貴方の駒になど真っ平御免です

Saeko

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第四章 決別

第6話 愚か者の窮地(本音と建前)

拍手の中、俺達はステージに上がった。

「では、sirogane.co社長白金貴生様、ご挨拶をお願い致します。」

「本日は、お忙しい中、ご出席頂き誠にありがとうございます。我がsirogane.coも早いもので24年が経ちました。これも一重に、私を支えてくれる最愛の妻と一人娘、それから社員や、我社と取り引きをして下さっている企業様のおかげだと心より感謝致しております。」

挨拶をしながらも、諦めきれない俺は、会場内に目を走らせアイツの姿を探した。

(クソッ!ライトとフラッシュが眩しすぎて探せないじゃないか!)

それでも俺は目を凝らして探し続けた。


「そして本日、我がsirogane.coの新しい人事を発表致します。」

カメラが一斉に此方を向き、フラッシュが激しく点滅する中、人事を発表していく。

「妻の皐月と二人三脚で始めたsiroganeも、従業員が増えた事で私の手が回らなくなってしまう事を懸念した私は、皐月と相談し、新ポストを設置する事に致しました。新ポストは、副社長と専務です。そして、その副社長に娘の桃花が就任致します。桃花は昨日大学を卒業したばかりの若輩者ではございますが、我社の厳しい入社試験に見事合格をした優秀な人材でもあります。きっと私の右腕となり、我社を盛り立てて行ってくれると思います。」

桃花はにこにこしながら、

「桃花、頑張ります。宜しくお願い致します。」

と愛想を振りまいている。本当は試験なんて全く受けてもいないがな。

「また桃花には、既に婚約者がおります。京極利樹君、此方に来たまえ。」

「はい!」

利樹君が桃花の隣に当然の様に並び頭を下げた。

「利樹君は、昨年4月に我社に入社したばかりの新入社員ですが、とても優秀な成績をおさめてくれています(って、たかが1年で何も出来てないが……。まぁいい。コイツも百合香と同じ金蔓みたいなもんだ。せいぜいコイツの実家のKGとパイプを繋ぐ役目を果たしてくれたら、それでいい)。」

「若輩者でございますが、桃花さんと共に、我社の為に粉骨砕身して働く所存です。どうぞ宜しくお願い致します。」

「そして……本日体調不良の為この会場にはこられませんでしたが、専務秘書として長女の百合香が着任致します。(って、ん?なんだ?この会場のざわめきは…。若手3人の斬新すぎる人事に驚いたか?)以上で人事発表を終わらせて頂きます。」

「ありがとうございました。では、引き続き質疑応答に入らせて頂きます。sirogane.coの方々は、席にお着き下さい。マスコミの方々は、質問の際は挙手をして頂き、質問の前には社名と個人名を名乗ってからご質問下さい。それでは、宜しくお願い致します。」

さぁ!どんな質問だろうが受けて立つ。

俺は心の中で己を鼓舞して、記者会見に臨んだ。

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