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家族編
トーナメント試合5
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「俺はこのトーナメントは初めてだしな。楽しみたい。極上の女も手に入れたいし、合法的に目障りな男も始末したい。俺が勝ったらその女、もらいうける」
この人は何を言ってるの?子ども達が危ない?
————「舐めたこといってんじゃねぇよ」
いつもより低いリヒト様の声で我にかえる。
獅子の王のエンジ色の騎士服の襟を掴み、ブンと振って闘技場に落とす。
リヒト様の紺色の瞳と目が合う。
————「つむぎ、ちゃんと見てろ」
私が返事をする前にリヒト様は下に降りていってしまった。
バタバタと陛下の侍従とユアンさん達が雪崩の様に部屋に入って来て、あわただしく私達を取り囲む。
「陛下、助かりました。ここからは私どもが」
ユアンさんが頭を下げて、クロードさんが私達の前に結界を出した。
「ん~~~まぁ試合がおわるまでは僕もこのまま手伝うよ。子供達もやめる気無いみたいだし」
子供達の魔法壁は獅子の王によってかき消されてしまった。二人は一瞬で陛下の作った結界を強化する方に切り替えていたようで、今もフルで力を使っているみたいだった。
「なに……なんで……?」
「あの男がつむぎちゃんを見る目が怪しいのは気づいてたんだけどねぇ……ただの横恋慕かとおもったら、まさかそんな理由とはね」
ルース君が私の前に立つ。すぐに刀が抜ける様な体勢のまま、真剣な顔をしてる。
陛下の侍従とユアンさんが、三階席の結界を再構築しているのが見える。
闘技場ではリヒト様と獅子の王が打ち合っている。お互いの力が強すぎて私にはどちらが優位か判断できない。獅子の王のニヤニヤ顔ばかり目について、嫌な想像ばかりが頭をよぎる。
「へい、か……子供達を、お願いします」
「うん、任されたよ。大丈夫、誰も君から子供達を取り上げない。この子達は竜国の至宝だよ。我ら竜国軍が責任を持ってこの子達を守ると誓うよ」
陛下の言葉に陛下の侍従もリヒト様の幹部達も一気に警戒を強めたのが分かった。
「レスター、こっちにきて?」
レスターがふよふよと飛んできて、私の腕の中に収まった。クロム君とレスターを両腕に抱えてズルズルと座り込んでしまう。
子どもを殺すと言っていた。始末して、新しく仕込むって。この子達が殺されるかもしれない?
仕込むという台詞に寒気と吐き気が同時に襲ってくる。子供達をぎゅっと抱き込んで嫌悪感を抑えようとするけれどどうにもならない。
「母上…………震えておられます……俺がもっと……強ければ……」
「ははうえ、なかないで」
「クロム、レスター、男だろ、気を抜かない。守りたいものがあるのなら自分が強くなりなさい」
いつになく真面目な陛下の言葉に二人の息子の顔がまた真剣な物にかわる。私の腕の中から小さな手をかざして陛下の防御壁へ強化の魔法をかけている。
「つむぎちゃん、大丈夫。よく見てごらん?君の夫はこの世界一強いんだから」
恐る恐る闘技場を見やると、リヒト様が獅子の王の髪を掴んで引きずっていた。そのまま場外の壁に叩きつける。
壁にめり込んだ獅子の王はピクピクと痙攣するだけで動かないけれど、誰も終わりだと思っていない。
血だらけの獅子の王へ刀を抜いたリヒト様はダルそうに近づいていく。一歩進むごとに部屋の空気が変わって行く。
「どちらかというと弟の力の余波から守る感じだからね?」
獅子の王が立ち上がり、ぺっと血の混ざった唾を吐く。
「お前さえ死ねばぁあああ!!!」
ビリビリするような叫びと共に、リヒト様に切り掛かって行く。
ガキーンガキーンと刀と剣の打ち合う嫌な音がする。獅子の王は大きな剣を両手で持って素早い動きで全身の力を乗せて打ち込んでいるのが分かる。
