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第一巻・我輩がゴアである

 遊園地と化した巨大戦艦

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「痛てててて。痛いよキヨ子~」
 まるでカメラクレーンで自在に宙を移動するテレビ局のカメラマンのように、操縦するカメムシの肢に自ら乗ったキヨ子が逃げようとするアキラを捕まえて、その耳を引っ張っていた。

「どうしてあなたは! 私という許婚(いいなずけ)がいておきながら……」
 キヨ子は摘まんでいた指に力を込めて、
「ほかの……それもこんな宇宙人に目が行くのですか! この眼がいけないのですね! それならいっそくりぬいて差し上げましょうか!」
「あててて。いつから僕の許婚になったんだよぉ。家が隣なだけじゃないか」
「隣同士に住む男女は昔から夫婦(みょうと)になるとアニメでは決められているのです」
「そんな無茶苦茶な。ここはアニメじゃないよ。ねぇマイボ~。何とか言ってよ」
 助けを求めるアキラであるが、NAOMIさんは我関せず、涼しい顔をして巨大カメムシを見上げていた。

 なるほど――。
「夫婦喧嘩はイヌも食わないの、実例であるな」

 ホロデッキコントローラの前まで耳を摘まんでアキラを引き摺って行くキヨ子。
「あなたは私の指示どおりに、動けばいいのです。ほら、しゃきしゃきなさい!」
 激しく叱咤する。
「痛ぁぁぁい。もう人使いが荒いなぁ……」
 耳を真っ赤にしたアキラが口先を突き出しつつ、それでも素直に三輪車の後ろに着いて押そうとしている。

『子供相手に情けないやっちゃなぁ。おまはん』
「だってキヨ子に口では勝てないもん」
『一発、しばいたれ』
 ギアの過激な発言にアキラはブンブン手を振って遠い目でキヨ子を眺めた。
「そんなことしたら殺されるよ」
『暴力を肯定はしないが、相手は6歳児であるぞ。言いなりになることは無いだろうに』

「僕は女の子に逆らわない方針なんだ。年齢に関係なくね。女の子はいろいろさ」
 左様(さい)ですか……。ポリシーなら何も言い返せないのである。

『おまはん、イタリア人でっか?』
『ぷっ』
 おもしろい。

 お気楽なアキラとギアなのに、その隣では真面目な打ち合わせが続く。まさに髪結いの亭主を絵に描いたような光景であった。

 頃合いを見て、NAOMIさんが声をかけた。
「でさ。このあとどうするのキヨ子さん?」

「司令室の映像は出したままにしといてください。向こうの様子を見ながらタイミングを見計りますわ」
「オッケー。で、具体的にあたしは何をしたらいい?」
「まず、カメムシが船内に浸入してくるというシチュエーションで、偽情報を作ってセンサーマトリックスへ流していただけます? 手段はあなたにお任せします」
「そうよね。いきなり船内に現れるなんて、転送でもしない限り無理だモンね。オッケー。あたしにまかせて」

「どうやるの?」
 ようやく話し合いにアキラが参加。それに応えるNAOMIさんの視線は6歳児に注がれて、
「あたしの合図でさっきみたいな衝撃を出してくれる? 外から体当たりでぶつかってきてたみたいな演出にするからさ」
 と聞いて我輩はひとつの疑問を持ったのだが、先にギアが口を出した。
『そんなおかしなことおまっかいな。宇宙空間を飛べる生物なんていまへんで。そりゃ即バレますワ』

 我輩の思いがこいつと同じだったとは、ちょっと腹立たしいが、その話は的を射ておるのだ。キヨ子も煌いた目玉をマイボに向けて答えを待っていた。

「そんなこと百も承知。まぁ安心して。さっ、いくわよ。……はい、ショック出して」

 マイボの合図にキヨ子はスーパーカメムシに足踏みをさせた。
 ホロデッキシステムで作り上げた3D映像はエネルギー照射で立体映像を作り上げるため、ボディの材質に合わせてエネルギー量を加減すれば、実物と同じ硬度と重量を作り上げることができ、さらに同じ表面仕上げもできるのである。だからこの巨大なボディで足踏みをさせると、
「だわぁぁぁぁぁ」
「ちゃんと掴まってなさい。あなたはに学習能力が無いのですか」
 カメムシの作り出す衝撃でアキラみたいに転げ回ることになるのである。



