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1章
20話 半吸血鬼の少女
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面白い冒険者。それは半吸血鬼と呼ばれる少女だった。
「で、この少女は?」
「見ただけで、少女ってわかるんだ」
「いや…胸が膨らんでるだろ?」
胸で判断するのはどうかと思うが、目についたから仕方がない。
「そうだね、服が乱れてずれてるね」
金髪を後ろに束ねて眠る少女。服装も、身に着けている鎧もいい物だった。さぞ、ランクの高い冒険者だと思うと、実際そうだった。
「アイリ・エステートね~。凄いわね。A級だって」
人の持ち物を漁るのはどうかと思うが…。リーシャがギルドカードを見せてくれた。ギルドカードには、氏名、職業、ランクが記され、他の情報は伏せられている。
職業は、剣士らしい。
「ん? アイリだと?」
ガーラが眠る少女を見ながら首を傾げる。
「あっ…あの娘か?」
「知ってるのか?」
俺は首を傾げると、ガーラが頷く。
「カサンディアに住んで居た少女だ。元は、エステート王国のお姫様らしいが…」
「そういえば…見た事があるわね」
「リーシャもなのか?」
「私の作ったサブダンジョンをソロで攻略に挑んでいた少女よ」
懐かしいわと言いながら、俺は疑問を抱いた。
「見た目より、年齢が上なのか?」
「そうだな。エステート王国は100年前に滅ぼされた。その時から、彼女は生きているな」
「そうね。私が知る限り、80年前ぐらい? 私のサブダンジョンに何度も挑んでるわね」
100年前、80年前と聞き、ガーラとリーシャの年齢が俺より高い事に気づく。
「ギロッ…今、年上だと思ったでしょ」
「…長生きだな」
「まぁ、私はこう見えても220年生きてるからな」
見た目が20歳に見えるガーラは誇らしげに話す。リーシャはジト目で彼女を見ていた。因みにリーシャは、14歳の年齢だが、500年ぐらい生きているらしい。何故、500年と言う数字が出たか?
配下のリストで詳細に、年齢が分かるからな。
絶対に言えない事だ。
「それで、このアイリをどうする気なの?」
「命名登録でユニークスキルを与えて、ラストリアのサブダンジョンを攻略してもらう。どうだ?」
「良いわね」
リーシャが面白そうだと笑う。
アイリの実力は不明だが、A級と言う事は、レベルも高いと思う。
「マスター、彼女はレベル540です。装備を含めて、実力の方は申し分ないです」
マリの鑑定で見る事の出来る強さだが、レベル500以上になるには、相当な時間がいる。寿命の長い種族程、レベルは高い。勿論、難易度の高いダンジョンをクリアし、自分よりレベルの高い相手を倒せば、経験値を多く貰え、レベルは上がる。
「この世界のレベルって、平均いくつなんだ?」
何となく気になり、リーシャに聞く。
「人間の一般人はレベル5~20ぐらいね。冒険者はランクによって、異なるけど、大体、レベル50~300ぐらい? 高くてレベル600ぐらいかしら?」
「……なら、俺やマリのレベルは高い方だな?」
装備込みでレベル1000を超えている。
「最近は、装備もいいのが出回っているからな。特にダンジョンの宝箱で固めたレベル2000ぐらいまである冒険者がいるな」
ガーラ自身もレベル補正の装備を持っていると話す。カサンディアのメインダンジョンに挑んでいる時に手に入れたと話す。
『宝から出したのか?』
『ガチャのダブりを入れてたわ』
DPガチャで同じ装備が何度も出た場合、処分するのに、宝箱を設置して入れていた。売って処分する事が不可能の装備らしく、冒険者に使ってもらう為に、宝箱を仕込んだ。
『ラストリアのサブダンジョンを攻略してもらう為よ』
