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第四章 決別
第7話 愚か者の窮地(疑惑)
ったく、もっとまともな質問は無いのか?桃花と利樹の結婚はいつか?どんな出会いだったか?とか。今日は桃花の結婚会見じゃないだろ?
いくら有名な雑誌やテレビ番組からの記者だったとしても、こんな幼稚な質問じゃ雑誌なんて売れないだろうし、視聴率だって上がらないだろうな。
だんだんつまらなくなってきていたら、
「月刊エコジャーナルの和喜多です。白金社長に質問です。」
「(お?俺か?よしよし。どんな質問だ?ん?俺を唸らせてくれよ?和喜多さんよ。)はい。どうぞ。」
「以前私共の取材で、『可愛い一人娘の桃花』と仰ってました。また、本日も司会者の方が同じ様に桃花氏の事を、『一人娘』と紹介されていらっしゃいましたね。」
「はい、そうですが……何か?(なんだなんだ?コイツもだめなのか。)」
「ですが。先程専務になられる京極利樹
氏の秘書に長女の百合香が付きますと仰いましたが…社長のお嬢様は、壇上の桃花氏だけでは無いのですか?」
「え?」
し、しまった!確かに俺はアイツの事を長女と言った。
「御社のホームページにも、ご丁寧に社長の家族構成を載せておられますが、そこにも先程の百合香氏は出てきていない。では、百合香氏とは一体何方なのでしょう?白金社長、お答え頂けますか?」
ホームページと言われ、各社の記者達が一斉に会社のホームページを開いているようだ。
確かにそこに、アイツの名前は出てない。
そして俺は、桃花を一人娘と公言している。
「そう言えば、白金社長は随分前に櫻井記念病院のご令嬢と御結婚なさっていらっしゃいましたね?」
「えぇ……」
「確か……死別なさったと記憶しておりますが?」
「えぇ。妻は亡くなりました。その悲しみから救ってくれたのが今の妻の皐月です。」
「では、桃花氏は奥様の連れ子ということでしょうか?桃花氏とは血が繋がっていらっしゃらない?」
「パパと私は正真正銘の親子です!変な事聞かないで下さい!!」
桃花…いらん事言うんじゃない!
俺がどうこの場を乗り切ろうか?と考えていると、
「パパとママは愛し合ってます。それは桃花が生まれた時よりずっと前からです。」
「そうなんですか。桃花さんありがとうございます。」
「はい。分かってくれたならいいです。」
いい事言ったでしょ?パパ?と言わんばかりに俺の方を向いて笑顔を見せる桃花に、俺は引きつった笑いしか返せない。
事態は益々悪化の一途を辿っている。
「桃花さんのお話が本当だとすると、社長は本妻がいらっしゃるにも関わらず、皐月氏と関係を続け、お子様をもうけた。」
「…………(まずい。まずい、まずいまずい!)」
額にも背中にも嫌な汗が流れ落ちていく。
「では、社長。亡くなられた前奥様との間には、お子様はいらっしゃらなかったのでしょうか?」
「パパの前の奥さんには、百合香お義姉様がいます。お義姉様と桃花は同じ年なんですよ。」
空気を全く読まない桃花が、記者が仕込んだ地雷をまた踏んでしまう。
(桃花を黙らせろ!皐月!!)
俺は皐月に目配せしてみたが、皐月は俯いてしまっていてどうにもならない。
利樹君にいたっては、何処吹く風だろう。此方を向く気は一切無いようだ。
「百合香お義姉様ですか。しかも同じ年とは驚きましたよ、社長。」
「……」
「社長?白金社長?大丈夫ですか?」
「はい…。」
「そうですか。では、質問を続け……ちょっと失礼致します。……はい、はい……はい?それは本当ですか?」
ん?なんだ?
今のうちにと、俺はグラスの中の水を一気にのみほした
いくら有名な雑誌やテレビ番組からの記者だったとしても、こんな幼稚な質問じゃ雑誌なんて売れないだろうし、視聴率だって上がらないだろうな。
だんだんつまらなくなってきていたら、
「月刊エコジャーナルの和喜多です。白金社長に質問です。」
「(お?俺か?よしよし。どんな質問だ?ん?俺を唸らせてくれよ?和喜多さんよ。)はい。どうぞ。」
「以前私共の取材で、『可愛い一人娘の桃花』と仰ってました。また、本日も司会者の方が同じ様に桃花氏の事を、『一人娘』と紹介されていらっしゃいましたね。」
「はい、そうですが……何か?(なんだなんだ?コイツもだめなのか。)」
「ですが。先程専務になられる京極利樹
氏の秘書に長女の百合香が付きますと仰いましたが…社長のお嬢様は、壇上の桃花氏だけでは無いのですか?」
「え?」
し、しまった!確かに俺はアイツの事を長女と言った。
「御社のホームページにも、ご丁寧に社長の家族構成を載せておられますが、そこにも先程の百合香氏は出てきていない。では、百合香氏とは一体何方なのでしょう?白金社長、お答え頂けますか?」
ホームページと言われ、各社の記者達が一斉に会社のホームページを開いているようだ。
確かにそこに、アイツの名前は出てない。
そして俺は、桃花を一人娘と公言している。
「そう言えば、白金社長は随分前に櫻井記念病院のご令嬢と御結婚なさっていらっしゃいましたね?」
「えぇ……」
「確か……死別なさったと記憶しておりますが?」
「えぇ。妻は亡くなりました。その悲しみから救ってくれたのが今の妻の皐月です。」
「では、桃花氏は奥様の連れ子ということでしょうか?桃花氏とは血が繋がっていらっしゃらない?」
「パパと私は正真正銘の親子です!変な事聞かないで下さい!!」
桃花…いらん事言うんじゃない!
俺がどうこの場を乗り切ろうか?と考えていると、
「パパとママは愛し合ってます。それは桃花が生まれた時よりずっと前からです。」
「そうなんですか。桃花さんありがとうございます。」
「はい。分かってくれたならいいです。」
いい事言ったでしょ?パパ?と言わんばかりに俺の方を向いて笑顔を見せる桃花に、俺は引きつった笑いしか返せない。
事態は益々悪化の一途を辿っている。
「桃花さんのお話が本当だとすると、社長は本妻がいらっしゃるにも関わらず、皐月氏と関係を続け、お子様をもうけた。」
「…………(まずい。まずい、まずいまずい!)」
額にも背中にも嫌な汗が流れ落ちていく。
「では、社長。亡くなられた前奥様との間には、お子様はいらっしゃらなかったのでしょうか?」
「パパの前の奥さんには、百合香お義姉様がいます。お義姉様と桃花は同じ年なんですよ。」
空気を全く読まない桃花が、記者が仕込んだ地雷をまた踏んでしまう。
(桃花を黙らせろ!皐月!!)
俺は皐月に目配せしてみたが、皐月は俯いてしまっていてどうにもならない。
利樹君にいたっては、何処吹く風だろう。此方を向く気は一切無いようだ。
「百合香お義姉様ですか。しかも同じ年とは驚きましたよ、社長。」
「……」
「社長?白金社長?大丈夫ですか?」
「はい…。」
「そうですか。では、質問を続け……ちょっと失礼致します。……はい、はい……はい?それは本当ですか?」
ん?なんだ?
今のうちにと、俺はグラスの中の水を一気にのみほした
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