グリフォンに転生した...らしい。

キンドル・ファイバー

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融和派魔王の娘とおてんば対決!?

白い小鳥と不穏な魔物らしい

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「...、死んでしま......、...ない。なんてね、...言ってみた...んだ...そんな...いでくれ。」

「君...生させてあげ...。この話は君にとっても、悪くないと...?」

「野生で自由に生きたい、それが君の望みなんだね?」

「記憶はいらないと...ふむふむ」

「自由に飛べる鳥のようになりたいと望み、記憶を捨てて鳥になりたいってことだね?」

「なるほどね、じゃああの個体がピッタリかな?」

「君が...で何を...自由だ、ただ飛び回る...も、全てを...するも、人と共...のも...君が決めることだ。」

「くれぐれも気を付けてね?転生した後は基本的に僕たち神はノータッチだからさっ!」

「そういえば......も、周囲...て自殺したらしいよ?」

「破壊神...を付けてないと......」




 ふわぁ~あ、良く寝た良く寝た。え?もう始まってる?んじゃ、いつもの振り返りから始めるとするか!




 魔王を黒騎士が倒してから数週間後。俺、レイヴィンは木製の四角い巣自作豆腐建築でグダグダとしていた。

 あれからの事を説明すると...黒騎士が魔王を倒して、生徒達を助けて、クロムラック王国に帰って、なんかパーティーみたいなのして、何故か地獄の特訓がまた始まって...それが終わったらやっと帰れて、という感じだ。

 なんか特別講師として黒騎士が働く期間が1ヶ月だったとのことで、その期間を終えるまでクロムラック王国で特訓させられたんだよな...魔王に殺されかけた後に黒騎士に殺されかけ、生徒達も死んだ目をしていた。俺もだ。

 でもその甲斐あってか、生徒達もかなり強くなってた。
 黒騎士に鍛えられ、ダンジョンで実勢経験を積み、魔王との戦いにも一応参加したから相当経験値が入ったらしい。

 俺でさえ相当レベルが上がったんだ、当たり前だな。レベルアップが嬉しかったのか、キィナなんて「ここに住む!」なんて言ってたしな。
 流石に貴族の娘1人で勝手に移住する訳にはいかないから、襟首咥えてドリミドールへお持ち帰りさせて頂いたが。


 ここまで説明すれば分かるかもしれないが、頑張った俺は疲れた。
 だから、クロムラックから帰って来て、巣に着いてからはずっと寝てた。グッタリと。

 餌の確保はしてるぞ?ただ、最近はキィナからの呼び出しも殆どないし、レベルも十分上がったから無理に狩りしなくてもいい、だから心に余裕がある。

 疲れた体を休めるために寝ているんだ、サボってるわけではない!


『獲物を喰らい、力を蓄え、もっと破壊と殺戮を...』


 うるせぇ!お前は〈空裂の魔眼〉ぶっぱしたいだけだろうが!

 魔王との戦い以降、〈本能〉が〈黒き本能〉に名前が変わって、チラホラ戦いを催促してくるようになったんだよなぁ。

 そんなに害はないし、以前に聞きたかった神々の闘争だかの話を少しずつ聴けるようになったのはいいことなんだが、パチンコ屋に行きたがる駄目親父みたいに戦いを所望してくるから、少し鬱陶しい。

 因みに神々の闘争とやらで今のところ解ったことは...

1.この世界に創造神と破壊神と言う者が存在して、何処からかこの世界を見ている事。

2.彼らが気に入った人間を駒にして、戦争ゲームみたいなのをしている事。

3.俺みたいな転生者は他にも沢山いて、ほぼ全員が神に連れてこられた駒という事。

 大体こんな感じだ。生物を駒扱いすると言うと悪いイメージが強いが、実際のところ気に入った人間をマークしてちょっと力をあげたりして、敵対する神の駒同士が戦って勝った方の神にちょっとポイントが入るだけで、ほぼ直接的な介入はしないんだとか。

 なんでこんなことを本能が知ってるのかと聞いてみると、よく解らないが恐らく神とやらに知識を突っ込まれたんじゃないか、とのこと。
 なんで俺にそういう知識を突っ込まなかったし。いや、面倒そうだからやっぱ突っ込まなくていいや。