メインのダンジョンは、カサンディアの王都にあり、ラストリアの冒険者がやって来ることは無い。そもそも、王都には、信用できる冒険者以外の出入りを厳しくしていた。
過去に、王都でラストリアの冒険者がテロを起こす騒ぎがあった。未然に防いだリーシャと奈々だと話す。
「それで、このアイリを蘇生するけど、異存はないか?」
「私はいいよ」
「異議なしです」
「私もいいわよ」
「蘇生…出来るのか?」
ガーラが驚いた顔で尋ねる。
「蘇生薬を持っている」
「そうか…なら、是非、生き返らせてほしい。謝罪をしたいからな」
俺は申し訳なく顔を顰めるガーラを見ながら、蘇生薬の瓶を取り出す。蓋を開けると、一滴たらす。この蘇生薬は、一滴で生き返らす事が出来る。しかも、減らない。
瓶を割れば終わりだけど。
瓶を割ってしまうと、二度と使えない。同じ物が出るとは限らないので、仕様の時は周りを気にする必要がある。絶対に敵対する相手には見せない。妨害され割られる可能性があるからだ。
「お? 起きたな」
「あれ?」
目を覚ましたアイリは、上半身を起こす。周りを見渡し、不思議そうにしている。俺は彼女に声をかける。
「おはようでいいか?」
「はい?」
戸惑いながら、見つめる。困惑している彼女へ、ガーラが申し訳なく声を掛けた。
「悪い事をした。すまない」
ガーラの謝罪に振り返ったアイリを見ながら俺はマリに念話で話す。
『マリ、彼女の着替えを用意』
『畏まりました』
困惑しているアイリに、マリが声をかける。
「まずは着替えをした方がよろしいですよ」
「そうだな。血で汚れているからな」
何かを思い出す様に、アイリは首を押さえる。自分が切られた事を思い出したのか、蒼褪めた顔をしていた。その彼女を支えるようにして、マリが連れていく。
暫くすると、着替えを済ませたアイリをマリが応接室へ連れてきた。DPショップで購入した着替えを渡していたが、
意外とあるな。
何がと言えば、胸である。男装の時は、膨らみを隠す為に、サイズの小さいインナーで無理やり抑えていたらしい。マリが彼女の服を回収して見せてくれた。鎧、武器も念のために回収している。
俺はソファーに座り、向かい側にアイリが座った。女の子という事で、ブラウスとスカートを用意したが良く似合っている。若干恥ずかしそうにしているが、指摘はしない。
俺の隣にはリーシャが座っている。彼女は、じーとアイリを見つめている。俺は笑顔を作り、話しかけた。
「初めまして、エステート王国のお姫様」
「!?」
行き成り、正体が知られていた事に危機感を感じたのか、アイリから睨まれる。すると、リーシャがギロッと睨み返し、威圧を発していた。アイリが体をすくめる。
「リーシャ、怯えさせるなよ」
「なによ。大和が行き成り、秘密を暴露するからでしょ」
「いや…そうだけど」
ジト目で睨まれ、俺は苦笑いを浮かべていた。
「あ、自己紹介をすると、俺が大和、で、こっちが奈々、このちびっ子がリーシャで、後ろに立つのがマリだな」
「私の事は…別にいいか? アイリ姫」
「……ガーラ姫ですね」
アイリはヒスイ色の瞳で見つめる。シャワーを浴びた時に、束ねていた髪をほどき、胸のインナーは、ブラジャーへと変えている。どこから見ても、女の子である。
ガーラの姫と言う言葉に違和感はない。しかし、アイリは悲しそうな顔をすると、ぽつりと話す。
「ボクは…もう、お姫様じゃないよ」
そういえば、国が滅んだとガーラが言っていたな。
「「「「「「…………」」」」」」
沈黙が流れる。誰も話さなくなり、重たい空気が漂う。その空気の中、俺は口を開き、アイリに話し掛けた。
「アイリと言ったな。どうだ? 俺の配下にならないか?」
驚いた顔をするアイリに、俺は説明をする。グランドダンジョンマスターだという事は伏せて、俺たちの目的が何なのかを話す。
