気ままにダラダラ狩猟生活~冒険しながら世界を食らいつくします!~

瀬口恭介

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クリスタルを買おう

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 お金も食糧も武器も防具も準備は整った。かのように思えたが、実はまだだ。そう、竜車だ。
 今の竜車は飛行するのに向かない。改造が必要なのだが、その改造に時間がかかっている。
 武器や防具のついでに鍛冶屋に改造できないかと依頼したのだが、予定よりも手こずっているようで、出発は明日になりそうだ。

 と、いうわけで暇になってしまった。やり残したことと言えばクリスタルなので、それを買いに行こうと思っている。
 ちなみにだがポコは竜車に魔術を掛けるため、鍛冶屋で作業をしているので休みではない。この前はえっちゃんとと隊長が頑張ったから、次はわたしが頑張るよ! とか言ってたね。何だかんだ役に立とうとしてくれてる、いい子だ、ちょっと抜けてるけど。

「せっかくだしクリスタル買っちゃおうかな」

 隊長も今日は罠の開発に力を入れていていないし。私もやれることはしておこう。

「ここ、か」

 兵士に聞いたりして何とか宝石店に到着する。宝石店の店頭にはすでに装飾が散りばめられており、金持ちしか来ないってカンジだ。私の来る場所ではない、さっさと済ませよう。

「いらっしゃいませー」

 店内に入ると、店員に声を掛けられる。店に入った時に必ず言われる言葉なので無視してヨシ。
 しかし、聞いてみないことにはどれが純度の高いクリスタルなのかわからない。店員との会話はそれだけで済ませよう。

「あの、転移クリスタルをブランククリスタルにできるくらい純度の高いクリスタルってありますか?」
「純度の高いクリスタルですか。でしたら……こちらになりますね」
「どれどれ、おお、これはなかなか……」

 店員に紹介された結晶は確かに純度が高い。魔力が入っているのだろう、青い結晶だ。
 やはり高い、でもこれ単体ならばこれから先の旅に大きな支障は出ないな。よし、これを買おう。

「じゃあ、これを――――――」
「そちらをご購入ですか! 高額な商品の購入時に対象の宝石とセットでご購入しますと、なんと宝石の値段が半額になりますよ。いかがですか?」

 買おうと思ったその時、店員が別の宝石を一緒に買うと安くなると言ってきた。

「宝石ですか」
「ええ、こちらの箱の宝石が対象です」

 流されるがままに宝石を見ることに。いやいや、私は宝石を見に来たのではない。クリスタルを買いに来たのだ。

「やっぱり、クリスタルだけ……」
「さらに! こちらの宝石剣も付けますよ!」
「宝石剣……!?」

 ダメなのはわかっているが、宝石剣という魅力的な言葉に思わず反応してしまった。

「おお、綺麗」

 宝石剣と呼ばれた剣の棚を見る。青や赤、橙色や黄色、さらには虹色に輝く宝石剣が並んでいる。
 一番高価な虹色の剣を手に取る。なんだか不思議な感覚だ。金属ではなく宝石だからだろうか、違和感がすごい。これはこれとして慣れれば使えそうだ。
 でも、私にこれは要らないかな。

「やっぱりクリスタルだけにしときます」
「そうですか。ではお会計ですね」

 心なしか対応が適当になった気がしないでもない。まあさっさと済ませられるなら私はそれでいいんだけどね。
 お金が入った袋から、金貨を取り出す。うう、これ一枚でしばらく楽して暮らせるのに。

 受け取ったクリスタルを袋に入れ、店を出る。これからやることないな、転移クリスタルは錬金術を使うポコがいないと手に入らないし、宿屋戻って寝ようかな。
 なんて考えながら歩いていると、見たことのある髪色の女性二人と目が合った。

「あら、確かエファさんでしたよね? お久しぶりです」
「…………おひさ」
「えっと……トパーさんとアズちゃん! 久しぶり! 国中を回って仲間を集めてたんだって?」

 紅の女狩猟団のメンバーだ。私が初めて会った時はアカネさん合わせて六人だけだったはず。今は何人になっているのだろう。

「ええ、もう随分と大きくなりましたよ。今はフォルテシアの転移クリスタルを手に入れるために、増えたメンバーで遺跡の調査を行っているんです」
「…………王国に頼まれた」
「え! それ私たちもそうだよ! 実は明日あたりに出発する予定なんだよねー」

 そっかー紅の女狩猟団も遺跡の調査をしてるのかー。ってことは、競争率高いんじゃない? 絶対大人数だし。

「えっと、そちらは前と変わらなければ三人でしたよね? いったい何をして王国に注目されたんですか?」
「…………わたしたちは人数の多さを買われた。ぐぇっ」

 わっしゃわっしゃとアズちゃんの頭を撫でながら話を聞く。やはり人数の多さか。それに単純に国中を回れる実力も買われたのだろう。

「ドラゴン倒しちゃってさー、報告したら頼まれちゃった。聞いた話じゃ頼まれなくても無視するわけにはいかないし」
「ドラゴンを……!? それは、大丈夫なのですか?」

 相変わらずドラゴンを倒したという話は驚かれるようだ。まさかドラゴン倒すのって狩人のゴールみたいな物だったりする?

「え、何が?」
「ドラゴンを倒せる狩人は少ないのです。何かるたびに面倒ごとを押し付けられてしまうかもしれないのですよ」
「んー、でも王様とちょっとだけ仲良くなったし、何とかなるかな。そもそも旅人なんだから頻繁に来れないしね」

 王様も私たちが旅人だと知っているし、ある程度は自重してくれるだろう。

「…………王様と仲良くなる……?」
「まあ……相変わらず変わったお人なようで安心しました。あ、いい意味ですよっ!」
「分かってる。そっちも変わった人の集まりでしょ? いい意味で」
「ええ、そうですね。みんな個性的ですから」

 私たちの周りって変な人多いよね。いい意味でも悪い意味でも。

「ふむ……遺跡の調査をするということは、向こうで会うかもしれませんね。その時はよろしくお願いしますね!」
「こちらこそ。アカネさんによろしくね、向こうで会おうって言っておいて」
「…………了解。お互い頑張ろう」

 アズちゃんは可愛いなぁ。ギンの成分が補給できなかった時はアズちゃんに頼んで可愛がらせてもらおう。
 そうと決めた私は、暇なので絶賛改造中であろう竜車を見に鍛冶屋に行くことにした。
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