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第三章 学園生活
第7話 学園生活(高等部 6)
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桃花は結局2年・3年生の2年間、Dクラスのままだった。
父から優秀だと言われていた利樹さんを家庭教師に付けていた時もあったようだが、桃花に甘い利樹さんでは一向に成績が上がらないからと、父は大学部から家庭教師を募った。
ところが桃花は、真面目で地味な先生が来ると「教え方が下手過ぎる!」「暗くて無理!」と父に言って直ぐにクビにし、イケメンの先生が来ると媚を売ってベタベタ触りまる始末。また部屋に行っても話ばかりでちっとも勉強をしないから、殆どの先生が数回の授業でギブアップ。
「申し訳ございません。僕にはお嬢さんの家庭教師は無理です。」
と言われる始末だ。
父に咎められても桃花は、
「桃花、悪くないもん。」
はぁ……アナタ本当に高校生ですか?親の顔が見てみたいものです。って、その私の目の前にいる彼女の親さえお手上げ状態なんですけどね。お父様?桃花の育て方間違ってましたね。今更手遅れではないでしょうか?
でも……私には関係の無いこと。
何せ父にとって、私は存在しない人間の様だから。
というのは、先日駿斗に見せてもらった有名な経済雑誌の記事に、父のインタビュー記事が載っていた。
『私には自慢の妻と一人娘がいます。彼女たちは、私がどんなに辛い時でも励まし支えてくれるのです。妻であり秘書でもある皐月は、世界が厳しい経済状況であっても先を見通し適切な助言をしてくれ、とても心強い存在でもあります。また、一人娘の桃花は、明るく元気で、素直な良い娘です。皐月に似て頭もよく……(以下省略)』
コレ、お爺様に見せたら血圧上がって倒れちゃうんじゃないかしら?って、もうきっとご覧になってるわよね。
「りりの親父さんって…なんて言うか……。ぶっちゃけ、馬鹿なのか?」
頭を抱えながらそう呟いた駿斗に、私と菜々子が大笑いしたのは、私達以外に誰も居ないAクラスの生徒しか入る事が出来ない校内のサロンでの出来事だった。
あれは面白かったよね。
面白かったと言えば2年の時の学園祭の時だ。
私が通う学園には、学園祭・体育祭・3年は修学旅行 1年2年は雪山スキー合宿と、そこそこイベント的なものがあるのだが、全てクラス別 クラス対抗で行われる。
だが、そんな事はお構い無しの無敵の桃花は、自分のクラスそっちのけで、終始 駿斗のところに来ては
「駿斗く~ん。」
と追いかけ回していた。
流石に学祭の時はクラスでの仕事もあんじゃない?と思っていたが、
「桃花は可愛いから~、チラシ配り担当なんだ~。駿斗くんも、Dクラスのコス喫茶来てね~。」
と言いながらも、ちっともチラシを配りに行かず、Aクラスの『プログラミング教室』に入り浸っていた。多分アレは、クラスメイトから体良く追い出されたんだと思うのよね。
そんな桃花を駿斗はガン無視してるのに、桃花は少しもめげる事は無い。
しかも駿斗が初等部中等部の子達を対象にしたプログラミング教室の先生を担当する時間になると、最前列で中央のパソコンの前に堂々と座り、
「駿斗先生~。桃花~、分かんないから教えて下さ~い。」
と言っていた。
これには流石に担任の畠山先生が腹を立て、
「高等部の白金桃花さんは、即刻ここから退室しなさい!」
と言って教室から追い出してしまった。
それを見て呆気にとられた子供達の口は、暫開いたまだったな。
ゴメンね?皆。私の父の自慢の一人娘がやらかして。空気扱いの義姉の私が責任取って、あなた達にプログラミングを優しく教えるから許してね。
学祭が終わった後のクラス全員参加の打ち上げで、
「白金。お前も大変だな。」
と私の左横に座った畠山先生から言われて吹きそうになった。
すると右隣にいた菜々子とその右隣にいた駿斗は口を揃え
「「あんなの百合香の妹じゃない!」」
と言ったので、今度は本当にグレープフルーツジュースを吹き出してしまい、菜々子には呆れられ、駿斗は甲斐甲斐しく濡れた私の制服を拭いてくれた。
その後どうやら桃花は、畠山先生からAクラスへの出禁を貰ったらしい。
お疲れ、桃花
父から優秀だと言われていた利樹さんを家庭教師に付けていた時もあったようだが、桃花に甘い利樹さんでは一向に成績が上がらないからと、父は大学部から家庭教師を募った。
ところが桃花は、真面目で地味な先生が来ると「教え方が下手過ぎる!」「暗くて無理!」と父に言って直ぐにクビにし、イケメンの先生が来ると媚を売ってベタベタ触りまる始末。また部屋に行っても話ばかりでちっとも勉強をしないから、殆どの先生が数回の授業でギブアップ。
「申し訳ございません。僕にはお嬢さんの家庭教師は無理です。」
と言われる始末だ。
父に咎められても桃花は、
「桃花、悪くないもん。」
はぁ……アナタ本当に高校生ですか?親の顔が見てみたいものです。って、その私の目の前にいる彼女の親さえお手上げ状態なんですけどね。お父様?桃花の育て方間違ってましたね。今更手遅れではないでしょうか?