リヒト様は打ち合った場所から一歩も動かず右手だけ動かして相手をしてる。息一つきれていない。
相手はもうゼェゼェと肩で息をしているというのに。
「黙れ死ね」
リヒト様が淡々と言って数歩前に進み、獅子の王の持つ大剣を右手ごと切り捨てた。
ゴロゴロと転がる腕と剣がレプリカの様に見える。
肩口から大量の血を出してその場に崩れる獅子の王へ、やっと審判が立ち上がり失格の判定をした所で観客の割れんばかりの歓声と共に試合が終わった。
「リヒトとの実力差に気づかない程つむぎちゃんに傾倒しちゃったかな~~~。力のみで王にのし上がったばかりだし、君を見て衝動を抑えきれなかったようだねぇ。試合中の事は不敬に問えないからさっきのは厳重注意ってとこかな。右手がなくなったことで獅子の国ミラー神も君の番としてあてがうのは辞めるんじゃないかなぁ。まだなってもいないし変え放題だからねぇ。君を守る力の無い男を神々は選ばない」
陛下がまたパチンと指を鳴らすと、ふわっと優しい風が吹いて魔法壁が解除された。同時に子供達からも力がぬける。
「ははうえ、あるじ、勝った、泣かないで」
「っユアン!どうしたら母上の震えはおさまる!?」
「治めてくれる方が参りましたよ」
ユアンさんのセリフに上を向くと、優しい紺色の瞳のあの人が目の前にいる。血のついた軍服を脱いでユアンさんに渡し、陛下に一礼している。
「ちょっとひどい言葉をかけられたからね。今は子供達と離さない方がいい。後はリヒトの役目だね」
涙がぼろぼろ出てきて視界が歪む。手の中の二つの暖かい体温だけが安心をくれる。
「お前らもよく頑張ったな」
クロム君とレスターの頭を撫でてから私を子供達ごと抱き上げてくれた。
「もう大丈夫だよ、つむぎ」
安心の匂いと子供達がそばにいることに力が抜けて私はそのまま意識を手放した。
この人は何を言ってるの?子ども達が危ない?
————「舐めたこといってんじゃねぇよ」
いつもより低いリヒト様の声で我にかえる。
獅子の王のエンジ色の騎士服の襟を掴み、ブンと振って闘技場に落とす。
リヒト様の紺色の瞳と目が合う。
————「つむぎ、ちゃんと見てろ」
私が返事をする前にリヒト様は下に降りていってしまった。
バタバタと陛下の侍従とユアンさん達が雪崩の様に部屋に入って来て、あわただしく私達を取り囲む。
「陛下、助かりました。ここからは私どもが」
ユアンさんが頭を下げて、クロードさんが私達の前に結界を出した。
「ん~~~まぁ試合がおわるまでは僕もこのまま手伝うよ。子供達もやめる気無いみたいだし」
子供達の魔法壁は獅子の王によってかき消されてしまった。二人は一瞬で陛下の作った結界を強化する方に切り替えていたようで、今もフルで力を使っているみたいだった。
「なに……なんで……?」
「あの男がつむぎちゃんを見る目が怪しいのは気づいてたんだけどねぇ……ただの横恋慕かとおもったら、まさかそんな理由とはね」
ルース君が私の前に立つ。すぐに刀が抜ける様な体勢のまま、真剣な顔をしてる。
陛下の侍従とユアンさんが、三階席の結界を再構築しているのが見える。
闘技場ではリヒト様と獅子の王が打ち合っている。お互いの力が強すぎて私にはどちらが優位か判断できない。獅子の王のニヤニヤ顔ばかり目について、嫌な想像ばかりが頭をよぎる。
「へい、か……子供達を、お願いします」
「うん、任されたよ。大丈夫、誰も君から子供達を取り上げない。この子達は竜国の至宝だよ。我ら竜国軍が責任を持ってこの子達を守ると誓うよ」
陛下の言葉に陛下の侍従もリヒト様の幹部達も一気に警戒を強めたのが分かった。
「レスター、こっちにきて?」
レスターがふよふよと飛んできて、私の腕の中に収まった。クロム君とレスターを両腕に抱えてズルズルと座り込んでしまう。
子どもを殺すと言っていた。始末して、新しく仕込むって。この子達が殺されるかもしれない?
