グリフォンに転生した...らしい。

キンドル・ファイバー

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すごくヤバい特別講師とダンジョンで修行

ダンジョン攻略攻略と休憩らしい

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 絶賛ダンジョン攻略中の俺、レイヴィンとキィナを含めた生徒達。
 黒騎士に先導され、迷路のような1層をクリアし、階段を下りて2層の攻略が始まった。


 1層は整備された石造りの迷路であったが、2層はただの土で出来た洞窟のようだ。
 ここも1層程ではないが通路の幅が広めで、俺としては助かる。白竜も体を伸ばして、どこまで動けるか確認をしている。

 ここからは魔物がかなり増えるとの事なので、生徒達は気合いが入ってる様子。だがまぁ俺の出番はなさそうだ。しょぼん。


 2層を少し歩き出した所で、ボブゴブリン1匹とゴブリン5匹の群れと遭遇する。

 第2王子が野球ボールくらいの大きさの光の玉を飛ばす〈ライト・ボール〉でホブゴブリンをボコボコにし、鳥の従魔を連れたテイマーが見事なコンビネーションでゴブリンを瞬殺。
 キィナも槍を振り回しゴブリン2匹の首を折り、他の生徒も残ったゴブリンを苦戦すること無く倒している。

 残念だが優秀な生徒が20人もいれば、俺の出番なんてないな。


 再び通路を歩いていると、今度は質素な木製棍棒を持ったオークが2匹現れた。黒騎士によると、本来はもう少し下層に出る魔物らしいが、最近の異常により浅い階層にもオークが発生したとのことらしい。

 今度は一筋縄では行かないだろう、と思いつつも観戦していると1匹のオークをキィナと半分の生徒が、もう片方のオークは第2王子と半分の生徒がチームを組み、狩り始めた。

 キィナチームは前衛でキィナが暴れて、残りの生徒が牽制や援護、魔法で攻撃したりしている。
 第2王子チームは、生徒が前衛としてオークを攻撃し、王子は後衛として指示や魔法攻撃に徹している。

 個人的な感想として、オークの棍棒と鍔迫り合いするキィナの脳筋具合が凄いと思った。あの小さい体のどこにあんなパワーがあるんだ...?


 とまぁ、こんな感じで洞窟みたいな2層を進んで行く生徒達。

 因みに魔物の素材や肉、道中見かけた宝箱は、黒騎士の持っていたなんでも入る○次元ポ○ット的な袋の魔道具に回収していた。

 生徒が欲しい物は後で渡してくれて、それ以外は買い取ってくれるんだとか。
 そして宝箱は罠があるかもしれないから、それを解除する技能のある生徒の練習様に、取り敢えず袋に入れて保存しておくとのこと。



 次の階層への階段が見えた。2層では罠はあんまし無く、魔物との戦いがメインだったなぁ。
 ゴブリンやウルフ、オークに加えて小さい蝙蝠の魔物もまた出てきてた。まぁ優秀な生徒達の敵ではなかったが。

 ただ、一度にオークが4匹出た時は、少し苦戦する生徒も出てきたようだったが。


 3層へ行けるの階段の前で、黒騎士が「一度ここで前半組の探索は終了とする。待機してる生徒と交代し、午後からは特訓を行う。」と話している。

 キィナが少し不満そうな顔をしているが、この2層では結構連続で戦ってたし、休憩としてちょうど言いと思うぞ?俺はなにもしてないけど。

 と言うわけで、来た道を引き返す...のかと思いきや、黒騎士が四○元ポケッ○見たいなあの袋から黒い玉を取り出した。
 なんでも、予め指定した地点にワープさせてくれる魔道具なんだとか。すっごい便利じゃないか。

 でも数回使うと壊れるのと、結構お値段がするらしい...本当に使って良いの?とは思うが歩いて帰るのは正直面倒くさい。ここはご好意に甘えるとしよう。

 黒騎士が玉を掲げて魔力を込めると、皆の足元に魔方陣が広がる。

 ...どこかで見たことある陣だと思ったら、〈サモンリターン〉の陣と殆ど同じだなこれ、あれの応用で作られたんかな?