 そのころ司令室では――。

《2番! 現状報告をしろ。ひっくり返っている場合ではないだろ》
 激しいショックに振り回され、クララとリリーは制御パネルにしがみついたまま何もできないでいた。

《あわわわ》

 よろよろ起き上がりながらも2番アンドロイドはインスペクタ画面に目を遣り、
《右舷後部に衝撃を感知しております》

 再び衝撃が走る。

《同じ場所から船首へ向かって5メートルの位置に何かが衝突。直撃です!》
 3番アンドロイドが緊迫した声を張り上げた。

《どういうことだ。地球からの攻撃か?》
 尋ねるクイーンに首を振る3番。
《それはありえません。連中はまだ我々の存在すら感知していないはずです》

 リリーも同意してうなずく。
《そうよ。まだ何のコンタクトもしてないもの》
《娘子軍が地上に降りたと言う話だぞ》
《あれは観光がてらに地上に降りただけです》
 言い訳めいた言葉に、1番アンドロイドが咬みつく。

《そんな派手な戦闘コスチュームで地上に降りれば、侵略に来ましたとでも言うようなもんであろう。だから地球人は感づいて、》
《そんなことありませんクイーンさま!》
 アンドロイドの言葉を遮り、あいだに割り込むリリーベルナード。

《あたしたちが降りた街にいた住民はもっと奇抜な衣装を纏(まと)っていました。こんな戦闘服、向こうでは普段着のようでしたよ》
 煌びやかでいて胸の大きく空いた上着は明るい色の模様が燃え上がるように腹部から広がり、視線が否応無しに豊かな谷間に誘導されて仕方がない。しかも下はチャイナ服にも似た、裾が腰辺りまで縦に裂けた布が巻きつけてあるだけのフレアーコスチューム。横からしなやかな肢体が覗いている。それがリリーの纏う戦闘服であった。

《それで? どこに降りたんだ、リリー》
《秋葉原とかいう繁華街でした》
《ふ~む。よくわからんが。たしかに地球はこれまでの星と何か違うからな。ワタシの訪問着を見て住民が喜んでおったからな。普通ならおそれ多くてひざまずくもんだろう? 普通ならな》

《では誰の攻撃です?》

《さっき言っていた、ゑプシロン星系の連中では?》
《赤字だけでなく、攻撃まで喰らったのでは採算がとれんぞ》

 1番が全員から睨まれ、肩をすくめるが、取り繕うようにして言い返す。
《あそこは恒星間飛行できる技術が無い。これは地上からの攻撃です》

 またもや船が大きく揺れ、全員がコンソールパネルにしがみついた。
《後部格納庫に穴が開きそうです。このままだと侵入されます》
 一人の男が計器を見て叫び、リリーの震え声が続く。
《穴だと! この宇宙船の外壁に穴が開くと言いたいのか!?》

《で、でかい……。センサーによりますと……》

《どうした!?》

《か、カメムシです。全長……約5メートル》
《それは古生代の話だろ》
《だいぶ小さいです》
《それがこの艦の外壁を突き破るってか?》
 黙ってうなずく貫頭衣の男。3人の立ち位置が複雑に入れ替わってしまい、もう何番かすら分からない。

 クララの目がキラリと光る。
《まて、昆虫が宇宙空間を飛ぶわけなかろうが!》
《尻からガスを出すようです》
《そんな昆虫がいるのか?》
《そのセンサーデータは間違っていません。『よい子の昆虫図鑑』にもお尻からガスを出す、と書かれています》

《ジェットよ……信じられませんわ。お姉さま》
《この艦の外壁を突き破れるはずはない。高硬度のジェルマギルドを使っておるんだぞ》
 リリーは唖然として、クララは歯を食いしばり厳しい顔をした。

《生きていたんですよ、女王さま。ナリは小型化していますが、逆に堅い甲殻に進化し、真空にも耐えられるようになったのですぞ。だから地球人はカメムシをあんなに恐れて……》

 恐れてはいなかったと我輩は思うが。ま、どう感じたかはこの人らの勝手である。


《恐ろしい。なんということだ。こんな方向へ進化を遂げた昆虫はいままで見たことが無い》
 連中はセンサーとインターネットの情報だけを鵜呑みにしており、こちらの思惑通りにパニックを引き起こし始めた。

『エエ感じになってきましたで。さすがキヨ子はんとNAOMIはんでんな』
 感心するギアに、NAOMIさんはまだまだと首を振り、キヨ子も容赦ない。

「NAOMIさんいきますわよ。いままでに無い衝撃波を起しますから、それなりに派手な演出をしてください」
「きゃっほぉぉぉ~。いいわよぉ。派手なのだぁぁい好き~。ナオミ、いっきまーーす」

 キヨ子の操縦でカメムシが両足飛びをして宙に跳ねると、そのまま床に着地した。
 とてつもなく重量のあるものを高い位置から落としたのと変わらない激しいショックが起き、発生した揺れはそれまでの数倍強く、衝撃波となって船内に伝わった。

 反動でアキラは直立した姿勢のまま空中に跳ね上げられ、そのまま尻から落下。何度もバウンドして格納庫の奥に転がって行った。
「あだだだだだ。舌噛んだぁぁぁ」
 向こうで泣きそうな声を上げ、同時にキャザーンの司令室も騒然とした。