「ラストリアのダンジョンマスター、龍王にお灸を添える」
「倒さないの?」
リーシャが意外そうな顔で尋ねる。
「別に倒すつもりはないぞ? 倒すと、ダンジョンが消えるだろ? ダンジョンが消えて困るのは、リーシャも経験があるだろ?」
「そうね。面倒だったわ」
俺はダンジョンの有効性を理解している。ダンジョンが消えた時の経済的ダメージの大きさも、ラノベを読んでいたので何となく分かる。冒険者全てが悪いとは思っていない。
ダンジョンに挑戦して生計を立てている冒険者もいる。彼らが悪人なら俺もダンジョンを壊してもいいと思っている。ラストリアの国自体が腐っているのなら、国を亡ぼす事も視野に入れるが…。
情報もないし、戦力もない。
アイリには、俺の配下になってもらい、ラストリアで情報を集めてもらおうと考えていた。その為に、命名登録をするのだが…。
「俺の配下になれば、力が付く。その代わり、今の名前を捨てる事になる」
「……今の名前は…両親が付けたものです。でも、ボクは…名前を変えてもいいと思ってます」
ボクっ娘だったのか…。
内心、ドキドキしながら、平然を装い、聞く。
「その理由を理由は?」
「もう、ボクの住んで居た国はありません。国民も…全員、亡くなったのを確認しています。国を再建する気はありません。なので、今の名前に未練はありません。寧ろ、一度死んでいるので、新たな人生をと考えています」
100年前に滅ぼされて当時の国民は生きていないと話す。アイリの様に長生きはしない、普通の人間だから仕方がない。未練がないと話すので、俺は彼女に新たな名前を付ける。
「そうか、なら、アイリを改名し、今日から君の名前は…」
いざ、名前を付けるとして、俺は考える。
「アリアでどうだ?」
「アリア?」
「そう、只のアリアだ」
「わかりました。今日から私はアリアと名乗ります」
こうして、アイリ・エステートはこの世からいなくなった。アリア。それが彼女の新しい名前だ。俺は配下のリストを見ると、彼女の名前が追加された事を確認する。
「で、この少女は?」
「見ただけで、少女ってわかるんだ」
「いや…胸が膨らんでるだろ?」
胸で判断するのはどうかと思うが、目についたから仕方がない。
「そうだね、服が乱れてずれてるね」
金髪を後ろに束ねて眠る少女。服装も、身に着けている鎧もいい物だった。さぞ、ランクの高い冒険者だと思うと、実際そうだった。
「アイリ・エステートね~。凄いわね。A級だって」
人の持ち物を漁るのはどうかと思うが…。リーシャがギルドカードを見せてくれた。ギルドカードには、氏名、職業、ランクが記され、他の情報は伏せられている。
職業は、剣士らしい。
「ん? アイリだと?」
ガーラが眠る少女を見ながら首を傾げる。
「あっ…あの娘か?」
「知ってるのか?」
俺は首を傾げると、ガーラが頷く。
「カサンディアに住んで居た少女だ。元は、エステート王国のお姫様らしいが…」
「そういえば…見た事があるわね」
「リーシャもなのか?」
「私の作ったサブダンジョンをソロで攻略に挑んでいた少女よ」
懐かしいわと言いながら、俺は疑問を抱いた。
「見た目より、年齢が上なのか?」
「そうだな。エステート王国は100年前に滅ぼされた。その時から、彼女は生きているな」
「そうね。私が知る限り、80年前ぐらい? 私のサブダンジョンに何度も挑んでるわね」
100年前、80年前と聞き、ガーラとリーシャの年齢が俺より高い事に気づく。
「ギロッ…今、年上だと思ったでしょ」
「…長生きだな」
「まぁ、私はこう見えても220年生きてるからな」
見た目が20歳に見えるガーラは誇らしげに話す。リーシャはジト目で彼女を見ていた。因みにリーシャは、14歳の年齢だが、500年ぐらい生きているらしい。何故、500年と言う数字が出たか?