仕込むという台詞に寒気と吐き気が同時に襲ってくる。子供達をぎゅっと抱き込んで嫌悪感を抑えようとするけれどどうにもならない。
「母上…………震えておられます……俺がもっと……強ければ……」
「ははうえ、なかないで」
「クロム、レスター、男だろ、気を抜かない。守りたいものがあるのなら自分が強くなりなさい」
いつになく真面目な陛下の言葉に二人の息子の顔がまた真剣な物にかわる。私の腕の中から小さな手をかざして陛下の防御壁へ強化の魔法をかけている。
「つむぎちゃん、大丈夫。よく見てごらん?君の夫はこの世界一強いんだから」
恐る恐る闘技場を見やると、リヒト様が獅子の王の髪を掴んで引きずっていた。そのまま場外の壁に叩きつける。
壁にめり込んだ獅子の王はピクピクと痙攣するだけで動かないけれど、誰も終わりだと思っていない。
血だらけの獅子の王へ刀を抜いたリヒト様はダルそうに近づいていく。一歩進むごとに部屋の空気が変わって行く。
「どちらかというと弟の力の余波から守る感じだからね?」
獅子の王が立ち上がり、ぺっと血の混ざった唾を吐く。
「お前さえ死ねばぁあああ!!!」
ビリビリするような叫びと共に、リヒト様に切り掛かって行く。
ガキーンガキーンと刀と剣の打ち合う嫌な音がする。獅子の王は大きな剣を両手で持って素早い動きで全身の力を乗せて打ち込んでいるのが分かる。
リヒト様は打ち合った場所から一歩も動かず右手だけ動かして相手をしてる。息一つきれていない。
相手はもうゼェゼェと肩で息をしているというのに。
「黙れ死ね」
リヒト様が淡々と言って数歩前に進み、獅子の王の持つ大剣を右手ごと切り捨てた。
ゴロゴロと転がる腕と剣がレプリカの様に見える。
肩口から大量の血を出してその場に崩れる獅子の王へ、やっと審判が立ち上がり失格の判定をした所で観客の割れんばかりの歓声と共に試合が終わった。
「リヒトとの実力差に気づかない程つむぎちゃんに傾倒しちゃったかな~~~。力のみで王にのし上がったばかりだし、君を見て衝動を抑えきれなかったようだねぇ。試合中の事は不敬に問えないからさっきのは厳重注意ってとこかな。右手がなくなったことで獅子の国ミラー神も君の番としてあてがうのは辞めるんじゃないかなぁ。まだなってもいないし変え放題だからねぇ。君を守る力の無い男を神々は選ばない」
陛下がまたパチンと指を鳴らすと、ふわっと優しい風が吹いて魔法壁が解除された。同時に子供達からも力がぬける。
「ははうえ、あるじ、勝った、泣かないで」
「っユアン!どうしたら母上の震えはおさまる!?」
「治めてくれる方が参りましたよ」
ユアンさんのセリフに上を向くと、優しい紺色の瞳のあの人が目の前にいる。血のついた軍服を脱いでユアンさんに渡し、陛下に一礼している。
「ちょっとひどい言葉をかけられたからね。今は子供達と離さない方がいい。後はリヒトの役目だね」
涙がぼろぼろ出てきて視界が歪む。手の中の二つの暖かい体温だけが安心をくれる。
「お前らもよく頑張ったな」
クロム君とレスターの頭を撫でてから私を子供達ごと抱き上げてくれた。
「もう大丈夫だよ、つむぎ」
安心の匂いと子供達がそばにいることに力が抜けて私はそのまま意識を手放した。
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