グランドダンジョンマスターは、ダンジョンを作らず、異世界をぶらり旅

小佐古明宏

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1章

8話 旅立ち

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 貰った装備一式は、全て黒で統一されていた。黒いシャツに、黒いズボン。黒い胸当てに、黒いブーツ。黒い手袋に、黒いコート。武器は黒い魔剣だった。装備が全てセットで、【漆黒の魔剣士セット】というらしい。

「DPガチャか?」

 何となくそんな気がした。

「ステータスも…装備のレベル補正で上がってるし、スキルも増えたな」

 レベル1の横に装備込みで831数字が書いている。つまり、俺のステータスは大きく上昇した。

【氏名】早乙女大和(さおとめ・やまと)

【種族】グランドダンジョンマスター 

 異世界に召喚され、前マスターの後を引き継いだことにより、グランドダンジョンマスターとなった存在。前マスターのユニークスキルを引き継ぎ、常識外の魔力を保有する事となる。異世界人として、イレギュラーの存在になり、この世界の理の枠を超えてしまった。

【レベル】1(831)

【ユニークスキル】
 ダンジョンクリエイト レベル1
 自分を起点とした半径10メートルの範囲内にダンジョンを設置できる。設置するダンジョンの数と規模はレベルに依存する。設置したダンジョン間での移動が自在にできる。ダンジョンの構造物を任意で作成が出来る。作成したダンジョンは、コアを持たないサブダンジョンとなる。作成時は魔力を消費する。

 ダンジョンメニュー レベル1 (無料回数1)
 メインダンジョンで行えるサービス。転移魔方陣、DPショップ、DPガチャ配下管理等、様々な事が行える。レベルが上がると、ショップの品が増え、ガチャもレアな景品が増える。レベルが上がると1回だけ無料でガチャが引ける。ダンジョンの収納庫が使用できる。念じれば出し入れが可能。無限に収納可能で、収納中は時間が停止する。生きた生物は入れられない。

 DP回収 レベル1
 倒した対象のレベルをDPに変換する。相手のレベル×10の割合で増える。レベルが上昇すると割合が増える。配下が倒した場合もDPを取得する。
 
 命名登録 レベル1
 グランドダンジョンマスターとして、新たに取得したユニークスキル。命名する事で、進化して配下に登録される。どんな存在でも、配下にする事が可能だが、相手に好意を抱かれないと不発になる。配下とは念話が可能。配下にもユニークスキルが付かされる。
 
【スキル】
 言語理解 体術 剣術 闇魔法 影魔法 状態異常無効 瞬動 魔力感知 気配感知 超再生 超魔力回復 装備自己修復 装備破壊 鑑定遮断

【称号】
 異世界人 イレギュラー グランドダンジョンマスター マリの主人 奈々の主人 リーシャの主人 ガチャ装備者 セット保有者 魔剣使い 

 スキルも充実し、レベルも補正で強くなった。装備も最高の物が貰え、この世界で生き延びる自信が付いた。俺は、配下リストを開くと、3人のステータスを確認する。予想通り、装備を身に着けて、更に規格外の強さになっていた。

【氏名】早乙女奈々(さおとめ・なな)

【種族】エンシェントスライムクィーン 

 元はスライムクィーンだったが、大和に名付けられたことで進化した。全てのスライムの頂点に立ち、眷属として従える事が出来る。名前を付けられたことで、ユニークスキルを取得した。イレギュラーから命名されたイレギュラーなモンスター。この世界の理を超えた存在になった。

【レベル】1000(2000)

【ユニークスキル】
 情報大収集 レベル1
 自分を起点に半径1キロメートル以内にいる眷属のスライムから、情報を集める。視覚、聴覚を共有出来で、情報を眷属のスライムに与える事も出来る。レベルが上昇すると収集範囲が広がる。

 眷属テレポート レベル1
 自分を起点に半径1キロメートル以内にいる眷属のスライムの元へ空間転移が出来る。自身が触れた対象も一緒に連れて行く事が出来る。レベルが上昇すると、空間転移の範囲が広がる。

 眷属強化 レベル1
 全てのスライムを強化する事が出来る。強化対象の能力を改造する事が出来る。レベルの上昇で、眷属のスライム自身のレベルを上げる事が出来る。

【スキル】
 言語理解 鑑定 溶解 吸収 擬態 格闘術 魔闘気 身体強化 瞬歩 飛行術 状態異常無効 物理攻撃無効 魔法攻撃無効 念話 眷属召喚 超魔力回復 超再生 魔力感知 気配感知 殺気感知 アイテムボックス 装備自己修復 装備破壊 鑑定遮断

【称号】
イレギュラークィーンスライム 大和の配下 マスターを愛する者 管理者代理 不老不死 ガチャ装備者 セット保有者 格闘王 

 奈々のステータスに格闘術が追加された。スキルの構成からすると、彼女の場合、接近して殴るタイプに思える。魔法が1つも無いので、そんな気がしていた。

 マリのステータスは、コスチュームを見た時点で、予想が出来た。くノ一、それに関するスキルが増えていた。

【氏名】マリ

【種族】エンシェントダンジョンコア(分体)
 
 元は名無しのダンジョンコアだったが、大和に名付けられたことで進化した。ダンジョンコアから離れた、分体であり、本体と同等の能力を持つ。分体の為、死ぬ事があっても、本体が無事なら直ぐに再生する。大和に名前を付けられたことで、ユニークスキルを取得した。イレギュラーから命名されたイレギュラーなダンジョンコア。この世界の理を超えた存在になった。 

