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会議
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※「王太子」の話を1部訂正しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「シュカ、迎えに来たぞ」
会議に行くのにどんな格好をすべきか、何を持っていくべきか悩んでいたら部屋のノックが3度なったあとアレクの声が聞こえた。いつの間にか時間になっていたらしい。
「ごめんアレク、服決まんなくて...」
「大丈夫だ。俺が用意している」
「他の平民の客にも予めエリス殿下が送っていらっしゃる」
「ほんと!?」
「あぁ。会議と言っても、食事会のようなものだ」
「へぇ」
「じゃあ行こうか」
「王宮へ」
そう言われ伸ばされた手を掴むと、アレクが指輪にキスをした。途端に目の前の景色が変わった。
先程までの木造の小さな古びた部屋ではなく、白く輝く門に、その先にある金色と黒色で作られた城。庭にも色とりどりの花がさいている。
「…綺麗」
「惚けてる暇はないぞ」
「ほかの客と同様に貴族の前に出ても問題ないように綺麗にしてもらうのだから」
それを聞いた直後、数人の侍女さん達が俺たちの前にくらっと並んだ。
「いらっしゃいませリシュカル様、アレクセイ公爵閣下」
「エリス殿下よりお役目仰せつかっております」
「さあ、こちらへ」
そう言う彼女達の目が肉食獣のように爛々としているように見えたのはきっと気の所為だ。
ー
ーー
されるがままに身を任せて1時間がたっただろうか、自分は白い短いズボンに黒色のシャツ、白色のジャケットに白が基調のベールのようなものをかぶせられた。
「さあ、終わりましたわ」
「殿下よりベールは外さぬよう伝言を預かっています」
「わかりました」
「では、行ってらっしゃいませ」
促されるがまま部屋を出ると執事のような身なりをした人がいた。
「初めましてリシュカル様。私、エリス殿下に仕えておりますセバスと申します」
「会場までご案内するよう仰せつかっております」
「よろしくお願いします」
挨拶がすむとセバスさんはすぐに歩き出した。
長身で足が長いのか歩くスピードが合わず少し駆け足で追いかける。
ひとつの部屋の前に立つと、セバスさんから一言アドバイスをもらった。
「緊張されているようですね、大丈夫です」
「今のあなたは誰よりもお美しいですので」
「きっと誰もがあなたを女神様だと見間違えますよ」
「部屋に入ったら挨拶をお忘れなきように」
「では」
そう言ってセバスさんが扉をノックすると扉がゆっくりと開いた。
緊張して動きそうになかった足をがんばって動かす。
中に入り、習った挨拶をする。
「遅くなり申し訳ございません、リシュカルと申します」
「おもてをあげよ」
そう指示があったため下げていた姿勢と頭を戻す。
すでにアレクや他の人はみな来ていた。
「リシュカル、ここへ」
そう言い殿下が指したのはアレクの目の前の席だった。
窓側にアルファ、扉側にオメガ、そしてそれぞれの後ろにベータの人々がいるようだった。
さされた席に座ると、すごく視線を感じた。
「...今日は皆集ってくれてありがとう」
「今日は自分が思うことをなんでも言ってくれて構わない。この場では何を言っても罪には問わない」
そう言われてなんでも言える人なんてこの世にはいないだろう。
「...それにしてもリシュカル、今日はいつにも増して綺麗だな!」
「エ?」
急に名前が呼ばれ声が裏返ってしまった。
「あ、俺にはもったいないくらいで…」
「衣装に着られてる感がものすごくしてます」
「冗談はよせリシュカル」
「殿下たちは以前からお知り合いで?」
俺の隣に座っていた30代くらいの男性がそういった。
「あぁ。アレクセイのお気に入りでな!」
「っげほ」
「...殿下!」
目の前でお茶を飲んでいたアレクがむせて必死に否定していた。
「あぁもう…俺の話はいいですから、とりあえず皆さん自己紹介しましょう」
「では俺から」
「エリス・ディア・リリレアだ」
「貴族α男性のアレクセイ・ライリーだ」
「えと、平民のα男性のキールです」
「貴族のα女性のリアーナ・ロイルです」
「へ、平民のα女性のアナベルです」
と同じようにみな性別と名前を言って行った。
