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#2 志弦side
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「依織、大丈夫?」
『.......うん、ちょっと熱っぽい。.......今日、休む』
部屋の奥から聞こえる依織の苦しそうな声に、俺は胸が締め付けられて、二進も三進もいかない気持ちになる。
ここんとこ、依織の調子が悪い。
体育祭も近いから、2人で髪を染めた矢先の出来事で。
こんなこと一緒に暮らし出して初めてのことだから、俺は本当、心配で心配でたまらないんだ。
........ひょっとして、ヒートなんじゃないだろうか?
だけど俺には勇気がなくて。
依織にヒートかどうかも聞けなくて、ヒートかもって、その現状を目の当たりにしてしまったら腰が引けてしまって。
俺は情けないくらい女々しくなってしまったんだ。
依織が部屋から出てこなくなっただけで、あれだけ賑やかで明るかった部屋が、急に殺風景で寂しい部屋に戻っちゃってさ。
居た堪れない、ってこんなこと言うんだな、ってぼんやり考えてたんだ。
「ただいま......!!」
依織のことが心配で、早めに学校から帰って。
玄関のドアを開けた瞬間、依織の香りが部屋いっぱいに広がっていた。
頭に血が上って、鼓動が速くなる。
........依織!!
いてもたってもいられなくて、俺はカバンを投げ捨てると靴を脱ぎ散らして、依織の部屋のドアをこじ開けたんだ。
「依織っ!!......大丈夫か......」
ヤバイな、この香り......ヒートだ。
本能的に、いや、俺の中のアルファの本能がそう確信させた。
ドアを開けた瞬間、いつもの何十倍って濃度の香りが俺を包み込むように襲ってきて..........意識が持っていかれそうになる。
「........志....弦.....」
ゆっくり瞳を開けて、俺を見た依織は苦しそうな呼吸の合間に俺の名前を呼んだ。
いつもキラキラしてる好奇心いっぱいの瞳は、熱を帯びたようにとろけて潤んでいて、紅潮した顔と荒い息遣いが、俺を誘ってるような錯覚に陥る。
さらに、染めたての金髪が、本当に眠りから覚めて微睡んでいるお姫様みたいで。
心をグラつかせる。
「依織、ヒート?」
俺は汗ばんだ依織の額をそっと撫でて言った。
その言葉に依織が小さく頷く。
「志弦、僕変なんだよ........。
体が熱くてたまらなくて........。恥ずかしいんだけど、中が溢れるくらい濡れてるんだ........。
クスリ飲んだんだけど、治んなくて」
「依織.......」
「目を閉じて我慢してたら、志弦の顔しか出てこなくて........。
どうしたら、いいんだろう。
僕.........おかしくなっちゃいそうだ........」
思わず俺は、依織の顔を覆っていた手首をとって、熱を帯びた赤い唇に深くキスをした。
鼻腔をくすぐるオメガの香り、その香りが強くなって、俺は依織の口の中を貪るように舌を絡めてしまう。
........ヤバイな。俺も、おかしくなっちゃいそうだ。
「.........んっ」
依織の乱れた声が耳を刺激して、誘い込まれるまま、俺は依織の中に指を入れた。
........グズグズって、こんな感じのこと言うんだ。
指を入れただけでも、依織は体を反らして俺の口をとおして乱れた声をあげる。
息が上がって、ようやく唇を解放すると、依織はより熱っぽい目で俺を見つめて名前を呼ぶ。
「志....弦........」
「どうしたの......依織」
「僕.......僕じゃない.......みたいだ」
突然、依織の熱っぽい目からハラハラ涙がこぼれ落ちる。
ヒートのせいでとろけた顔をしているのに、悲しそうな目をして依織が泣くから、俺は中に入れた指を思わず抜いてしまった。
その瞬間、グズグズに濡れた依織の中が、一気に外に溢れ出して、依織は体をビクつかせて「あぁ.....」と、小さく声を上げる。
「依織、大丈夫?」
「志弦と.......今日あったこと.......とか。
色々.....聞きたいのに...話したいのに........」
「依織」
「指が入って.......きた時から.......。
もう、スルことしか考えられ........なくなっちゃって」
