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今日はコンパニオン学園入学の日。私たち入学生を歓迎しているかのような晴天だ。

コンパニオン学園は成績の順番でクラスが決まる。もちろんエスポワール様は1番上のクラス。推しと同じクラスになるには死ぬ気で勉強しなければいけなかった。その功が奏して同じクラスになれた。そしてエスポワール様の婚約者であるモナルカ・サルキー、モナルカの腐れ縁であるセルド・キャバリアと同じクラスである。

貴族界には身分が下の人から上の人に話しかけるということはしてはいけないという暗黙のルールがある。そのためセノからは話しかけれないのだ。エスポワールから話しかけてもらうのを待つしかない。
入学式、クラスでの自己紹介も終わり、お開きになったのだが、エスポワールとどうやって仲良くなろうかと悶々と考えていると、
「ペンブローク様」
誰かに呼ばれて後ろを振り返るとエスポワールが立っていたのだ。椅子から転げ落ちるのではないかというぐらい慌てて立ち、
「お初目にかかります。セノ・ペンブロークと申します。以後よろしくお願いします。」
セノは自己紹介をし、貴族式のお辞儀をした。
「ペンブローク様、ここは学園ですので、どうか堅苦しい挨拶はしないでください」
と優しい声で言われた。
推しが喋ってる!始めて生で声が聞けた、と喜んでいた束の間
「今からお茶をしに行くのですが、一緒にいかがですか?」
推しにお茶のお誘いを頂いたことに興奮し、エスポワールに3歩近づき、鼻息を荒くして行く事を伝えた。


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