そして割と和やかな雰囲気で会議は始まった。
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「シュカ、迎えに来たぞ」
会議に行くのにどんな格好をすべきか、何を持っていくべきか悩んでいたら部屋のノックが3度なったあとアレクの声が聞こえた。いつの間にか時間になっていたらしい。
「ごめんアレク、服決まんなくて...」
「大丈夫だ。俺が用意している」
「他の平民の客にも予めエリス殿下が送っていらっしゃる」
「ほんと!?」
「あぁ。会議と言っても、食事会のようなものだ」
「へぇ」
「じゃあ行こうか」
「王宮へ」
そう言われ伸ばされた手を掴むと、アレクが指輪にキスをした。途端に目の前の景色が変わった。
先程までの木造の小さな古びた部屋ではなく、白く輝く門に、その先にある金色と黒色で作られた城。庭にも色とりどりの花がさいている。
「…綺麗」
「惚けてる暇はないぞ」
「ほかの客と同様に貴族の前に出ても問題ないように綺麗にしてもらうのだから」
それを聞いた直後、数人の侍女さん達が俺たちの前にくらっと並んだ。
「いらっしゃいませリシュカル様、アレクセイ公爵閣下」
「エリス殿下よりお役目仰せつかっております」
「さあ、こちらへ」
そう言う彼女達の目が肉食獣のように爛々としているように見えたのはきっと気の所為だ。
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されるがままに身を任せて1時間がたっただろうか、自分は白い短いズボンに黒色のシャツ、白色のジャケットに白が基調のベールのようなものをかぶせられた。
「さあ、終わりましたわ」
「殿下よりベールは外さぬよう伝言を預かっています」
「わかりました」
「では、行ってらっしゃいませ」
促されるがまま部屋を出ると執事のような身なりをした人がいた。
「初めましてリシュカル様。私、エリス殿下に仕えておりますセバスと申します」
「会場までご案内するよう仰せつかっております」
「よろしくお願いします」
挨拶がすむとセバスさんはすぐに歩き出した。
長身で足が長いのか歩くスピードが合わず少し駆け足で追いかける。
ひとつの部屋の前に立つと、セバスさんから一言アドバイスをもらった。
「緊張されているようですね、大丈夫です」
「今のあなたは誰よりもお美しいですので」
「きっと誰もがあなたを女神様だと見間違えますよ」
「部屋に入ったら挨拶をお忘れなきように」
「では」
そう言ってセバスさんが扉をノックすると扉がゆっくりと開いた。
緊張して動きそうになかった足をがんばって動かす。
中に入り、習った挨拶をする。
「遅くなり申し訳ございません、リシュカルと申します」
「おもてをあげよ」
そう指示があったため下げていた姿勢と頭を戻す。
すでにアレクや他の人はみな来ていた。
「リシュカル、ここへ」
そう言い殿下が指したのはアレクの目の前の席だった。
窓側にアルファ、扉側にオメガ、そしてそれぞれの後ろにベータの人々がいるようだった。
さされた席に座ると、すごく視線を感じた。
「...今日は皆集ってくれてありがとう」
「今日は自分が思うことをなんでも言ってくれて構わない。この場では何を言っても罪には問わない」
そう言われてなんでも言える人なんてこの世にはいないだろう。
「...それにしてもリシュカル、今日はいつにも増して綺麗だな!」
「エ?」
急に名前が呼ばれ声が裏返ってしまった。
「あ、俺にはもったいないくらいで…」
「衣装に着られてる感がものすごくしてます」
「冗談はよせリシュカル」
「殿下たちは以前からお知り合いで?」
俺の隣に座っていた30代くらいの男性がそういった。
「あぁ。アレクセイのお気に入りでな!」
「っげほ」
「...殿下!」
目の前でお茶を飲んでいたアレクがむせて必死に否定していた。
「あぁもう…俺の話はいいですから、とりあえず皆さん自己紹介しましょう」
「では俺から」
「エリス・ディア・リリレアだ」
「貴族α男性のアレクセイ・ライリーだ」
「えと、平民のα男性のキールです」
「貴族のα女性のリアーナ・ロイルです」
「へ、平民のα女性のアナベルです」
と同じようにみな性別と名前を言って行った。
そして割と和やかな雰囲気で会議は始まった。
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