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episode.1(2007/3/22)
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2007年3月22日
目が覚めた時、僕は新幹線の中にいた。朝には晴天だった横浜の天気は、福岡に到着する頃にはすっかり曇り空に変わっていて、僕が余りに寝過ごしてしまっていた事実を突きつけられる。一本調子で変わることのない車内アナウンスに従って、次々に乗客がいそいそと荷物を戸棚から下ろしている。その仕草が音を立てるだけで、他に話し声などは聴こえてこない。終点に近づいた新幹線の中は平日ということも手伝って、ひっそり閑としていた。数人、高校生らしい乗客がいる。大学受験には少し遅い。もしかすると新生活のために部屋探しにでも来ているのか、それともその帰りなのかもしれない。僕もそういえばこの時期に部屋探しに横浜へと向かったのだった。そんなに昔のことでも無いのに、とうに昔のことのように感じる。ふと目をやった窓に少し水滴が残っている。きっと何処かで雨でも降っていたのだろう。乾いたということは、どうやら関西の方だろうか。そんな興味のない空想を巡らせながら、今は降る様子のない空に傘の無い僕はちょっと安心していた。
大牟田へと向かう特急電車は新幹線に引けを取らないほどに座席が広い。思わず寝入ってしまいそうだったが、今度は新幹線のように終点まで乗る訳にはいかない。僕は鳴りもしない携帯をぐっと握り締め、眠らないようにじっと窓の外を見つめていた。
窓の外の景色は1年前とちっとも変わってはいない。むしろ1年で劇的に変わるほうが問題なのだが。街と田畑の繰り返し。ところどころで高校生らしき制服の若者が、そんな田舎道を闊歩したり、友達と話したりして時間を過ごしている姿を見た。他にも河が見えたり、田畑の中に居心地が悪そうに建っている新築っぽい建物がある。九州とはそういうところだ。
45分ほどで大牟田に着くと、とうの昔に降り止んだであろう雨の跡がぽつりぽつりと残るホームで、乾き遅れたアスファルトが次々と人々の熱を吸収していた。近年自動化された改札はもうその新しさを失い、当然そこにあるかのように存在している。無機質にそこを通ると、僕は目の前のタクシー乗り場から、すぐにそれに乗り込んだ。
3年前からずっと破れたままになっている小さな売店の入り口のマットも、売れ遅れたアイドルが切符を持って宣伝しているポスターも、僕にはもう何の感情も与えてくれなかった。それでもそこに目が行ってしまうのは、きっと僕の中で少しでもこの帰郷を楽しみたい、久しぶりの故郷を見ておきたいという意識が無意識のうちに働いていたからに違いない。この帰郷が楽しいものではないことは、僕が一番よく分かっている。
「帰省ですか?」
別に話しかけなくてもいいのに、ずっと無言で窓の外を見ていた僕に気を遣ったのだろう。運転手が話しかけてきた。特に会話を続ける気はなかったので、僕は適当に返事だけすることにした。
「3月のこの時期に帰省するなんて珍しいですね」
いつ帰省しようと僕の勝手ではないか。例え珍しいとして、僕がその珍しく故郷に帰ってきた理由を今会ったばかりの運転手に話さなければならないのだろうか? もし話せば僕に何かしらの提言や回答を導いてくれるのだろうか。多分彼にそんな能力はないだろう。所詮、僕と彼とはこれから二度と逢わない確率が高い、そんな関係なのだ。有り合わせの語彙で、何とでもなる答えを適当に用意して答えた。正直に答える必要も、無碍にする必要もなかった。もしかすると無愛想に聴こえたのかもしれない。それならそれでも良い。今は余り人と話したくない気分なのだ。僕の考えていることが伝わったのかは分からないが、運転手はそれきり黙ってしまった。
外の景色は相変わらず降りだしそうで降り出さない曇り空だった。微かに夕暮れの色が雲の向こうに隠れている。そのもっと向こう側に彼女がいる気がして、僕はしばらくの間、窓の外を眺めていた。
「ありがとう」
いつものことだ。僕は新幹線の中で見た夢をふと思い出す。雲の裏で微笑む声は、夢の続きを見ているようだった。どんなに僕が言葉を重ねようとしても、曇り空の下では、彼女は僕にそう言うと姿をふぅっと隠してしまう。夢の中で僕がどれだけ彼女を追い求めても、その笑顔に救われながら生きていたとしても、その言葉の瞬間に夢は醒め、僕は正気に戻り、現実に戻される。