配下のリストで詳細に、年齢が分かるからな。
絶対に言えない事だ。
「それで、このアイリをどうする気なの?」
「命名登録でユニークスキルを与えて、ラストリアのサブダンジョンを攻略してもらう。どうだ?」
「良いわね」
リーシャが面白そうだと笑う。
アイリの実力は不明だが、A級と言う事は、レベルも高いと思う。
「マスター、彼女はレベル540です。装備を含めて、実力の方は申し分ないです」
マリの鑑定で見る事の出来る強さだが、レベル500以上になるには、相当な時間がいる。寿命の長い種族程、レベルは高い。勿論、難易度の高いダンジョンをクリアし、自分よりレベルの高い相手を倒せば、経験値を多く貰え、レベルは上がる。
「この世界のレベルって、平均いくつなんだ?」
何となく気になり、リーシャに聞く。
「人間の一般人はレベル5~20ぐらいね。冒険者はランクによって、異なるけど、大体、レベル50~300ぐらい? 高くてレベル600ぐらいかしら?」
「……なら、俺やマリのレベルは高い方だな?」
装備込みでレベル1000を超えている。
「最近は、装備もいいのが出回っているからな。特にダンジョンの宝箱で固めたレベル2000ぐらいまである冒険者がいるな」
ガーラ自身もレベル補正の装備を持っていると話す。カサンディアのメインダンジョンに挑んでいる時に手に入れたと話す。
『宝から出したのか?』
『ガチャのダブりを入れてたわ』
DPガチャで同じ装備が何度も出た場合、処分するのに、宝箱を設置して入れていた。売って処分する事が不可能の装備らしく、冒険者に使ってもらう為に、宝箱を仕込んだ。
『ラストリアのサブダンジョンを攻略してもらう為よ』
メインのダンジョンは、カサンディアの王都にあり、ラストリアの冒険者がやって来ることは無い。そもそも、王都には、信用できる冒険者以外の出入りを厳しくしていた。
過去に、王都でラストリアの冒険者がテロを起こす騒ぎがあった。未然に防いだリーシャと奈々だと話す。
「それで、このアイリを蘇生するけど、異存はないか?」
「私はいいよ」
「異議なしです」
「私もいいわよ」
「蘇生…出来るのか?」
ガーラが驚いた顔で尋ねる。
「蘇生薬を持っている」
「そうか…なら、是非、生き返らせてほしい。謝罪をしたいからな」
俺は申し訳なく顔を顰めるガーラを見ながら、蘇生薬の瓶を取り出す。蓋を開けると、一滴たらす。この蘇生薬は、一滴で生き返らす事が出来る。しかも、減らない。
瓶を割れば終わりだけど。
瓶を割ってしまうと、二度と使えない。同じ物が出るとは限らないので、仕様の時は周りを気にする必要がある。絶対に敵対する相手には見せない。妨害され割られる可能性があるからだ。
「お? 起きたな」
「あれ?」
目を覚ましたアイリは、上半身を起こす。周りを見渡し、不思議そうにしている。俺は彼女に声をかける。
「おはようでいいか?」
「はい?」
戸惑いながら、見つめる。困惑している彼女へ、ガーラが申し訳なく声を掛けた。
「悪い事をした。すまない」
ガーラの謝罪に振り返ったアイリを見ながら俺はマリに念話で話す。
『マリ、彼女の着替えを用意』
『畏まりました』
困惑しているアイリに、マリが声をかける。
「まずは着替えをした方がよろしいですよ」
「そうだな。血で汚れているからな」
何かを思い出す様に、アイリは首を押さえる。自分が切られた事を思い出したのか、蒼褪めた顔をしていた。その彼女を支えるようにして、マリが連れていく。
暫くすると、着替えを済ませたアイリをマリが応接室へ連れてきた。DPショップで購入した着替えを渡していたが、
意外とあるな。
何がと言えば、胸である。男装の時は、膨らみを隠す為に、サイズの小さいインナーで無理やり抑えていたらしい。マリが彼女の服を回収して見せてくれた。鎧、武器も念のために回収している。
