上 下
1 / 1

本文

しおりを挟む
高校2年生の桜人は、同級生の美咲に片思いをしていた。でも、なかなかその想いを伝えられずにいた。ところが、ある日のエイプリルフールの朝、美咲から告白されてしまった。

「好きです。付き合って下さい」

桜人は、当然疑いながらもそれでも元々、片思いしていた相手であった事から付き合う事にした。

それから桜人と美咲は彼氏と彼女として一緒に下校したりデートに行ったり普通のカップルのように周りからは見えていたが、少しお互いの距離感があるようにも感じられていた。

それもそのはず。
日に日に美咲の気持ちが本物なのかどうか気になってしまい、不安が募ってしまう桜人。

その不安がどうしても態度に出てしまうため、美咲も桜人が言わないので理由がわからないけれど、少し固さが出てしまう。

そんな中、ちょっとした事から美咲と一時的に喧嘩になってしまった。

しかし、喧嘩になって話さない時間が出来てしまうとそれはそれで美咲の事が気になってしまい、数日後に桜は再び美咲に会いにいく。

そして、初めて美咲に自分の気持ちを正直に伝えた。

エイプリルフール…4月1日に告白されたのがもしかしたら嘘なのかと思ってしまったと。
美咲の事が好きだから、これからも仲良くして、付き合っていきたいと。
 

美咲も元々フラレたら嘘でしたと言う保険のためにエイプリルフールにわざわざ告白したようだった。

オタクのわだかまりは溶けてなくなり、それはお互いの唇の距離も無くしてしまった。

桜人はこの時の感触を一生忘れないようしよう!と内心決意する。


それから、桜人と美咲は本格的に今までの少しぎこちなかった雰囲気から一転してイチャつくようになり、高校ライフを楽しむようになった。

あのエイプリルフールの出来事がきっかけで、彼女と結ばれた桜人は、毎日楽しく幸せを感じていた。

そんな彼女との日々を、桜人は大切に思っている。

勿論これからも。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...