《うがががぁぁー》
 3体の禿(は)げアンドロイドは床を転げ回り、
《お、お姉さま……》
 リリーはパネルにしがみつくクララに悲痛感を漂わせながら抱きついていた。
《しっかりしろ! オマエは保安チームのリーダだろ。それからそこのハゲども。報告をせんか! どうなったんだ》

「きゃはははは。ほーら。回すわよぉぉぉ」
 踊り出さんばかりに嬉々としてはしゃぐNAOMIさんには、もう手が付けられない。

「な、何を回すのさ~。もうやめてよ」
 床をはいずりながらこちらに戻ってきたアキラが叫ぶものの、NAOMIさんとキヨ子はそれを無視。平然とした態度でカメムシに足踏みをさせ、サイバー犬は喜色満面で尻尾を振る。船内は不気味に軋み、小刻みに腹を振るわせる波動が駆け巡った。

 次の瞬後。
「うぁぁぁぁ。なんだこれー!」
『ぐあぁぁぁぁぁ。どなしたんでっか?』
 スマホの加速度センサーが狂ったような数値を打ち出し、思わずアキラとギアが大声を上げた。
「うひゃぁぁぁぁぁー」
 こっちにはいずって来ていたアキラがものすごい勢いで、再び床を滑って格納庫の奥へと消えた。

 ダァァァーン。

「痛ぇっぇぇぇ」
 壁の隅にたたき付けられて悲鳴を上げた。
 もう一度強い横向きの重力が襲い、今度はアキラが壁に張り付く。我輩たちが入るスマホも床を滑って隣に飛んでいくと、まるで強い磁石に吸い付けられたかのようにぺったりとくっ付いた。

『うぁぁぁ。何をしてるですかぁ~。NAOMIさぁーん』
 堪らず我輩も叫ぶ。
「右舷のインパルスエンジンだけ噴出させて船を回転させてるのよぉぉ。あははははは」
 とても愉しそうな声が返ってきた。

 キヨ子は自分の作ったスーパーカメムシに守られ、NAOMIさんは高性能なキネマティックコントローラー搭載のスーパーサイバー犬なので、どんなに重力が変化しようともピクリともしない。しかし無防備のアキラは無残であった。

 もちろん司令室だってしっちゃかめっちゃかである。
《右舷方向に受けたショックで艦が回転しております。13番と14番のセンサーダウン。計測不能。右インパルス暴走! ぐぉぉ。止めることができません!》

《今度は左方向からやって来ます。速度……》
 アンドロイドが息を飲む。ロボットだって驚きゃ息だって飲むのである。

《速度がどうした!?》
 リリーが叫び、クララが司令室の窓に飛びつくが、
《だめだ、こっちの窓では反対方向だ。目視ができん。左のモニターを出せ!》

「だめよぉーん。見せないからねぇ」

《左モニター破損してます。こちらも目視できません》
《でも女王様、レーダーにははっきり映っています。光速の5パーセントの速度です。地球製の人工衛星の約2倍の速度で衝突します。女王さま何かに捕まっ、》
 報告するアンドロイドの言葉を待たずして、強烈な衝撃が司令室を襲い、全員が片方向の壁に叩きつけられた。

《ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ》
「うはぁぁぁぁぁぁ」
 アキラもあっちと同じである。逆方向の壁にぶち当たっていた。

 遊園地の乗り物と同化したような動きをする巨大な宇宙船は、右に左に、上に下に、空間内で自由回転。そのたびに船内の重力の向きが踊りまくり、NAOMIさんとキヨ子どの以外は狂ったように壁に叩きつけられた。

「きゃははははは。まだまだよぉ」
「マイボ~もうやめてぇ~。吐きそうだよぉぉぉ」
 であろうな。これだけの異常重力に人間の胃袋は耐えられないはずだ。

 今やシェイカーとなった船内なのに、スーパーカメムシがよくひっくり返らないものである。
「重力の変化にマイクロ秒単位で重心を合わせていますから、ジャイロよりも素早い追従をしていますわ」
 我輩の疑問に対するキヨ子の揺るぎない返答は感銘を受けるのである。

『この子を敵に回したらコワおますな。おまはんの気持ちがよぉーわかったワ』
 アキラと共感を得るギアであった。


 再び大きく宇宙船が回転。今度は天井と床が逆さになった。アキラが変な声をあげて車に引かれたカエルみたいに天井に吸い寄せられるが、カメムシはそれよりも早く体を回転させると天井に着地。再び轟音が響く。
「うげぇぇぇ。もうやめてぇぇマイボ~」
《どうなっておるのだぁぁぁ》
 嘔吐を訴えるアキラと、司令室のゆかいな仲間達。