「ありがとう」という言葉はきっと彼女の代名詞であり、それ以外の言葉は、何の性質も意味も持たない、輪郭すらも持たない、実体のない透明なモンタージュのようなものなのだ。
道案内さえもしようとしない僕を不機嫌な面持ちで見守る運転手を尻目に、僕は適当な場所でそれから降りた。雨はまだ降り出してはおらず、何も濡らすことなく、家の前までたどり着くことができた。
家に戻ると母親が待ち構えた表情で出迎えた。1年ぶりの息子の帰郷が嬉しくてしかたないらしい。僕は会話もそこそこに自分の部屋に行った。仏頂面の僕に、少し不機嫌な素振りを見せたが、今回の帰郷が決して休養のためではないということは既に知っていたので、そういう僕の心境を察したのか、母親は目と鼻の先にある祖父と祖母の家に行ってしまった。
部屋は僕がその前に福岡に戻った時と全く変わりはなかった。シンプルな机の横にバッグを置くと、椅子に座って一呼吸した。あぁ、僕はまたこうして福岡に帰ってきた。季節は春といえども、夕方は少し肌寒い。一瞬身震いすると、ふと机の横の本棚の青年誌に紛れた深い赤の皮地の本が目についた。それは高校の卒業アルバムだった。それを手に取り、1回深く深呼吸をすると、僕はそれを開いた。偶然開いたページには僕のクラスの集合写真が載っていた。右端で気だるそうに身体を傾けているのが僕だ。皆からは少し距離を置き、睨むようにレンズを見ている姿は最上級に格好悪く見える。そこから少しだけ下に目を移すと、すぐに彼女を見つけることができた。皆と同様に手を体の前で組んだ姿は彼女だけは清楚で眩しくみえた。今になって思えば、その笑顔にはどことなく迷いがあるようにも思えたが、木漏れ陽差す中庭の白と黒の光と影は間違いなく22年間の僕の生きる意味に値していた。どこからともなく笑みが沸き上がってくる。しかし、それ以上に「何か」しらの虚無感に襲われた。それは回避できない無力感に似ていた。もう一度だけ・・・。もう一度、僕はこの笑顔と出逢うことが出来るのだろうか?僕は用意していた肩掛けバッグの中に、メモ帳と心理学の本を突っ込んでから、もう一度だけアルバムに目をやり、家を出る準備をする。
また空はどんよりと曇りはじめ、今にも降り出しそうな雨を予感させた。鍵を持っていない僕は勝手口の車庫から出るしかない。猫の首を絞めたような音をたて車庫を3分の2まで降ろすと後は足で降ろした。家の前の信号は今赤に変わってしまい、すぐに変わる気配を見せなかったが、もう一つ先の交差点を渡れば問題ない、とそこまで歩き始めた。道に沿ってそびえる神社の風貌は特に変わりはなく、敢えて言うなら、かつて探険をした神社の裏の空家の周りが立入禁止の看板と共に金網で巡らされていた。蛇でもでたか、とくだらない予測をしながら通り過ぎると、ちょうど青に変わった交差点を歩道の白い部分の上だけを巡るようにして渡った。
彼女の家はこの場所から3分程直進し、小学校の前で左に曲がった道の更に最初の角を右に曲がった裏通りに存在する。下校中の小学生が雨で濡れてはいない傘を刀代わりに遊んでいる。それを目で追いながら裏道に足を進めるた時、僕は自然に呟いた。
「運命なんて信じない」
呟いた後で自分が声を出していたことに少しだけ驚くが、考え自体はいつも思っていることである。「出逢いは運命」なんて他人任せの弁明にしか思えない。神も仏も必然も存在しない。すべて偶然だ。人はきっと自分の都合に合わせて神や仏を登場させないと、相手との繋がりを信じることができないのだろう。自分の生きる道を見失い、自分の人生に実態をみることができないのだろう。でも、そんなこと関係なく、時間は流れるし、僕はその都度、その人生を生きる。その上で何かが起こる。何が起こるのかはわからない。こうして歩いている今も、このまま一人かもしれないし、誰かに会うかもしれない。人は出逢う時には出逢い、別れるときには別れる。時には出逢う事さえないこともある。それは自分や相手や、時には第三者、環境などを合わせたものがそうさせたのであり、決して神や仏がそう導いているのではない。僕は神も仏も信じていないし、運命で誰かと繋がれるとも思っていない。
そもそも繋がりなど存在するのだろうか。
