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第七章 襲撃
第1話 本来の自分
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駿斗が渡米して丸二年経った3月下旬の明日
駿斗が一年間のロースクールでの勉強と試験を終え資格を取得して、日本に帰ってくる事になった。
ロースクール時代にお世話になった方の事務所で半年間のお手伝いをした事で、語学にも自信が付いたとメールやSky〇eで言ってた駿斗。
画面を通してでしか見ることが出来なかった駿斗に漸く触れられると思うと、どうしてもそわそわしてしまうのが止められない。
明日、駿斗が成田国際空港に到着する時刻は14時。
ここから成田国際空港までだと車で約1時間半かかるから……と明日の行動を考えながら時間を逆算してみるその行為さえ、今の私にとっては至福の時間でもある。
どんな服を着ていこうかな…とクローゼットを開きワードローブと睨めっこ。
変装していた時より、格段に増えた洋服や小物達。
あの頃履かなかったスキニーもあれば、着ることが無かったショルダーカットトップスもある。
また、本来の髪色や瞳の色に合わせた色目のワンピースも増えた。
髪色と言えば……本来の髪色である金髪で生活を始めてから、利点を見つけられた。
それは、街を歩いていると、見た目からやたらとナンパされるのだが、日本語が分からないフリをすると、大抵の男性が諦めてくれる。
それでも必死で口説こうとしてくる輩には、お祖母様から習った早口フランス語を話すと効果的面だった。
外国人が多く住み、また外国人観光客も多いこの街は、英語を話せる日本人も多い。が、英語以外の言語となると、話すのが難しい日本人の方が多い。
この街に住み始めて約一年が経ったが、フランス語を話せる日本人にお目にかかった事は一度もないから、私は安心して生活出来る。
勿論、お爺様と柊お父様のお陰で、羽田さん達の護衛もついてくださっているから、余計に安心しているんだけどね。
そんな事を考えている間に明日の支度が出来た私は、きっと和食の味付けに飢えて帰ってくるであろう駿斗の為に、この一年で色々覚えた料理で、駿斗の帰国をお祝いしてあげようと考えた。
私は駿斗が喜んでくれるメニューを考えつつ、お財布やらスマホやらを入れたバッグとエコバッグを持ち玄関を出た時、引越し業者さんがお隣の部屋へ荷物を搬入する作業中だった様で、「お騒がせしております。」と挨拶された。
このマンションは防音がしっかりしている為、お隣の物音が全く聞こえなかったから気が付かなかった。
私はぺこりと会釈をすると、鍵をかけ部屋をあとにした。
その後駿斗のお母様が私と入れ替わりでエレベーターに乗り、とある部屋へ向かった事を、この日の私は全く知らなかったのだ。
駿斗が一年間のロースクールでの勉強と試験を終え資格を取得して、日本に帰ってくる事になった。
ロースクール時代にお世話になった方の事務所で半年間のお手伝いをした事で、語学にも自信が付いたとメールやSky〇eで言ってた駿斗。
画面を通してでしか見ることが出来なかった駿斗に漸く触れられると思うと、どうしてもそわそわしてしまうのが止められない。
明日、駿斗が成田国際空港に到着する時刻は14時。
ここから成田国際空港までだと車で約1時間半かかるから……と明日の行動を考えながら時間を逆算してみるその行為さえ、今の私にとっては至福の時間でもある。
どんな服を着ていこうかな…とクローゼットを開きワードローブと睨めっこ。
変装していた時より、格段に増えた洋服や小物達。
あの頃履かなかったスキニーもあれば、着ることが無かったショルダーカットトップスもある。
また、本来の髪色や瞳の色に合わせた色目のワンピースも増えた。
髪色と言えば……本来の髪色である金髪で生活を始めてから、利点を見つけられた。
それは、街を歩いていると、見た目からやたらとナンパされるのだが、日本語が分からないフリをすると、大抵の男性が諦めてくれる。
それでも必死で口説こうとしてくる輩には、お祖母様から習った早口フランス語を話すと効果的面だった。
外国人が多く住み、また外国人観光客も多いこの街は、英語を話せる日本人も多い。が、英語以外の言語となると、話すのが難しい日本人の方が多い。
この街に住み始めて約一年が経ったが、フランス語を話せる日本人にお目にかかった事は一度もないから、私は安心して生活出来る。
勿論、お爺様と柊お父様のお陰で、羽田さん達の護衛もついてくださっているから、余計に安心しているんだけどね。
そんな事を考えている間に明日の支度が出来た私は、きっと和食の味付けに飢えて帰ってくるであろう駿斗の為に、この一年で色々覚えた料理で、駿斗の帰国をお祝いしてあげようと考えた。
私は駿斗が喜んでくれるメニューを考えつつ、お財布やらスマホやらを入れたバッグとエコバッグを持ち玄関を出た時、引越し業者さんがお隣の部屋へ荷物を搬入する作業中だった様で、「お騒がせしております。」と挨拶された。
このマンションは防音がしっかりしている為、お隣の物音が全く聞こえなかったから気が付かなかった。
私はぺこりと会釈をすると、鍵をかけ部屋をあとにした。
その後駿斗のお母様が私と入れ替わりでエレベーターに乗り、とある部屋へ向かった事を、この日の私は全く知らなかったのだ。
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