「.......ごめん、依織」
依織は小さく首をふった。
「志弦は......悪くない」
「でも.......」
「僕、止まんない.......。
でも、志弦じゃなきゃ.....やだ。
.......お願い、志弦。.......僕とシて、お願い」
想像はしてたんだ、いつも。
かわいい顔で「志弦ぅ」っておねだりしてくれないかなぁ、って。
してたんだけど、想像のはるか上をいく「おねだり」をされて、俺の中の何かがプツッと切れた音がした。
多分、それは、理性だ。
「依織......俺、アルファ丸出しになりそ...,」
「いい......いいよ、志弦.......お願い、シて」
もう、勢いだった。
依織の服を脱がせると自分の服も脱ぎ捨てて、肌を重ねる。
俺だって男だし、今までそういうヤツを見たりして我慢できなくなったりしちゃってたけどさ。
今までとは比べものにならないくらい、興奮して、痛くて。
早くどうにかしたくて、依織の中に押し込んだ。
「やぁ.....あぁ」
生の嬌声ってのを聞いた俺は、さらに理性がふっとんで、依織の奥に深くいっぱいに突き上げる。
依織の腰が浮いて。
華奢な体をよじらせて。
いつも明るくて純粋に笑う依織が、とろけた顔して俺に感じて乱れた声を上げる。
オメガって、実は最強なんじゃないだろうか.....。
ヒートになると普段の人格を覆してしまうくらい、自らをトロトロに乱して香りを撒き散らす。
日頃優位に立っているアルファでさえ、その香りに抗うことができずに、オメガに引き寄せられて理性がぶっ飛んでしまうくらい、オメガを抱くことしか考えられない。
..........ヤバ、俺。
止まんない..........。
「ん..あ........志.....弦...」
そんな声で、俺の名前.......呼ばないで。
突き上げて、かき乱して。
依織の奥深くに当たって。
依織からさらに香りが強く発せられるから。
俺は依織の両肩に手をかけて、依織の動きを封じた。
そして、その綺麗な白いうなじに、俺は口を近づけたんだ。
「.....あぁっ!!」
俺の歯がそのうなじ食い込んで、依織の悲鳴に近い泣き声が俺の耳に突き刺さる。
.........番に、なっちゃった。
明るく、穏やかに、楽しく。
そんな感じで番になりたいなぁ、って思ってたのに。
俺が思い描いていた理想は、経験値が足りない甘ちゃんの理想でしかなくて。
結局は、オメガに理性をふっとばされて、アルファの本能のまま抱き潰して、うなじに噛み付いた。
それでも、止まらなくて。
依織が大事で、大好きで、たまらないのに。
依織を乱して、壊して、泣かしてしまう。
これで、よかったんだろうか?
こうなることを、俺はずっと、切実に望んでいたはずなのに。
「番にならない?」って軽く言ってしまった俺のせいで。
その一言で依織を縛ってしまったんじゃないか、って。
俺の心は後悔に苛まれているのに、体は依織を求めて止まなくて。
心と体がチグハグで、涙が、止まんない。
それでも、体は止まらなくて。
何回も、何回も。
依織のヒートに欲情して、その華奢な体を全て俺で満たして、独占するかのように。
お互いが力尽きるまで、肌を重ねたんだ。
『.......うん、ちょっと熱っぽい。.......今日、休む』
部屋の奥から聞こえる依織の苦しそうな声に、俺は胸が締め付けられて、二進も三進もいかない気持ちになる。
ここんとこ、依織の調子が悪い。
体育祭も近いから、2人で髪を染めた矢先の出来事で。
こんなこと一緒に暮らし出して初めてのことだから、俺は本当、心配で心配でたまらないんだ。
........ひょっとして、ヒートなんじゃないだろうか?
だけど俺には勇気がなくて。
依織にヒートかどうかも聞けなくて、ヒートかもって、その現状を目の当たりにしてしまったら腰が引けてしまって。
俺は情けないくらい女々しくなってしまったんだ。
依織が部屋から出てこなくなっただけで、あれだけ賑やかで明るかった部屋が、急に殺風景で寂しい部屋に戻っちゃってさ。
居た堪れない、ってこんなこと言うんだな、ってぼんやり考えてたんだ。
「ただいま......!!」
依織のことが心配で、早めに学校から帰って。
玄関のドアを開けた瞬間、依織の香りが部屋いっぱいに広がっていた。
頭に血が上って、鼓動が速くなる。
........依織!!