《こ、こらハゲども艦を安定させろ。縦回転しておるぞ。い、いやフリーフォールだ》

 クララとリリーがなんとも艶っぽい体勢で絡み合って天井に張り付いていた。
《お姉さまぁ~》
 そして最大級のショックが船を襲う。
《ぶつかりました! 格納庫に亀裂っ! 空気が漏れてます》
 忽然と船内の照明が赤く妖しい色で点滅を繰り返すと、けたたましい警報音と緊迫したアナウンスが流れる。

《緊急事態発生。第三格納庫に亀裂発生。侵入されています。保安部は直ちに急行せよ。これは演習ではない。保安部急行せよ!》

《これでは急行できませーん!》
 天井に張り付いたままのリリーが悲鳴を上げる。

 床に転がるアンドロイドが必死の形相で起き上がり、艦をコントロールしたのであろう。ようやく猛烈なGが緩んだ。
 天と地が元に戻り、天井から落下するリリーが猫のようにしなやかに体を捻ると両足から着地。続いて落ちてきたクララを両腕で受け止めた。

《よいしょっと》

 ふんわりと抱きとめたリリーがポツリ。
《お姉さま、少しお太りになりました?》

《へ、へんなことを申すな。早く下ろせバカ!》

 リリーは意味ありげに微笑むとクララを解放。そして通路へ叫びながら飛び出した。
《保安部は第三格納庫だ。急げ! 侵入者だぞ!!》

 二の腕をプヨプヨ摘まみ上げて首を捻る女王をにやけた視線で眺めたハゲ3人は、
《持ち場に着かぬかっ!》
 怒鳴られて自分の座席に飛びついた。



「さぁ。ここからが本番ですわ。NAOMIさんは外からの攻撃が続いているようにセンサーをかく乱させてください。アキラさんは投影エミッターの移動を頼みますわよ」

「ま、マイボ~。加減してよ。あんなに揺れたら動かせないからね」
「あははは。楽しかった。でもいざとなったらまた揺らすから言ってねキヨ子さん」
「わかりました」
 キヨ子どのは可愛らしい顎を前後に振って、毅然と前を向きアキラに命じる。
「私のスマホに移動方向と距離を知らせますので、アキラさんの携帯をこちらにください」

 そして声に凄味を込めて傲然と言う。
「居候とて休んでる暇はありませんわよ。わかりましたね!」
『わ、わかってまんがな。エラそーに』
「なんですかっ!」
『はいぃぃ! 了解でっせ』
 キヨ子は三輪車にくっ付けられたスマホを睨みながら、アキラから受け取ったガラケーを開くと電話を掛けた。

 地球の周回軌道に乗っていても電話は通じるのであろうか。だがちゃんと我々のスマホが電波をキャッチ。呼び出し音が鳴った。

《NAOMIさんがリピーター(中継器)になっていますから電話は途切れることはありません》
 向こうからの生声とスマホのオーディオ回路からのと重なり、キヨ子の声が立体的に聞こえた。

『感度良好でっせ、キヨ子はん』
 どうやら吹っ切れたのか、ギアも乗り気になっていた。
『こうなったら行くしかない。アキラ、準備はいいか?』
「ほ~い」
 渋々答えた。

《まずは格納庫から出なさい。出たら扉をロックしますから》
『アキラ、まずここを出ろと言ってるぞ』

「けっこう重いよこれ……うんしょ」

 ドシン。

「わおぅ。僕の移動に合わせてカメムシが歩くよ」

《当たり前です。そのようにプログラムしていますから》
『そうなるようにキヨ子どのがプログラムしているそうだ』
 スマホとアキラとの中継は我輩らがやるしかなかった。スマホから漏れるキヨ子の声は足音にかき消されて聞こえない。

「ふ~ん。なんかオモチャのロボットを引き連れるみたいで面白いね」
『ほんま能天気なヤツでんな。これからキャザーンの娘子軍に出会うとも知らずに』
「え~。じゃあさあの綺麗な女の子と会えるんだ。生で会えるの?」
『おいおい、その言い方おかしくないか?』
『ほんまやなー。映像とちゃうで、生やぁ~』
 今からアイドルの楽屋を訪ねるのではないぞ。相手はキャザーンの兵士だ。

『せやで。本物の美少女兵士や、アキラ』
「うほほーい」
 だめだこいつら――。


「うんしょ」
 ドシン。

「うんしょ」
 ドシン。

 アキラが三輪車を押すとそれに合わせて地響きを立てながら進む。という繰り返しでようやく格納庫の扉をくぐった。

「うんしょ」
 ドシン。

「あっ!」
 天井を見上げて固まるアキラ。

「どうするのこれ?」
 奇妙奇天烈な恐竜カメムシが格納庫の扉から外へ出ていきなり問題発生とは、それにしても意外とキヨ子の計算もいい加減なのである。
  
  
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