弱小領主のコレクター生活~アイテムチートで冒険、領地運営をしながら最強領主に成り上がります~

瀬口恭介

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第2.5章『魔王懐柔編』

120 コレクター、大忙し

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 世界会議を行ってからしばらく経った。
 俺たちは会議で決めた計画を進めるため、世界を飛び回り様々なことをした。

 まず、戦力強化について。
 この世界にはレベルに似た何かが存在する。そして経験値を手に入れる手段もまた、存在する。
 そして効率よく経験値を入手する方法はずばり、強い者と戦うことだ。
 自分より格上と戦うことで経験値を多く入手することができる。
 そしてふとした時に自分の動きが格段に良くなるのだ。これが俗にいうレベルアップだろう。
 もちろん個人の才能によって変わってくるが、今までのやり方と変えるだけで大きく全体のレベルも上がるはずだ。

 二つ目に、錬金術について。
 これは全世界で行った。今まで錬金術界隈では一日に何度も錬金術を行うことは良くないとされていたが、その考えを改めさせた。
 錬金術にもスキルレベルが存在する。実際にレベルがあるのかは分からないが、錬金技術が足りていないと錬金が成功しない時点で積み重ねが必要なのが分かる。
 技術の差というよりは、錬金に使う魔力の質の問題なのかもしれない。錬金を多く行うことで魔力が錬金に向いた物になる、と。
 というわけで、全世界の錬金術師のために錬金窯を大量に作成することになった。
 国が協力してくれているので質のいい金属は惜しげもなく使えるのだ。

 三つ目に、錬金に使う素材について。
 これはトワ村とシャムロットが協力して行うことになった。
 農業スキルが存在するのかは分からないが、トワ村の農業技術はシャムロットと引けを取らないものになっているらしい。
 おそらく、『グリーンクローバー』などの高レベルな素材を量産していたことでスキルレベルが上がったのだろう。
 俺の持っている花の種と同じ種類の花を探し、品種改良していく。そうやって新種の植物を作り、錬金術の幅を広げるのだ。

「いや、本当に規格外になったものだな。カリウス」
「いえいえ、騎士長こそ信じられない成長速度ですよ」
「そうか? ははは! まさかこの歳でさらに高みを見れるとはなぁ!」

 現在、俺とカリウスはロンテギアで戦闘を教えている。
 騎士長はお世辞にも若いとは言えない。しかし、ここにきてさらに成長している。
 やはり才能を生かし切れていない人が多いのだ。騎士長以外にも才能を開花させつつあるルーキーを多く見かけている。
 他国でも才能が開花した者はいるようだが、ロンテギアの、人間のほうが才能を開花させた割合は多いようだ。
 そしてその才能は特別なもので、エルフ、妖精、獣人、悪魔には少ない具現化技が多かった。
 例えばカリウスの〔騎士の鎧ナイトオブアーマー〕は騎士としての心の在り方を具現化したものである。
 そのような無限の可能性を持った技を持っている天才が、人間には多かった。
 人間も戦える。しっかりと戦力として他国に混ざることだってできるのだ。

「次はアルゲンダスクだね」
「おう。全く、毎日忙しいな」

 今日は午前中にロンテギア、午後からはアルゲンダスクで戦闘を教えるというハードスケジュールだ。
 ここが正念場なのは分かるが、かなりきつい。
 しかし『トワイライト』でのギルド戦耐久に比べたら楽勝すぎる。過去の経験が活きてるよ。

「〈空間移動テレポート〉」

 〈空間移動テレポート〉でアルゲンダスクに向かう。
 そこで戦闘を教えて、やはり人間と比べて戦い方も違ってくるな、と実感する。
 獣人はいざという時に手を使っての移動ができるのだ。手で地面を押し加速する、手で吹き飛ばされたときに体勢を立て直す、などだ。
 そこを人間がどうカバーするか、だが。その答えはカリウスが出した。

「は、速すぎる……!」

 手が使えないのなら足で、身体能力をフルに使ってカバーすればいい。
 脳みそに筋肉しか詰まってないだろそれ、という戦法だがこれがなかなか上手くいく。
 確かに手を使える分獣人のほうが上だが、足を使った移動を中心にすれば選択肢が減りミスも減る。
 身体能力に関してはカリウスが特別すぎるから目をつむるとして、そこまで人間と獣人に大きな差はない、はず。

「どれ、レクト。この我と戦ってみぬか」
「遠慮しとく。ここでやったら周りに被害が出そうだし」
「それならばアルゲン山脈はどうだ? 最近隕石が落ちたようでな、巨大なクレーターがあるのだ。戦闘に持って来いだろう」

 アルゲン山脈、クレーター。
 ここまで来て、俺ははっとした。
 そうだ、まだ謝っていなかった。最近忙しくて伝えるのを忘れていた。
 あのクレーターは隕石が降ってきたとして処理されたのか。なんだか申し訳ない。

「ごめんなさい」
「うん?」
「そのクレーターー……俺が作りました」
「……ふむ。ならば罰として我と戦うというのはどうだ」
「はい……」

 結局戦うんかい、とは言えなかった。
 大王と戦うだけであのクレーターの謝罪ができるのだから安いものだろう。
 大王とは何度か戦ったことがあるが本気でやったことはなかった。戦力が増えるに越したことはないし、大王と定期的に修行をするのもいいかもしれない。

 その後も、俺たちはミカゲ対策として様々なことをしていった。
 捜索も続けているが全く見つからないとか。
 いつ来るのかもわからない、そんな状況で日々は過ぎていくのだった。
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