらりと見たあと、苦笑いする。
「えぇ。まぁ。」
レイチェルは呆然としていたが、隣では頼れる上司のキラが親指を立てて笑っているのを見て、エレミヤに言う。
「お願いします。娘を…。リィカを助けて…。」
「私からもお願いします…。」
レイチェルとマナリーが頭を下げる。
エレミヤは微笑み、
「報酬は50ロンでいいですよ。」
と言うと、リザードマンの頭を袋ごとマナリーに渡す。
「その間に確認しておてくださいね!」
エレミヤはそう叫ぶと、ギルドを飛び出した。
外に出ると、全てを聞いていた仲間たちがいた。
彼らはエレミヤに頷きかける。
エレミヤは頷き返す。
そして彼らはそれぞれ散り、走り始めた。
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「もう、まっくんたら厄介ごと背負ってくるんだから…。」
ミイロは走りながら呟いていた。
そして聖弓レジュリアートを取り出す。
「ほいっ!」
そして、矢を番えたそれを空に向かって放つ。
すると、それは枝分かれし、仲間たちの元へと伸びていく。
ミイロはその糸の端をつまむ。
するとそれは形状を変え、耳を覆うほどの大きさに広がる。
ミイロはそれを耳に当てる。
『みぃ!聞こえてる?』
『みーねーちゃん!メハナだよ!』
『懐かしい。これを使うのは大闘祭のとき以来か。』
『わっ、声が聞こえた!ナニコレ!』
『ママー!レジュくんの力だよね、これ!』
『姉様。周りから見れば独り言を呟いているおかしな子に見えますよ。あまり騒がないほうが…。』
街の人たちが空を見て驚いている。
「何あれ…?」
「矢…?いや、紐…?」
ミイロはため息をつくと、それを不可視化させた。
「消えたっ?!」
「なんだ、さっきのは!」
「すげえ…」
ミイロはそ知らぬ顔で彼らの間をすり抜ける。
「もう…。」
ミイロが呟いたときだった。
『ふぁぁぁぁ。よく寝た…。』
ミイロの中から直接紅蓮ではない声が聞こえた。
ミイロは驚いて足を止めるも、その声がこの世界に勇者として召喚された時に契約した相棒の声だと知っていた。
【レジュ!起きたの。】
すると、レジュリアートは嬉しそうに声を上げる。
『ミイロ!久しぶりだね!』
【ええ。久々ね。】
ミイロが嬉しそうに笑う。
【早速だけど、手伝ってほしいことがあるの。】
『何でも言ってよ!オイラの力はミイロのものさ!』
ミイロはそれを聞いて、笑った。
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