人は生まれて死ぬまでずっと独りじゃないのだろうか。
少なくとも僕はずっと孤独だったのだと思う。
目が覚めた時、僕は新幹線の中にいた。朝には晴天だった横浜の天気は、福岡に到着する頃にはすっかり曇り空に変わっていて、僕が余りに寝過ごしてしまっていた事実を突きつけられる。一本調子で変わることのない車内アナウンスに従って、次々に乗客がいそいそと荷物を戸棚から下ろしている。その仕草が音を立てるだけで、他に話し声などは聴こえてこない。終点に近づいた新幹線の中は平日ということも手伝って、ひっそり閑としていた。数人、高校生らしい乗客がいる。大学受験には少し遅い。もしかすると新生活のために部屋探しにでも来ているのか、それともその帰りなのかもしれない。僕もそういえばこの時期に部屋探しに横浜へと向かったのだった。そんなに昔のことでも無いのに、とうに昔のことのように感じる。ふと目をやった窓に少し水滴が残っている。きっと何処かで雨でも降っていたのだろう。乾いたということは、どうやら関西の方だろうか。そんな興味のない空想を巡らせながら、今は降る様子のない空に傘の無い僕はちょっと安心していた。
大牟田へと向かう特急電車は新幹線に引けを取らないほどに座席が広い。思わず寝入ってしまいそうだったが、今度は新幹線のように終点まで乗る訳にはいかない。僕は鳴りもしない携帯をぐっと握り締め、眠らないようにじっと窓の外を見つめていた。
窓の外の景色は1年前とちっとも変わってはいない。むしろ1年で劇的に変わるほうが問題なのだが。街と田畑の繰り返し。ところどころで高校生らしき制服の若者が、そんな田舎道を闊歩したり、友達と話したりして時間を過ごしている姿を見た。他にも河が見えたり、田畑の中に居心地が悪そうに建っている新築っぽい建物がある。九州とはそういうところだ。
45分ほどで大牟田に着くと、とうの昔に降り止んだであろう雨の跡がぽつりぽつりと残るホームで、乾き遅れたアスファルトが次々と人々の熱を吸収していた。近年自動化された改札はもうその新しさを失い、当然そこにあるかのように存在している。無機質にそこを通ると、僕は目の前のタクシー乗り場から、すぐにそれに乗り込んだ。
3年前からずっと破れたままになっている小さな売店の入り口のマットも、売れ遅れたアイドルが切符を持って宣伝しているポスターも、僕にはもう何の感情も与えてくれなかった。それでもそこに目が行ってしまうのは、きっと僕の中で少しでもこの帰郷を楽しみたい、久しぶりの故郷を見ておきたいという意識が無意識のうちに働いていたからに違いない。この帰郷が楽しいものではないことは、僕が一番よく分かっている。
「帰省ですか?」
別に話しかけなくてもいいのに、ずっと無言で窓の外を見ていた僕に気を遣ったのだろう。運転手が話しかけてきた。特に会話を続ける気はなかったので、僕は適当に返事だけすることにした。
「3月のこの時期に帰省するなんて珍しいですね」
いつ帰省しようと僕の勝手ではないか。例え珍しいとして、僕がその珍しく故郷に帰ってきた理由を今会ったばかりの運転手に話さなければならないのだろうか? もし話せば僕に何かしらの提言や回答を導いてくれるのだろうか。多分彼にそんな能力はないだろう。所詮、僕と彼とはこれから二度と逢わない確率が高い、そんな関係なのだ。有り合わせの語彙で、何とでもなる答えを適当に用意して答えた。正直に答える必要も、無碍にする必要もなかった。もしかすると無愛想に聴こえたのかもしれない。それならそれでも良い。今は余り人と話したくない気分なのだ。僕の考えていることが伝わったのかは分からないが、運転手はそれきり黙ってしまった。
外の景色は相変わらず降りだしそうで降り出さない曇り空だった。微かに夕暮れの色が雲の向こうに隠れている。そのもっと向こう側に彼女がいる気がして、僕はしばらくの間、窓の外を眺めていた。
「ありがとう」
いつものことだ。僕は新幹線の中で見た夢をふと思い出す。雲の裏で微笑む声は、夢の続きを見ているようだった。どんなに僕が言葉を重ねようとしても、曇り空の下では、彼女は僕にそう言うと姿をふぅっと隠してしまう。夢の中で僕がどれだけ彼女を追い求めても、その笑顔に救われながら生きていたとしても、その言葉の瞬間に夢は醒め、僕は正気に戻り、現実に戻される。
