弱小領主のコレクター生活~アイテムチートで冒険、領地運営をしながら最強領主に成り上がります~

瀬口恭介

文字の大きさ
119 / 160
第2.5章『魔王懐柔編』

119 コレクター、世界会議をする

しおりを挟む

 世界会議で行われる話し合いは大きく三つだ。
 一つ、現状の状況確認。
 二つ、今後の対策。
 そして三つ、オルタガの国宝について。

 最初の状況確認についてはただ説明し、質問をされたら答えるだけの簡単な内容だ。
 しかし事実確認とはとても大切なことであり、これがあるかないかで重大なミスが大幅に減るのだ。
 ギルメンと話し合いをせずにボス討伐に向かった結果、剣士しかいなくて困惑したことがあるので身に染みて分かっている。

「――――このように、現状分かっている敵はミカゲ、ジャスター、リスティナの三名となります。それ以外にも天界には多くの魔術師たちが蔓延っているため、いつ彼らがこちらの世界に来るかは分かりません」

 俺はシウニンさんが作った資料を使い、各国の王にこちらの目的や相手の目的などについての解説をした。
 プレゼンっぽいので敬語を使っている。そのほうがすっと頭に入ると考えたのだ。
 まあ普段通り喋ってもよかったんだけどね。プレゼンって真面目なイメージあるからこうしただけで。

「前半に話していた内容が気になるのですが、レクト様はその……外の世界? から来られたのですか」
「はい。ミカゲと俺は同郷で、この世界とは別の世界、天界と繋がった世界出身です」

 状況確認のついでに、俺の正体について軽く触れたところそちらのほうが興味を持たれてしまった。
 仕方ないのでもう少し詳しく説明し、何とか元の話し合いに戻ることができた。

「現在俺が手に入れている国宝は二つ。ロンテギアの国宝はミカゲが、オルタガの国宝は魔王が持っていることになります。えーっと、ルイン? 国宝ってどうしてる?」
「持ってるよ? ほら」

 ルインは俺にそう言われると、躊躇うことなく半透明のカギを取り出し見せてきた。
 半透明の紫色、禍々しいオーラが出ている国宝だ。今日のために持ってきてくれたのか。

「それ、くれると助かるなーって」
「うん、いいよ」

 まさかの即答。
 むしろ少し出し渋ってくれたほうがよかったまであるが、それでも国宝が手に入るのなら話が早い。

「いいの……?」
「レクトくんが欲しいんでしょ? ならあげるよ」

 そうだった、ルインは俺の言うことを何でも聞くんだった。
 ということは、俺がルインに戦闘で勝ったあの時点で国宝は手に入っていたということ。
 苦労せずに国宝が手に入ってよかったーと思っていたが、普通に苦労はしていたのかもしれない。

「で、ではこれで国宝が三つ手に入ったことになります。あと一つはミカゲが持っているため、こちらができることはミカゲの捜索と、対策になります」
「捜索は分かるが対策? 国宝を持っているのがレクトならばお前さんがミカゲ相手にどうするかを考えるということであるな?」

 次の話し合いであるミカゲの捜索と対策についての議題に移ると、大王がそんなことを言い出した。
 確かにミカゲに対抗することのできる戦力は俺やその周りだけだ。
 しかしそれに頼ってばかりで他の国が弱いままでは意味がない。

「それもあるけど、厳密には違うよ。さっきも言ったけど、ミカゲの目的はこの世界を破壊すること。それなら、直接国を壊しに来てもおかしくない。国を人質に国宝を寄越せと言われたら大変なことになってしまう」
「ふぅむ、なるほど。では我々アルゲンダスクやシャムロット、ロンテギア、オルタガの戦力の底上げをするということか」

 あいつらが別々に国に攻めてきたら、俺たち以外が対応できない。
 いや、大王ならばジャスターくらい平気かもしれないが、他の人が戦えない。
 そういうわけで、今後は俺たちの修行をそこそこに、他の国の兵士や騎士などと修行をしていこうと思っている。

「うん。それと同時にエリィの錬金技術などでポーションの開発を広げていきたい。そしてその材料である植物も、シャムロットと協力して開発を進められたらなと思ってる」
「錬金術、ですか」

