無能だと追放された「雑用係」のハル、現代の知恵(ライフハック)を駆使したら、呪われた魔王城が聖域化して伝説の賢者と呼ばれ始めた

ユネ

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第4話:魔王城の湯けむり、極上のサウナ体験

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魔王城の生活は快適ですが、一つだけ不満がありました。
「……お風呂が、寒すぎます」
​この城の浴室は巨大な石造りで、お湯を張ってもすぐに冷めてしまいます。おまけに石の床は冷たく、湿気でカビ臭い。カレンは「修行の場としては最高です!」と喜んでいますが、私にとっては苦行でしかありません。
​「ハル様、また何か怪しげな準備を……。その大量の『塩』と、『柑橘類の皮』、それからその『板』は何に使うのですか?」
「『怪しげ』ではなく『ライフハック』です。今夜は最高のお風呂にしますよ」
​私は凍えるような大浴場を改造し始めました。
• ​まず、浴槽に溜めたお湯にたっぷりの塩を投入します。
• ​次に、乾燥させておいた柑橘(異世界レモン)の皮を布袋に入れて浮かべます。
• ​そして、湯船の半分を例の板で蓋をしました。
​「さあ、入ってみてください」
「失礼します……。……っ!? な、なんですかこれは!? 体の芯から、熱が、熱が溢れてきます!」
​カレンは驚愕して叫びました。
​「塩には保温効果があり、お湯が冷めにくくなるだけでなく、湯冷めもしにくくなります。柑橘の皮の成分は血行を促進し、香りによるリラックス効果、いわゆる『アロマ』ですね」
​さらに私は、浴室の隅に熱した石を置き、そこに少量の水をかけました。
​「この板で蓋をすることで、蒸気が逃げずに浴室全体が温まるんです。これぞ現代の簡易サウナ……いえ、『蒸気結界』とでも呼びましょうか」
​「熱い……なのに、心地よい。日々の訓練で凝り固まった筋肉が、魔力で解きほぐされるようです……。ハル様、これはもはや『癒やしの聖域』です。王国の療養所より遥かに素晴らしい……」
​カレンは湯船の中で、完全に骨抜きになっていました。
​その頃、勇者パーティーの拠点は。
​「冷てぇ……! 魔力で沸かした湯なのに、なんでこんなにすぐ冷めるんだよ!」
「勇者様、カビの臭いで気分が悪いですわ……。あぁ、ハルがいた頃は、お風呂上がりもずっとポカポカしていたのに……」
​彼らは、ハルが毎日こっそりバスソルト(塩)を手作りし、湯船に蓋をしていたことなど、一度も気づいていなかったのでした。

​今回のライフハック:【バスソルトと湯船の蓋】
• ​解説: 塩をお風呂に入れると、肌の表面に膜を作って熱を逃がしにくくする「保温効果」があります。また、柑橘系の皮(リモネン)には血行促進やリラックス効果があります。
• ​蓋の効果: お風呂に蓋をするだけで、お湯の温度低下を劇的に防ぐことができます。


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