 とか考えていると、俺にとっては慣れた転移時特有の一瞬の浮遊感を感じ、気が付いたときにはいつの間にかダンジョンの前に立っていた。

 あ、トガトガ頭のワイルドファッションさんチーッス。
 軽くお辞儀してみたら、お辞儀返してくれたわ。案外良いやつじゃね?

 だが、黒騎士はトガトガ頭の奴隷冒険者には目もくれず、馬車と半分の生徒を置いた森の前まで向かう。




 馬車を置いていた森の前まで着くと、待機組だった20人近い生徒達はゴブリンやウルフの解体をしていた。
 どうやら、馬車を魔物に襲われたみたいだが、問題なく返り討ちにしたようだ。

 それを見た黒騎士が、ちょうど良いとばかりにゴブリンを調理して昼食にするとか言い出した。えぇ、あんまし美味しくないんだけどなぁ...
 彼曰く、冒険者として活動してる間は旨いものは基本的に食えないんだから、たまには不味い飯も作って食ってみろ、とのこと。ある意味精神的な修行である。

 というわけで、唐突に始まる生徒達のクッキングタイム。材料はゴブリン(落胆)。あと、黒騎士が袋から出してくれた塩。
 オーク肉も袋から出してくれたら嬉しいなって...駄目?駄目かぁ...

 大体の人はそのまま焼いてる。土魔法で台を作って、火魔法で石焼きみたいな感じ。剣を熱して焼いてる人もいる。

 キィナは焦がしてる。アカン、こいつメシマズヒロインか!!

 仕方ないので、俺がキィナの分の食材を一度取り上げる。
 キィナは珍しく自覚あるメシマズ系ヒロインらしく、大人しくされるがままだ。

 俺も料理にそこまで自信は無いが、前にゴブリンを生で食べたときに、焼いても酸味のある臭いや味がするので、少し茹でて嫌な味を落としたら食べやすくなったことがあった。
 なので、それを人間用にがっつり煮ようと思う(美味しいとは言っていない)。

 不味、じゃなかった。まず、土魔法で鍋の形に土を圧縮する。
 そして、それに水魔法で水を入れて、そこにゴブ肉と、そこら辺で取った〈ヒール草〉をオマケに突っ込む。問題なく食える草だし、香草代わりだ。

 そしたら、ガッツリ煮込む。すると灰汁が出まくるから水ごと灰汁を捨てて、もう一回水を入れて煮る。
 それを何回か繰り返して、灰汁がほぼ無くなったらお湯を捨てて、肉を取り出して塩を振る。

 はい完成。...喰う前から味は予想できるが、少し食べてみるか。もっちゃもっちゃ。

 がっつり煮込んだから柔らかい。だが、肉本来の味がほぼ無い。柔らかい塩味しかない肉。
 生で喰える俺としては、がっつり煮込まないで酸味のある変な味を少し残したままで食べた方が良かったかもしれないが、人間ならこの方がいいだろう。

 キィナも煮た肉を喰い始める。平然とした顔で「まぁまぁね!」とか言ってる。

 そうだった、こいつは味付けしてない鹿の丸焼きすら、丸々1匹分喰うおぞましい食欲モンスターだったのを忘れていた。


 周囲の生徒達は、焼いて塩を振っただけのゴブ肉をオェとかうぇとか不味そうな言葉を発しながら食べている...人間基準だとそんなに不味いのか。

 しかし、キィナは一味違う。なんせ他の生徒達の元へ行き、焼きゴブを貰って貪り始めたからなぁ!
 「臭いけど、まぁいけなくはないわね。」とか言ってるが、他の生徒はそれ食べて不味い不味いおぇおぇげろげろ言ってるぞ。

 取り敢えず焼きゴブ肉が不味くて食べられないという生徒には、俺作の塩味の煮ゴブを分けておこう。
 生徒からは結構感謝されたが、キィナからは食べる分が減ると文句言われた。お前は他の奴から貰って喰いまくってるじゃないか。

 最近キィナの食欲に磨きが掛かってる気がするんだが、大丈夫なんだろうか?進化とかしないよな?ホブキィナとかに。


 因みに、他の俺の知ってる人達の様子を見て回った様子だが、黒騎士は平然と焼きゴブを食べている。しかも兜を外さないで、フルフェイスのまま口許の隙間から上手に食べてる。
 そういや、素顔一回も見てないな。まぁ、どうでもいいが。

 キィナのお友達トリオは不味そうにしつつも、なんとか食べれてた。
 茶髪男はしかめっ面でめっちゃ不味そうに、白髪女はなんか遠い目をしながら、黒髪ツインテは...なんか変な緑色の汁物喰ってる!?