俺はソファーに座り、向かい側にアイリが座った。女の子という事で、ブラウスとスカートを用意したが良く似合っている。若干恥ずかしそうにしているが、指摘はしない。
俺の隣にはリーシャが座っている。彼女は、じーとアイリを見つめている。俺は笑顔を作り、話しかけた。
「初めまして、エステート王国のお姫様」
「!?」
行き成り、正体が知られていた事に危機感を感じたのか、アイリから睨まれる。すると、リーシャがギロッと睨み返し、威圧を発していた。アイリが体をすくめる。
「リーシャ、怯えさせるなよ」
「なによ。大和が行き成り、秘密を暴露するからでしょ」
「いや…そうだけど」
ジト目で睨まれ、俺は苦笑いを浮かべていた。
「あ、自己紹介をすると、俺が大和、で、こっちが奈々、このちびっ子がリーシャで、後ろに立つのがマリだな」
「私の事は…別にいいか? アイリ姫」
「……ガーラ姫ですね」
アイリはヒスイ色の瞳で見つめる。シャワーを浴びた時に、束ねていた髪をほどき、胸のインナーは、ブラジャーへと変えている。どこから見ても、女の子である。
ガーラの姫と言う言葉に違和感はない。しかし、アイリは悲しそうな顔をすると、ぽつりと話す。
「ボクは…もう、お姫様じゃないよ」
そういえば、国が滅んだとガーラが言っていたな。
「「「「「「…………」」」」」」
沈黙が流れる。誰も話さなくなり、重たい空気が漂う。その空気の中、俺は口を開き、アイリに話し掛けた。
「アイリと言ったな。どうだ? 俺の配下にならないか?」
驚いた顔をするアイリに、俺は説明をする。グランドダンジョンマスターだという事は伏せて、俺たちの目的が何なのかを話す。
「ラストリアのダンジョンマスター、龍王にお灸を添える」
「倒さないの?」
リーシャが意外そうな顔で尋ねる。
「別に倒すつもりはないぞ? 倒すと、ダンジョンが消えるだろ? ダンジョンが消えて困るのは、リーシャも経験があるだろ?」
「そうね。面倒だったわ」
俺はダンジョンの有効性を理解している。ダンジョンが消えた時の経済的ダメージの大きさも、ラノベを読んでいたので何となく分かる。冒険者全てが悪いとは思っていない。
ダンジョンに挑戦して生計を立てている冒険者もいる。彼らが悪人なら俺もダンジョンを壊してもいいと思っている。ラストリアの国自体が腐っているのなら、国を亡ぼす事も視野に入れるが…。
情報もないし、戦力もない。
アイリには、俺の配下になってもらい、ラストリアで情報を集めてもらおうと考えていた。その為に、命名登録をするのだが…。
「俺の配下になれば、力が付く。その代わり、今の名前を捨てる事になる」
「……今の名前は…両親が付けたものです。でも、ボクは…名前を変えてもいいと思ってます」
ボクっ娘だったのか…。
内心、ドキドキしながら、平然を装い、聞く。
「その理由を理由は?」
「もう、ボクの住んで居た国はありません。国民も…全員、亡くなったのを確認しています。国を再建する気はありません。なので、今の名前に未練はありません。寧ろ、一度死んでいるので、新たな人生をと考えています」
100年前に滅ぼされて当時の国民は生きていないと話す。アイリの様に長生きはしない、普通の人間だから仕方がない。未練がないと話すので、俺は彼女に新たな名前を付ける。
「そうか、なら、アイリを改名し、今日から君の名前は…」
いざ、名前を付けるとして、俺は考える。
「アリアでどうだ?」
「アリア?」
「そう、只のアリアだ」
「わかりました。今日から私はアリアと名乗ります」
こうして、アイリ・エステートはこの世からいなくなった。アリア。それが彼女の新しい名前だ。俺は配下のリストを見ると、彼女の名前が追加された事を確認する。
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