 そういや、あのダンジョンに何故魔王がいたかって話なんだけど、どうやら前の大氾濫の際に参加してた敵の魔王があいつで、ドリミドールで敗れてほぼ全戦力を失ったから、程よく距離の離れた隣国クロムラックのダンジョンに逃げ込み、入ってくる冒険者を殺して力を蓄えようとしてたんだとか。

 で、結局焦りすぎて急に魔物を強くしすぎて国に警戒され、黒騎士が送り込まれることになったんだと。

 クロムラックがダンジョン内を調査した結果、元々初心者向けダンジョンでそこまで難易度は高くないから、国最強の黒騎士が引率すれば安心なレベル判断し、ドリミドールとの親交を深めるのも兼ねてこちらの生徒を連れていくに至ったんだとか。

 最終階層に魔王がいるなんてのは誰も予想できなかったみたいだけどな。
 まぁ、結果だけ見れば誰も死ななかったし、みんなレベル上がって万々歳ってところかな?




 脳内で本能とグダグダ話しながら寝転がっていると、近くの木から聞き覚えのない鳥の鳴き声が聞こえる。
 鳴き声はピーピー、ピッチュルルみたいな感じ、多分小さい無害な鳥だと思う。

 美味しい鳥だったら食べてみたいが、小さそうだし要らないかな...


 折角だから暇潰しに〈言語理解〉のスキルを意識して聞いてみようか。


「ピーピーッ、チュルルルルルー。(助けてー飼い主ー、迷子になっちゃったー。)」


 迷子のお知らせです。小鳥さん(年齢性別不詳)がただいま迷子センター俺の巣付近にいらっしゃいます。
 保護者飼い主の方は至急、迷子センター俺の巣付近まで来て頂けるよう、よろしくお願いします。


 ...とまぁふざけてみたが、飼われていたって事は近くの町に住んでいたんだろうか?
 ここから近い町と言えば、やっぱりドリミドール王国の城下町だよな...俺が姿を見せたらビビられるかもしれないし、声だけ出してアドバイスしてやるか。


「キー、キェクェ?キーキキキクェク(あー、聞こえるか?そこの迷子の小鳥よ。)」

「ピッ!ピエッピエン!(誰!どこ!何!)」

「クェアキキァキキキキュキャキゥキ...クククキクックケクキェア、キキキュケケキ、キュエァキキキキュキュクェアア?(俺はお前の近くにある豆腐建k...木の塊みたいな巣に住んでいるグリフォンだ、そんなことより、お前の飼い主はドリミドールに住んでいるのか?)」

「ピピュピ...ピッピチュルルル!ルルル!(グリフォン...あ、町!そう!ドド...なんとかミドーリ!)」

「クェアア、キキキキューククェクェ。キキキェアキーキキェーキキク、キキェキキクェクェキェアクェアアクキェ、キキキキクェケキキ(そうだな、ドリミドールだな。取り敢えず高く飛んで周りを見ろ、石造りの建物が沢山見える場所がある筈だから、そこに行くといい。)」

「ピピ?ピピピピー!(ほんと?ありがとー!)」


 小さい羽ばたきが遠退く。ドリミドール王国方向に行ってるみたいだし、これで安心だな。


 さて、俺はまた寝るとするか...ん?キィナから【モンスターテレパス】でお呼びだしか...どうしよっかな、眠いしなぁ...怠いなぁ...


「ピピピエェーン!!(キャー!!)」


 な、なんだ今のは?ガチの悲鳴だったぞ?...今も叫び声が森に響いてる、流石にこれを放置して次の日に死体でも見つかったら目覚めが悪い、さっさと様子を見に行くか。

 おっと、断る口実もできたことだし、キィナにリプしとくか。

 緊急事態だから行けねぇわ、行けたら行く。っと、これでよし。

 なんか呼び出しに応じるのは面倒臭くて、小鳥の様子を見にいったり、ちょいも助ける位なら面倒臭いと感じ無いのよね。
 これはあれだ、普段部屋の片付けしない癖に宿題しろとか言われたら部屋の片付けがしたくなる的なやつだ。たぶん。




 どうやら俺は、人助けならぬ鳥助けをする、らしい。




 かもしれない。

___________________
※因みに鳴き声は適当に書いてます、規則性はないので鳴き声の文字だけでは翻訳できません(^q^)
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