「ありがとう」という言葉はきっと彼女の代名詞であり、それ以外の言葉は、何の性質も意味も持たない、輪郭すらも持たない、実体のない透明なモンタージュのようなものなのだ。
道案内さえもしようとしない僕を不機嫌な面持ちで見守る運転手を尻目に、僕は適当な場所でそれから降りた。雨はまだ降り出してはおらず、何も濡らすことなく、家の前までたどり着くことができた。
家に戻ると母親が待ち構えた表情で出迎えた。1年ぶりの息子の帰郷が嬉しくてしかたないらしい。僕は会話もそこそこに自分の部屋に行った。仏頂面の僕に、少し不機嫌な素振りを見せたが、今回の帰郷が決して休養のためではないということは既に知っていたので、そういう僕の心境を察したのか、母親は目と鼻の先にある祖父と祖母の家に行ってしまった。
部屋は僕がその前に福岡に戻った時と全く変わりはなかった。シンプルな机の横にバッグを置くと、椅子に座って一呼吸した。あぁ、僕はまたこうして福岡に帰ってきた。季節は春といえども、夕方は少し肌寒い。一瞬身震いすると、ふと机の横の本棚の青年誌に紛れた深い赤の皮地の本が目についた。それは高校の卒業アルバムだった。それを手に取り、1回深く深呼吸をすると、僕はそれを開いた。偶然開いたページには僕のクラスの集合写真が載っていた。右端で気だるそうに身体を傾けているのが僕だ。皆からは少し距離を置き、睨むようにレンズを見ている姿は最上級に格好悪く見える。そこから少しだけ下に目を移すと、すぐに彼女を見つけることができた。皆と同様に手を体の前で組んだ姿は彼女だけは清楚で眩しくみえた。今になって思えば、その笑顔にはどことなく迷いがあるようにも思えたが、木漏れ陽差す中庭の白と黒の光と影は間違いなく22年間の僕の生きる意味に値していた。どこからともなく笑みが沸き上がってくる。しかし、それ以上に「何か」しらの虚無感に襲われた。それは回避できない無力感に似ていた。もう一度だけ・・・。もう一度、僕はこの笑顔と出逢うことが出来るのだろうか?僕は用意していた肩掛けバッグの中に、メモ帳と心理学の本を突っ込んでから、もう一度だけアルバムに目をやり、家を出る準備をする。
また空はどんよりと曇りはじめ、今にも降り出しそうな雨を予感させた。鍵を持っていない僕は勝手口の車庫から出るしかない。猫の首を絞めたような音をたて車庫を3分の2まで降ろすと後は足で降ろした。家の前の信号は今赤に変わってしまい、すぐに変わる気配を見せなかったが、もう一つ先の交差点を渡れば問題ない、とそこまで歩き始めた。道に沿ってそびえる神社の風貌は特に変わりはなく、敢えて言うなら、かつて探険をした神社の裏の空家の周りが立入禁止の看板と共に金網で巡らされていた。蛇でもでたか、とくだらない予測をしながら通り過ぎると、ちょうど青に変わった交差点を歩道の白い部分の上だけを巡るようにして渡った。
彼女の家はこの場所から3分程直進し、小学校の前で左に曲がった道の更に最初の角を右に曲がった裏通りに存在する。下校中の小学生が雨で濡れてはいない傘を刀代わりに遊んでいる。それを目で追いながら裏道に足を進めるた時、僕は自然に呟いた。
「運命なんて信じない」
呟いた後で自分が声を出していたことに少しだけ驚くが、考え自体はいつも思っていることである。「出逢いは運命」なんて他人任せの弁明にしか思えない。神も仏も必然も存在しない。すべて偶然だ。人はきっと自分の都合に合わせて神や仏を登場させないと、相手との繋がりを信じることができないのだろう。自分の生きる道を見失い、自分の人生に実態をみることができないのだろう。でも、そんなこと関係なく、時間は流れるし、僕はその都度、その人生を生きる。その上で何かが起こる。何が起こるのかはわからない。こうして歩いている今も、このまま一人かもしれないし、誰かに会うかもしれない。人は出逢う時には出逢い、別れるときには別れる。時には出逢う事さえないこともある。それは自分や相手や、時には第三者、環境などを合わせたものがそうさせたのであり、決して神や仏がそう導いているのではない。僕は神も仏も信じていないし、運命で誰かと繋がれるとも思っていない。
そもそも繋がりなど存在するのだろうか。
人は生まれて死ぬまでずっと独りじゃないのだろうか。
少なくとも僕はずっと孤独だったのだと思う。
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