気ままにダラダラ狩猟生活~冒険しながら世界を食らいつくします!~

瀬口恭介

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元兵士に頼む話

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 ブランククリスタル……いや、既に記録されているから転移クリスタルか。その転移クリスタルを譲ってもらうために、私達はとあるおじいさんの元へ向かった。
 元兵士ということもあって、お城に近い場所に家があるようだ。城下町は広い、近くにあって本当に良かった。

「サージンさーん、いますかー?」

 家の扉をノックしながら元兵士、サージンさんを呼ぶ。
 いきなり来てなんだと思われてしまうかもしれないが、今はこれしか方法がないのだ。

「いるのは分かってるんですよー!!!!」

 それやめろ。

「な、なんだお前たちは」

 扉を開けて出てきたのは体格の大きなおじいさん。流石兵士上がり、若い頃に鍛えるとこうなるのか。
 通りすがりの旅人ハンターだと答えそうになるが、ここはぐっとこらえる。

「旅人のエファとポコンといいます。シーヘさんから紹介されたんですけど……」
「シーヘ……ああ、あの門番のか! んで、何の用だ。狩人だろう? 魔獣の情報か?」
「単刀直入に言います。転移クリスタルを譲ってください!」
「なにぃ? いきなり来て図々しい奴らだな」
「す、すみません」

 私がそっちの立場なら同じことを思うだろう。
 失礼すぎるね。でもこれ以上の方法が思いつかなかったんだ。止まってはいけない気がしたから、思いついたら即行動を繰り返している。

「まあ、シーヘが紹介するってことは最低限実力はあるんだろう。確かに旅をするならば転移クリスタルは必要だ。だが、ただで譲ってもらえるなんて思うなよ」
「ええ、当然です」

 ただでもらえたとしても申し訳なくてなにか頼みを聞く予定だった。

「そうだな……そこの後ろの犬みたいなやつ、魔術師と見た」
「当たりです!」
「お、おう。錬金術は使えるな? なら、転移クリスタルをブランククリスタルに戻すための素材を持ってこい」

 ポコの元気さに気圧されたサージンさん。
 ブランククリスタルに戻す? もしかして、この街が記録されてない? なら、そのクリスタルをこの街に変える必要がある。それに錬金術を使うのか。

「わかりました。その素材とは?」
「魔力が多いクリスタルなら何でもいいが……この辺りじゃ採掘できないな。ブランククリスタルを買うよりも格段に安いが、それでもお嬢さんらの年齢では高いだろう。残念だが金を貯めるんだな」
「そ、そんな……」

 魔獣の素材か採掘だと思い込んでいたが、そもそもこの辺りではその素材は手に入らないと。

「掲示板の依頼でも受けるといい。魔獣を倒す依頼でも受ければ報酬金と魔獣の素材でたんまり稼げるぞ」

 掲示板の依頼というのは、街の人間や、王国が狩人や旅人向けに出している依頼だ。
 依頼人のために魔獣を倒したり、薬草を採取してきたり。皆そうしてお金を稼いでいるのだ。アカネさんから聞いた情報だ。

「お金稼ぎかぁー」
「そうなるよねぇ……そうします。はい」

 私は冒険もしたいのだ。こうなったらとことん冒険して楽しんで、余裕をもってブランククリスタルを手に入れてやる。

「はっはっは、まあ俺は元兵士、つまり城の人間だ。旅人さんなら少しはこの城下町に貢献してくれよ。期待しているぞ新人さん」
「ありがとうございます。それじゃあ、また近いうちに」
「言うねぇ。また来な」

 それだけ言うと、バタンと扉を閉められた。次に来るときはドヤ顔で魔力の多いクリスタルを見せつけてやろう。そうしよう。

「えっと、じゃあ依頼見に行く……?」
「そうだね。そもそも今のお金も少ししたら使い切っちゃうし、とにかく依頼を受けてお金を稼ごう」

 旅に出たら金金金。なんてひどい現実だろう。
 依頼かぁ……話によると魔獣の依頼は少ないらしいし、薬草採取とか、仕事のお手伝いとかかな?
 なんか、日雇いみたいだ。そんなことをするために旅人になったわけじゃないぞ私は!!!

 というわけで広場に来ました。酒場が近くにあって、お城までの道もあるこの広場。旅人や狩人、冒険者らしき人物が多くみられるところを見るに、それらが職業の一部として数えられているのだろう。

「な、き、貴様らは!!」

 声が聞こえ、そちらを見ると掲示板の前に紫髪の女の子が立っていた。
 見覚えのある女の子だ。というかハックだ。

「あれ、ハックじゃん。昨日ぶりー」
「やっほ!!!!」
「気安く話しかけるな!」
「先に声かけたのそっちじゃん……」

 この会話が理不尽ながら進んでいく感じ、昨日ぶりなのに懐かしい。
 というか……。

「アカネさんは? ハック一人なの?」
「いつも集団で行動しているわけではない。アカネ様は……今日はスカウトだったか。とにかくハブられたわけじゃない」
「でも少し不安なんだよね。わかるよ」
「かーわいー」
「わかるな!」

 と言いつつちょっと顔赤くしてる。図星である。可愛いじゃん??

「ったく、貴様らも依頼を受けるのか? たまに無理難題な依頼もあるから慎重に選んだ方がいいぞ」
「えっ、優しいじゃん。ありがと」
「う、うるさい!! 私は行くからな!」

 ハックは掲示板から紙を一枚剥がすと、早歩きで去っていった。

「またねー!!!!」
「アカネさんによろしくー」

 二人でそう言うと、ぴくっと一瞬反応し、早歩きの速度を上げた。
 ははーん、わかったぞ。あの子、私よりも中身子供だなー? もー、そう考えるとすっごい可愛く思えてきちゃうじゃん。私のお姉ちゃんスキルが疼いてるぜ……。

 さて、気を取り直して依頼を見ますか。
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