【レベル】1(851)

【ユニークスキル】
 ダンジョン干渉 レベル1
 ダンジョン干渉 レベル1
 自分を起点とした半径1キロメートルの範囲内にメインダンジョン、サブダンジョンに干渉できる。相手のダンジョンコアを奪い配下にする事が可能。レベルが上昇すると、干渉範囲が増えて、強固なダンジョンも配下にする事が出来る。

 ダンジョンテレポート レベル1 (登録数1)
 大和が作成したダンジョン、又は配下にしたダンジョン間を空間転移で移動できる。自分を起点に10メートル以内の任意の対象も移動が可能。レベルの上昇で、運べる範囲が広がる。

 オブジェクト召喚 レベル1
 ダンジョン内に設置できる罠、オブジェクトを自在に作成できる。レベルが上昇すると、作成出来る物が増える。

【スキル】
 言語理解 鑑定 自己再生 身体強化 ダンジョン収納庫 忍術 分身 二刀流 隠密 投擲 影魔法 格闘術 魔力感知 気配感知 殺気感知 装備自己修復 装備破壊 鑑定遮断

【称号】
 イレギュラーダンジョンコア 大和の配下 マスターの所有物 ガチャ装備者 セット保有者 くノ一 影に生きるモノ

 異世界で忍者なんて、おかしく思うが、ジャパネル島がある。江戸時代の日本をイメージした国だと話すので、忍者やくノ一、侍がいても違和感はない。そう思いながら、俺は着替えを済ませて、寝室を出る。

「おそい!」

 リーシャに小言を言われる。

「わるい。皆のステータスを見ていた」

 俺の前に並ぶ3人は個性的なコスチュームに身を包んでいた。

 奈々は、格闘着? レオタードの様なモノに、タイツを身に着けて、上着として柔道着の様な衣装を着ている。額にはハチマキ、両手は手袋、ブーツも頑丈そうなものを履いていた。

 マリは、全身が黒で包まれた衣装だ。くノ一と言えば露出が目立つが、彼女の場合、黒装束に身を包み、白い肌が全く見えない。白い髪の毛も黒い頭巾で隠され、目立つ様子がない。腰に小刀を2本装備している。

「…で、リーシャのその衣装は?」

「ゴスロリで悪い? これが一番性能いいのよ。セット装備じゃないのが気に入らないけど」

 黒いゴスロリドレスに、マントを羽織り、手には杖を持つ。彼女曰、一番性能がいいというのは本当の様だ。

【氏名】リーシャ

【種族】魔神

 蘇生薬によみがえった魔王が、イレギュラーな存在に名付けられ、魔神へと進化した。ダンジョンマスターの能力は失ったが、当時のステータスは引き継いでいる。最強の存在となった。常識外の魔力を保有し、魔法を得意。イレギュラーと関り、この世界の理の枠を超えた存在となった。

【レベル】5300(7300)

【ユニークスキル】
 魔神化 レベル1
 普段は、少女の姿をしているが、魔神化をすると、大人の女性の姿になる。レベルが2倍になり、ステータスが上昇する。レベル×1時間の変身となる。

 魔力暴走 レベル1
 あらゆる魔法を暴走させて威力を上げる。暴走状態の魔法は、制御が利かず、凄く危険。レベル×1時間、魔法の効果が継続する。

【スキル】
 言語理解 アイテムボックス 鑑定 炎魔法 水魔法 雷魔法 風魔法 地魔法 光魔法 闇魔法 空間魔法 重力魔法 奴隷魔法 召喚魔法 強化魔法 弱体化魔法 多重発動 超魔力回復 超再生 無詠唱 魔眼 状態異常無効 料理 家事 魔力感知 気配感知 殺気感知 威圧 殺気 複合魔法  装備自己修復 装備破壊 鑑定遮断 


【称号】
 蘇生者 魔王少女 イレギュラー魔神 大和の配下 料理人 マジックマスター 大魔導士 魔法少女 魔導王

 魔法少女と言う称号にはあえて触れない事にした。何を言われるか分からない。装備補正で2000もレベルが上がり、益々、化け物時見たステータスになった。

「何? おかしな所でもある?」

「いや、頼りにしてるよ」

「ふ、ふん! 任せなさい!」

 照れているのが可愛く思う。

 全員の装備が整ったので、俺は奈々と話していた今後について語る。

「ラストリアが、エルジーナに侵攻して、エルフ、獣人を奴隷としてとらえる。そんな事は許されないので、俺は最初に、エルジーナに行こうと思う。皆の意見はどうだ?」

「マスターの仰せのままに」

「ん~私もいいよ。エルジーナの獣人の村と、交流があるから」

「私もラストリアに好き勝手させたくないわね。それでいいわよ」

 3人の意見を聞き、目的場所が決まる。交流があるといった、奈々の知る獣人の村へと行く事になる。

「相談だけど、リーシャ、運んでもらえるか?」

「もう…仕方がないわね。奈々、その村の場所、思い浮かべなさい。そこへ向かって飛ぶから」

 溜息を吐きながら、何処か頼られているのを嬉しそうにしながらリーシャが奈々に触れる。

「じゃ、皆、手を繋いで」

 リーシャが杖を上げる。俺は奈々とマリに挟まれるようにして、2人の手を繋いだ。

「飛ぶわ」

 リーシャの持つ杖が光ると、目の前の視界が歪む。軽く眩暈の様なモノを感じながら、俺たちは奈々の交流がある獣人の村へと飛んだ。


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