いてもたってもいられなくて、俺はカバンを投げ捨てると靴を脱ぎ散らして、依織の部屋のドアをこじ開けたんだ。
「依織っ!!......大丈夫か......」
ヤバイな、この香り......ヒートだ。
本能的に、いや、俺の中のアルファの本能がそう確信させた。
ドアを開けた瞬間、いつもの何十倍って濃度の香りが俺を包み込むように襲ってきて..........意識が持っていかれそうになる。
「........志....弦.....」
ゆっくり瞳を開けて、俺を見た依織は苦しそうな呼吸の合間に俺の名前を呼んだ。
いつもキラキラしてる好奇心いっぱいの瞳は、熱を帯びたようにとろけて潤んでいて、紅潮した顔と荒い息遣いが、俺を誘ってるような錯覚に陥る。
さらに、染めたての金髪が、本当に眠りから覚めて微睡んでいるお姫様みたいで。
心をグラつかせる。
「依織、ヒート?」
俺は汗ばんだ依織の額をそっと撫でて言った。
その言葉に依織が小さく頷く。
「志弦、僕変なんだよ........。
体が熱くてたまらなくて........。恥ずかしいんだけど、中が溢れるくらい濡れてるんだ........。
クスリ飲んだんだけど、治んなくて」
「依織.......」
「目を閉じて我慢してたら、志弦の顔しか出てこなくて........。
どうしたら、いいんだろう。
僕.........おかしくなっちゃいそうだ........」
思わず俺は、依織の顔を覆っていた手首をとって、熱を帯びた赤い唇に深くキスをした。
鼻腔をくすぐるオメガの香り、その香りが強くなって、俺は依織の口の中を貪るように舌を絡めてしまう。
........ヤバイな。俺も、おかしくなっちゃいそうだ。
「.........んっ」
依織の乱れた声が耳を刺激して、誘い込まれるまま、俺は依織の中に指を入れた。
........グズグズって、こんな感じのこと言うんだ。
指を入れただけでも、依織は体を反らして俺の口をとおして乱れた声をあげる。
息が上がって、ようやく唇を解放すると、依織はより熱っぽい目で俺を見つめて名前を呼ぶ。
「志....弦........」
「どうしたの......依織」
「僕.......僕じゃない.......みたいだ」
突然、依織の熱っぽい目からハラハラ涙がこぼれ落ちる。
ヒートのせいでとろけた顔をしているのに、悲しそうな目をして依織が泣くから、俺は中に入れた指を思わず抜いてしまった。
その瞬間、グズグズに濡れた依織の中が、一気に外に溢れ出して、依織は体をビクつかせて「あぁ.....」と、小さく声を上げる。
「依織、大丈夫?」
「志弦と.......今日あったこと.......とか。
色々.....聞きたいのに...話したいのに........」
「依織」
「指が入って.......きた時から.......。
もう、スルことしか考えられ........なくなっちゃって」
「.......ごめん、依織」
依織は小さく首をふった。
「志弦は......悪くない」
「でも.......」
「僕、止まんない.......。
でも、志弦じゃなきゃ.....やだ。
.......お願い、志弦。.......僕とシて、お願い」
想像はしてたんだ、いつも。
かわいい顔で「志弦ぅ」っておねだりしてくれないかなぁ、って。
してたんだけど、想像のはるか上をいく「おねだり」をされて、俺の中の何かがプツッと切れた音がした。
多分、それは、理性だ。
「依織......俺、アルファ丸出しになりそ...,」
「いい......いいよ、志弦.......お願い、シて」
もう、勢いだった。
依織の服を脱がせると自分の服も脱ぎ捨てて、肌を重ねる。
俺だって男だし、今までそういうヤツを見たりして我慢できなくなったりしちゃってたけどさ。
今までとは比べものにならないくらい、興奮して、痛くて。
早くどうにかしたくて、依織の中に押し込んだ。
「やぁ.....あぁ」
生の嬌声ってのを聞いた俺は、さらに理性がふっとんで、依織の奥に深くいっぱいに突き上げる。
依織の腰が浮いて。
華奢な体をよじらせて。
いつも明るくて純粋に笑う依織が、とろけた顔して俺に感じて乱れた声を上げる。
オメガって、実は最強なんじゃないだろうか.....。
ヒートになると普段の人格を覆してしまうくらい、自らをトロトロに乱して香りを撒き散らす。
日頃優位に立っているアルファでさえ、その香りに抗うことができずに、オメガに引き寄せられて理性がぶっ飛んでしまうくらい、オメガを抱くことしか考えられない。
..........ヤバ、俺。
止まんない..........。
「ん..あ........志.....弦...」
そんな声で、俺の名前.......呼ばないで。
突き上げて、かき乱して。
依織の奥深くに当たって。
依織からさらに香りが強く発せられるから。
俺は依織の両肩に手をかけて、依織の動きを封じた。
そして、その綺麗な白いうなじに、俺は口を近づけたんだ。
「.....あぁっ!!」
俺の歯がそのうなじ食い込んで、依織の悲鳴に近い泣き声が俺の耳に突き刺さる。
.........番に、なっちゃった。
明るく、穏やかに、楽しく。
そんな感じで番になりたいなぁ、って思ってたのに。
俺が思い描いていた理想は、経験値が足りない甘ちゃんの理想でしかなくて。
結局は、オメガに理性をふっとばされて、アルファの本能のまま抱き潰して、うなじに噛み付いた。
それでも、止まらなくて。
依織が大事で、大好きで、たまらないのに。
依織を乱して、壊して、泣かしてしまう。
これで、よかったんだろうか?
こうなることを、俺はずっと、切実に望んでいたはずなのに。
「番にならない?」って軽く言ってしまった俺のせいで。
その一言で依織を縛ってしまったんじゃないか、って。
俺の心は後悔に苛まれているのに、体は依織を求めて止まなくて。
心と体がチグハグで、涙が、止まんない。
それでも、体は止まらなくて。
何回も、何回も。
依織のヒートに欲情して、その華奢な体を全て俺で満たして、独占するかのように。
お互いが力尽きるまで、肌を重ねたんだ。
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