 第2王子様は普通に凄く嫌そうな顔をしながらも、頑張って焼きゴブを食べてたから、煮ゴブを分けてあげとく。あ、白竜は残りの焼きゴブを普通に喰ってた。

 あの目付きの悪い弓使いの女は、顔を真っ青にしながら吐いてて、すんごい可哀想だった。
 流石の黒騎士様も哀れんだのか、ウルフの肉か、人間用の不味い携帯食と選択肢を広げてあげてた程だ。

 結局不味い事に変わりはないが、弓女は謝りながら携帯食を選び、不味そうにボソボソと食べていた。

 それを見たキィナが、携帯食も貰いに行ってた。「よくわからない味のクッキーみたいね、水が欲しいわ。」とか言いながら平然と喰ってる。


 俺は他の生徒がギブアップした余りのゴブ肉を生で食べたり、焼いたり煮たりして飽きないよう、食感を変えながら喰ってる。


 そんな俺を見て、弓女が顔を青ざめた顔でなにか呟いてるが、そんなにゴブ肉が嫌いなのかな?






 どうやらゴブ肉は貴族様のお口に合わない、らしい。






 あ、訂正。貴族の筈のキィナが俺の隣で平気な顔してゴブ肉貪ってたわ。

____________________
○バット
 球体に大きな耳や羽、小さな足が生えた蝙蝠型の魔物。大きさは20cm位。

 暗い洞窟の中で、羽音も少なく不意打ちで血を吸いに襲いかかってくる。
 ...しかし、噛まれると普通に痛いので、人間やゴブリンに噛み付いても叩き落とされてしまい、その衝撃で骨が折れて致命傷を負う糞雑魚な魔物。普段は小さい虫や魔物の死体を食べている。
 音波で物の位置を把握しており、目はあるにはあるが、ぼんやりとしか見えない。

 大きな耳は補聴器のような魔道具の素材き使える。吸血するときに突き刺す犬歯には細い空洞があり、ペン先に加工できる。だが、値段は安く価値は低い。

 味はマーウスに近い。食べてみると割と美味しい部類だけど、小さいのもあり態々好んで喰う者は限られている。
 孤児やスラム街の住人は、冒険者ギルドに登録してFランクになると、バットやマーウスを狩りに行って食べるのがある種の贅沢なんだとか。まぁ、ゴブリンよりは美味しいからね...

 因みに主人公からしたら肉団子感覚。美味しいっちゃ美味しいけど、いくら喰っても足りない。


○四次○ポ○ット
 正式名称はマジックバッグ。鞄や小さい巾着袋、宝箱やポケット等、形は様々。
 作る際に込められた魔力や、素材の品質等で内容量や、内部の時間が止まるか、生き物が入れられるかどうか等が決まる。
 品質の低いものは見た目の倍位の量しか入らないことも多々あるが、黒騎士が持つものは巾着袋サイズでオークを丸々何匹も突っ込んでたから、凄いものなのかもしれない。


◯宝箱
 ダンジョンではチラホラ宝箱が見つかる。大体低層で見つかるものと言えば、下級ポーションとかナイフとか、ただの服よりは頑丈な旅で使える服とかの、初心者なら助かるアイテムとか安定して売れるものが多い。
 しかし、ハズレとして扱われている微妙な品々も多数存在する。


※小さい頃は舌が鈍く、ゴブリンも平気で食べてたが、大きくなるに連れて美味しい獲物を喰えるようになり、舌が肥えてきてる系主人公。
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