頼むから俺の前にいる女は泣き叫ばないでください〜ヤンデレ部下と3馬鹿魔法少女は俺の邪魔をするな〜

スパイスマン

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第2話 ボスの過去

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部屋の空気が、しんと静まり返った。



今、この男はなんと言った?

少女は自分自身に問いかける。



「俺はね、ドMなんだ。」

頭の中で、少女は何度も繰り返す。



ふと、少女がボスの方を見ると、ボスは少し恥ずかしそうに俯いている。



たしかに、この男がドMであるなら、私が何か大変な目にあうことはないのかもしれない。

少女は、思った。



しかし、一方で、まだボスに対して訝しむ気持ちもあった。



それもそのはず、もしボスがドMだというのなら、人質の少女にあんなXXXXやこんなXXXXをして、最後に食う、なんて噂が立つわけがないのだ。



少女は口を開く。



「あなたがドMなのだとしたら、どうしてこんな噂が流れてるのよ?」



ボスは目を瞑り、参ったなぁという表情をして、腕を組む。



しばらくうーんと唸った後、おもむろに口を開いた。



「それじゃあ、少しだけ昔の話をしようか。」

















少しだけ昔の話。

とある悪の組織に頭が良く、容姿にも優れた男がいた。



その男は、さまざまな悪事を働いた。

もちろんなんの証拠も残さず。



この頃は、まだこの男の性癖が、彼のキャリアに響く事は無かった。



あれよあれよというまに、悪の組織を上り詰め、ボスと呼ばれるようになったある日、悲劇は訪れた。



今までに無かった仕事、人質との邂逅であった。

この組織、人質を律儀にボスの前に差し出してくるのだ。



ボスとなって初めて、人質の女性と対面した時のことを彼ははっきりと覚えている。



震えている体、泣いている。

自身より圧倒的に弱い立場。























これはいじめられたい。























彼は心の底から、そう思ってしまった。

こんなご馳走を目の前にして、黙っていられるかとワクワクが止まらなかった。



彼は、ここでミスを犯していた。あまりのワクワク感で少しだけ頭が緩くなっていたのだ。



その頭に飛び込んできたのが、人質を連れてきた当時の部下の一言。



「ボス、この女を可愛がってやってくださいよ。ちなみに、ボスはどんな風にこの女を可愛がるつもりですか?」



この部下、急に質問してきやがった。

彼が、そう思った時には、頭はさっきまでのワクワクから切り替わっていた。



彼が、この組織でトップまで上り詰めてきた、その頭脳は伊達では無かった。



すぐさま、悪の組織のトップとして、部下の前で面目を潰さないような答えを思いついた。



しかし、彼の頭脳は優秀すぎた。

そして、ワクワクがあまりにも大きすぎた。

その振れ幅はあまりにも巨大であった。



次の瞬間には、凡人の振れ幅を大きく超えた答えがすらすらと彼の脳内に用意された。



「あぁ、まず手始めに、この女のXXXXにたくさんのXXXXをXXXして、さらにXXXXまでした後、XXXXXXXを使って、この女の内部を見る。あと、近くの森にXXXXとか捨てて、色んな動物とか虫にXXXXを食わせる。そして最後に俺も食う。あとは....。」



この時点で、ボスは気が付いてしまった。

女は泡を吹いて気絶し、部下の方は顔面蒼白で引き攣った笑顔を浮かべている。



「それじゃあ、ごゆっくり。」



部下はそういって、叫び声を上げながら逃げてしまった。



まさに若気の至り、組織のトップとしてのプライドによって、根も葉もない噂をばら撒いてしまった瞬間であった。



そして、この噂が今日も姿を変えながら

この組織で語り継がれているのだ。















「えぇ....。」



少女は絶句していた。



正直、何を聞かされているのか全くわからなかったが、とりあえず私は助かるのかもしれない。

そんな風にも思っていた。



しかし、少女は、まだ訝しんでいた。



「その後、その女性はどうなったのよ?」



彼女は気になっていたことを聞いた。

ボスは、ゆっくりと答える。



「あの人か。」



そう言うと、さまざまな鍵を使って、奥の金庫を開け出した。



まさか、その人は殺されて...。

あそこに生首とか入れまくってるんじゃ...。



少女はゾッとした。

まだ私は希望を持つべきじゃ....。

と思った時、ボスは徐に金庫から何かを取り出した。



少女が薄目でそれを見ると、何やら白い束だった。



「俺のところに来る人質は、毎回ちゃんと逃がしてるよ。安全な逃げ場も用意した状態でね。あと、これが暑中見舞いとか年賀状。歴代の人質さん達のやつね。」



少女が目にしたのは、可愛らしいゴムでまとめられた大量のハガキだった。



恐る恐るハガキを眺める、そこには様々な笑顔と様々な生活があった。



「みんな、元気そうで何よりだよ。」



ボスが言った。



少女は、少し呆れながら、さすがに自分の身の安全を確信した。



ソファに深く腰掛けると、ゆっくりと深呼吸をした。



「それで、私は逃してもらえるってことなのよね?」



少女はボスに聞く。



「あぁ、もちろんだ。俺に少女をいたぶる趣味はないからね。」



こう言った後、ボスは少しだけ声を潜めて言った。



「ただね、君を逃す前に2つほど超えなきゃいけない壁があるんだ。それはね...。」



そこまでいった瞬間、2人はあまりにも大きな殺意を感じた。



何かが来る。



ボスは、少女にクローゼットの中に隠れるように指示し、少女はすぐに隠れた。



コツコツと廊下から足音がする。

ドアの前に何者かが立った。
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