でも……私には関係の無いこと。
何せ父にとって、私は存在しない人間の様だから。
というのは、先日駿斗に見せてもらった有名な経済雑誌の記事に、父のインタビュー記事が載っていた。
『私には自慢の妻と一人娘がいます。彼女たちは、私がどんなに辛い時でも励まし支えてくれるのです。妻であり秘書でもある皐月は、世界が厳しい経済状況であっても先を見通し適切な助言をしてくれ、とても心強い存在でもあります。また、一人娘の桃花は、明るく元気で、素直な良い娘です。皐月に似て頭もよく……(以下省略)』
コレ、お爺様に見せたら血圧上がって倒れちゃうんじゃないかしら?って、もうきっとご覧になってるわよね。
「りりの親父さんって…なんて言うか……。ぶっちゃけ、馬鹿なのか?」
頭を抱えながらそう呟いた駿斗に、私と菜々子が大笑いしたのは、私達以外に誰も居ないAクラスの生徒しか入る事が出来ない校内のサロンでの出来事だった。
あれは面白かったよね。
面白かったと言えば2年の時の学園祭の時だ。
私が通う学園には、学園祭・体育祭・3年は修学旅行 1年2年は雪山スキー合宿と、そこそこイベント的なものがあるのだが、全てクラス別 クラス対抗で行われる。
だが、そんな事はお構い無しの無敵の桃花は、自分のクラスそっちのけで、終始 駿斗のところに来ては
「駿斗く~ん。」
と追いかけ回していた。
流石に学祭の時はクラスでの仕事もあんじゃない?と思っていたが、
「桃花は可愛いから~、チラシ配り担当なんだ~。駿斗くんも、Dクラスのコス喫茶来てね~。」
と言いながらも、ちっともチラシを配りに行かず、Aクラスの『プログラミング教室』に入り浸っていた。多分アレは、クラスメイトから体良く追い出されたんだと思うのよね。
そんな桃花を駿斗はガン無視してるのに、桃花は少しもめげる事は無い。
しかも駿斗が初等部中等部の子達を対象にしたプログラミング教室の先生を担当する時間になると、最前列で中央のパソコンの前に堂々と座り、
「駿斗先生~。桃花~、分かんないから教えて下さ~い。」
と言っていた。
これには流石に担任の畠山先生が腹を立て、
「高等部の白金桃花さんは、即刻ここから退室しなさい!」
と言って教室から追い出してしまった。
それを見て呆気にとられた子供達の口は、暫開いたまだったな。
ゴメンね?皆。私の父の自慢の一人娘がやらかして。空気扱いの義姉の私が責任取って、あなた達にプログラミングを優しく教えるから許してね。
学祭が終わった後のクラス全員参加の打ち上げで、
「白金。お前も大変だな。」
と私の左横に座った畠山先生から言われて吹きそうになった。
すると右隣にいた菜々子とその右隣にいた駿斗は口を揃え
「「あんなの百合香の妹じゃない!」」
と言ったので、今度は本当にグレープフルーツジュースを吹き出してしまい、菜々子には呆れられ、駿斗は甲斐甲斐しく濡れた私の制服を拭いてくれた。
その後どうやら桃花は、畠山先生からAクラスへの出禁を貰ったらしい。
お疲れ、桃花
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