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いやいやまさか!私が異世界転生なんて!

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私は、小林 夢奈!こばやし むなです!1人で部屋にこもってたら急に、不思議な光に包まれて。

「あれ?これって異世界転生!?きちゃったか~。ついに私も!?
転生後の私ってどんな姿かな?鏡。あれ?鏡ってぇ。どこ?ってかなんで、こんなに
真っ暗なの?」

まわりが見えない。暗い。声は響いて何も返ってこない。怖い。
さっきまでのテンションとは別に心細さだけが残った。

「だれか。いないの?ねぇ。誰か。」

真っ暗な場所に私の声だけが響いて何も返ってこない。次第に私の声は、暗闇に
吸い込まれていった。何も聞こえない場所に響いたのは、私の心臓の音だけだった。
怖くなったしまった私は泣いていた。

「なんで?怖いよぉ。助けて。誰かお願い。」

この声が誰かに聞こえるはずもなく。ただ暗闇に吸い込まれていった。
泣き声だけが響く。

そんな中、頭によぎった声。

「真っ直ぐ。おおまた6歩。」

「誰かいるの?」

聞いても返事は返ってこない。仕方なく指示の通りに動く。
また声が頭をよぎった。

「右を向いて。こまたで3歩。」

また指示の通りに動く。また声が頭をよぎった。

「そのまま。そこで寝っ転がって。」

え?なんでだろう。でも指示に従う他ない。私はそのまま寝っ転がった。

「いい子だね。」

今度はちゃんと声が聞こえた。頭を撫でられた。

「真っ直ぐな君に視界をあげる。」

意味がわからなかった。この暗いのは私の目の問題なのだろうか。
そう考える暇もなく目の前が明るくなった。

「っ!いやぁ。」

思わず声が出てしまった。目を開けるとそこには1人の男の人がいた。

「あなたは誰ですか?」

「それより先に言うことがあるんじゃない?」
 
ごもっともだ。視界をくれたのが嘘でも本当でも、この男のおかげで目が楽になったのだから。

「助けていただきありがとうございます。」

「そうそう。恩人には最初にありがとうが礼儀だもの。でも、僕の紹介より先に君のことを教えてくれないか。」

私のこと?確かに名前も出身も誕生日も全部覚えている。でも何を話せばいいのかわからない。
やっぱり最初は名前から。うん。そうしよう。

「えっと。私は小林 夢奈と言います。」

「こばやし むな?変わった名前だ。あ、そうだ。もう寝っ転がっていなくても結構だよ。
 あとね、僕の名前は、、、ラトリア・スヴライカ。ラトリアと呼んでくれ。」

私は立ち上がり、その場に座った。ラトリアか、女の子みたいな名前だな。言わないでおこう。
あと私が思ったのは、、、小さい。ラトリアさんはものすごく小さかった。
見た目は120cmもないくらいだろうか。

「小さい。」

思わず口にしてしまった。やばい。これは、やってしまった。

「っ!お前。いや、君。恩人に小さいとは。いや君みたことないしやはりそうか。」
 
何がだろう。何かよからぬものと勘違いされてないだろうか。

「君。転生者とやらだね。伝説にいるんだよ。転生者がね。
 転生者はこちらの世界にくる時に五覚のいずれかをなくすんだ。」

「確かにみたことのない場所。やっぱりそうなのかな?」

「確証はないが多分そうだろう。あと小さいと言ったことは謝罪してもらおうか。」

ラトリアさんの顔をよくみたらムーっとした顔をしていた。ちょっと可愛いと
思ってしまったがまた声にしたら危ないと思い隠した。

「はい。小さいといってしまいごめんなさい。」

「まぁ。そのことは忘れてやる。でも次は許さないからな!」

「はい。気をつけます。」

あれ?そういえばやたら転生者に詳しいな。それに見た目的に、私より若そう。
私はこれでも女の子で身長は160はある。年齢はこれでも14だ。それに、上から目線がちょっとかわいげない。って言ってもこの子、男の子なんだけど。

「僕のことを考えているみたいだね。これでも僕はここの女王さ。」

「えーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

まさかそうとは思わなかった。それになんで心が読めるのだろう。不思議なことだらけのこの世界。私これからどうなっちゃうの?
  
                                 2話に続く
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