婚約破棄もしくは解消、そして咲く華は百合

巫羅

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私は、貴族の家の令嬢として生まれた。
貴族令嬢の役目は婚姻する事で繋がりを作ること。

幼少の頃に一目惚れした相手がちょうど家同士の繋がりとしても良い相手だったので、婚約することになったとき、自分の人生は順風満帆であると信じていました。

しかし、その幸せな時間は短かったのです。
しっかりと付き合ってきたはずの婚約者である彼は、私を裏切って他の女性と会瀬を交わしており私との婚約を破棄してその女性との婚姻を望んだのです。

私との婚約を白紙にしたいという彼の言葉を受け止める事は出来ず、深く傷ついた私は屋敷に引きこもるようになってしまいました。

当事者では無い周りの人々は少しずつ忘れていくようでしたが、私は一切わすれる事が出来ず毎晩のように泣いていた。

どうしたらよいのか分からず、私は穏やかな時を取り戻すことができなかったのです。


ある日、私は原因不明の高熱を出した。
病床にある私のため、母親が幼なじみの友人ナミを連れてきた。
彼女は私がいち早く元気になれるよう、私を癒しに来たのだ。
気が沈み込み、更には病で苦しむ私にナミは包み込むような優しさで私の心を癒してくれた。

その後、私たちは更に仲良くなった。

私がふとした拍子に婚約解消の事を思い出して落ち込む時、彼女は私を慰め、私を笑顔にしてくれた。
私は彼女の優しさに惹かれ、少しずつ自分を取り戻していった。


ある日、私はナミから告白された。
私は最初性別や家の事、跡継ぎの事から断ろうと思った。
けれど、彼女は辛い時期の私を支えてくれた本当の友人であり、彼女が一緒にいる時だけは何があっても安心できていた事は変わらない。



私たちは手を取り合い、互いに愛を誓いあった。

しかしこれは

令嬢としては間違っている事は明白だった。


結果として私とナミの関係は認められる事は無かった。

しかし平民と比べて教育されているとはいえ年頃の娘達は止まる事が無かった。

私たちは結婚に向けた新しい人生を歩み始めた。

二人で家を飛び出し、隣国へと渡ったのである。

結果、二人は貴族籍から抜かれることになったし家からは絶縁された。

後悔するかどうかはまだわからない。

少なくとも今のところは無い。










私にとって彼女は、かけがえのない存在であり、私が信じることができる唯一の人物である。

私の人生の中で、彼女が変わらずに支えてくれたおかげで、婚約が破棄された過去を忘れることができた。

婚約者に裏切られたという痛みにより、私は心の中に深い傷を負った。

それでも、優しさに出会い私は徐々に自分を取り戻し、幸せな新しい人生を歩み始めたのである。
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