 タランテさんがそう零した。

「確かにシャムロットの魔法技術はすごいです、でも魔法技術の底上げは本当に長期的なものでしょう? なので、ポーションという誰でも回復できる手段を底上げしていきます」

 戦力強化が一つ目の計画。
 そして二つ目の計画は、ポーションを世界中に広めること。
 魔法で回復するのもいいが、ポーションならば無駄に魔力を消費しなくて済むし、何より人が前線に出なくてよくなる。
 エリィが特殊なだけで、錬金術師は基本前に出ない。そして回復魔法を使う魔法使いも数が少ないため前線には出したくない。

「全世界でミカゲたちと戦えるように準備をするんです。国の戦力が上がれば出来ることも増えますし、いいことだらけでしょう」

 それはミカゲたちとの戦闘だけではない。
 世界の破壊を防ぐことができても、戦闘技術や錬金技術は残る。そしてそれはこの世界の発展に繋がる。
 国としても発展することができるのだから願ってもないことだろう。

「まあすぐに実行できることではないですし、それぞれと細かい話し合いも必要です。と、いうことで……」

 俺はストレージから『ゲートストーン』を取り出し、各国の王に配っていく。
 正式名称は『ブルーゲートストーン』だが、まあ他の『ゲートストーン』は使う予定がないので大丈夫だろう。

「これはなんでしょうか?」
「『ゲートストーン』です。少し見ていてください」

 そして二つ目、『ブルーゲートコア』を取り出し、大会議室の壁に向かって放る。
 『ブルーゲートコア』は壁にぶつかるとその壁に半分めり込むような形になった。
 続けて、反対側の壁まで歩いた俺は、一つ手元に残しておいた『ゲートストーン』を手に持ち一言。

「ゲートオープン」

 その一言で、手元にあった青い石が光る。
 すると、目の前に青い光を放つゲートが現れる。世界樹にあるゲートと同じ系統の空間の歪みだ。
 後ろにある『ブルーゲートコア』の前にもゲートが現れる。展開されたな。
 俺がその空間の歪みに向かって歩くと反対側の壁から出てくる。これがゲートだ。
 それを見ていた王たちがざわめく。魔法を使わずに空間を移動したのだ。当然驚く。

「これでいつでもロンテギアに来ることができます。もちろんその石を持っていない人でもゲートを通ればこちらに来ることができます」
「ふむ、ゲートオープン……おおっ!」

 早速大王がゲートを展開する。
 問題なく動いたようだ。

「ゲートオープン! あ、あれ?」

 タランテさんが真似してゲートを開こうとするが反応しない。

「一度に開けるゲートは一つまでなので、来るときには気を付けてくださいね」
「は、はい……」

 とりあえず今ので、このアイテムの使い方を理解してもらえたはずだ。
 今後は話し合いも気軽にできるようになる。ポーションや素材に関してはまたシウニンさんを困らせてしまうかもしれない。ごめんね、シウニンさん。
 さあ、一気に計画を進めよう。いつかは分からない決戦に向けて。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

神様転生~うどんを食べてスローライフをしつつ、領地を豊かにしようとする話、の筈だったのですけれど~

於田縫紀
ファンタジー
大西彩花(香川県出身、享年29歳、独身)は転生直後、維持神を名乗る存在から、いきなり土地神を命じられた。目の前は砂浜と海。反対側は枯れたような色の草原と、所々にぽつんと高い山、そしてずっと向こうにも山。神の権能『全知』によると、この地を豊かにして人や動物を呼び込まなければ、私という土地神は消えてしまうらしい。  現状は乾燥の為、樹木も生えない状態で、あるのは草原と小動物位。私の土地神としての挑戦が、今始まる!  の前に、まずは衣食住を何とかしないと。衣はどうにでもなるらしいから、まずは食、次に住を。食べ物と言うと、やっぱり元うどん県人としては…… (カクヨムと小説家になろうにも、投稿しています) (イラストにあるピンクの化物? が何かは、お話が進めば、そのうち……)

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...