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第七章 襲撃
第20話 断罪2
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「それに、何より一番許せないのは、私の親友である濱田菜々子を誘拐した事です。何故ですか?私を誘き寄せる為だけに彼女を誘拐なんて……。なんて卑劣なやり方なのですか!彼女に何か恨みでもおありなのでしょうか?彼女が貴方方に何かしましたか?どんな被害を被ったというのでしょうか?」
言い募る私に桃花が叫んだ。
「被害はあったわ!」
「桃花!お前は黙ってろ!」
「いいえパパ。私はちゃんとやったんだから、言ってもいい事なの。」
そう言って元父を黙らせる桃花。
桃花の両親は、暴走豚を制御出来なくなっているんだろうか。
ちゃんとやったって何をちゃんとやったというの?
疑問に思う私の前で、桃花は更に言葉を重ねる。
「私はちゃんと銀行へ行ってお願いしたの。でも、濱田はお金をくれなかったの!!本当だったら、あっちがウチへ来るべきでしょ?だって、siroganeから美味しい仕事を貰えるんだもん。当然よね?」
美味しい話って……。そっちはお金を借りる立場じゃない。
意味分かってないの?
「でも桃花は優しいから、態々向こうへ行って、ちゃんと頼んだのに!なのにお金くれないとか酷いと思わない?」
くれないって……貸してくれないの間違いよね?
私の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされてしまいそうになっている。
「では、副社長である貴女は、会社の代表としてさくら濱銀行へ行ったのですよね?」
駿斗が桃花に確かめる様に問うと、
「勿論よ~。そんなのあったり前じゃない!駿斗くんてば、何言っちゃってんのよもぉ~。桃花はsirogane.coの副社長なんだからね。お義姉様と違って優秀なんだから。」
と意味の分からない理屈で私を貶める言葉を言い胸を張る桃花に、元父は頭を抱えている。
「では、副社長にお聞きします。銀行からお金を借りる為には、当然必要な書類がありますよね?何という名前の物かお分かりですか?」
「勿論知ってるわよ?バカにしないでよ~。えと…ほら…アレよアレ。ママ?えとほら…「事業計画書」そ!そうそう、それよ、それ~。」
皐月の助けを貰い、意気揚々と答える桃花。
「流星さんに言われて~、桃花、一生懸命作ったのよ~。でもぉ~なんか馬鹿らしくなっちゃって~……。」
「百合香が現れればそのような書類等作成しなくても、櫻井氏からまた金銭援助を貰えるとでも?」
敢えてにこやかな表情で聞く駿斗に、
「そそ。そのとぉ~りよ。やっぱり駿斗くんは頭良いよね~。お義姉様が戻ってきさえすれば、またお爺様はお金をくれるでしょ?ね?ママ。」
「何を言っているの?私はもう白金百合香ではないわ。白金の家とは絶縁したの。そんな私が白金の家に戻るわけがないでしょ。それに、櫻井のお爺様は私のお爺様であって、貴女のお爺様なんかじゃないわ。」
「え?何言ってんの?お義姉様のお爺様なんでしょ?だったら、桃花のお爺様になるじゃない。」
「はぁ?どうしてそうなるわけ?貴女と私は、父親が同じなだけでしょ?なのになんで私のお爺様が貴女のお爺様に?」
「え?だって、パパのお爺様…「違うわ!お爺様は、私の母方の親族よ!」え?本当?」
「あぁ…」
桃花に聞かれて違うと認める元父の言葉に、桃花は吃驚したようだ。
「苗字が違うのに、櫻井のお爺様が白金社長と親族であるわけないだろう。」
と駿斗に諭される様に言われた桃花は、
「なんか訳ありで、パパがお爺様の家から追い出されちゃって~。で、苗字が違くなった…とか?お爺様に意地悪されて~勘当されちゃったみたいな?」
と本気で思っていたらしい。
そんな事あるわけないじゃない。
「なんでそう思ったのか知らないけど、考え方を改めて貰えるかしら?貴女と私のお爺様との血の繋がりは1mLもないから。」……」
言い募る私に桃花が叫んだ。
「被害はあったわ!」
「桃花!お前は黙ってろ!」
「いいえパパ。私はちゃんとやったんだから、言ってもいい事なの。」
そう言って元父を黙らせる桃花。
桃花の両親は、暴走豚を制御出来なくなっているんだろうか。
ちゃんとやったって何をちゃんとやったというの?
疑問に思う私の前で、桃花は更に言葉を重ねる。
「私はちゃんと銀行へ行ってお願いしたの。でも、濱田はお金をくれなかったの!!本当だったら、あっちがウチへ来るべきでしょ?だって、siroganeから美味しい仕事を貰えるんだもん。当然よね?」
美味しい話って……。そっちはお金を借りる立場じゃない。
意味分かってないの?
「でも桃花は優しいから、態々向こうへ行って、ちゃんと頼んだのに!なのにお金くれないとか酷いと思わない?」
くれないって……貸してくれないの間違いよね?
私の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされてしまいそうになっている。
「では、副社長である貴女は、会社の代表としてさくら濱銀行へ行ったのですよね?」
駿斗が桃花に確かめる様に問うと、
「勿論よ~。そんなのあったり前じゃない!駿斗くんてば、何言っちゃってんのよもぉ~。桃花はsirogane.coの副社長なんだからね。お義姉様と違って優秀なんだから。」
と意味の分からない理屈で私を貶める言葉を言い胸を張る桃花に、元父は頭を抱えている。
「では、副社長にお聞きします。銀行からお金を借りる為には、当然必要な書類がありますよね?何という名前の物かお分かりですか?」
「勿論知ってるわよ?バカにしないでよ~。えと…ほら…アレよアレ。ママ?えとほら…「事業計画書」そ!そうそう、それよ、それ~。」
皐月の助けを貰い、意気揚々と答える桃花。
「流星さんに言われて~、桃花、一生懸命作ったのよ~。でもぉ~なんか馬鹿らしくなっちゃって~……。」
「百合香が現れればそのような書類等作成しなくても、櫻井氏からまた金銭援助を貰えるとでも?」
敢えてにこやかな表情で聞く駿斗に、
「そそ。そのとぉ~りよ。やっぱり駿斗くんは頭良いよね~。お義姉様が戻ってきさえすれば、またお爺様はお金をくれるでしょ?ね?ママ。」
「何を言っているの?私はもう白金百合香ではないわ。白金の家とは絶縁したの。そんな私が白金の家に戻るわけがないでしょ。それに、櫻井のお爺様は私のお爺様であって、貴女のお爺様なんかじゃないわ。」
「え?何言ってんの?お義姉様のお爺様なんでしょ?だったら、桃花のお爺様になるじゃない。」
「はぁ?どうしてそうなるわけ?貴女と私は、父親が同じなだけでしょ?なのになんで私のお爺様が貴女のお爺様に?」
「え?だって、パパのお爺様…「違うわ!お爺様は、私の母方の親族よ!」え?本当?」
「あぁ…」
桃花に聞かれて違うと認める元父の言葉に、桃花は吃驚したようだ。
「苗字が違うのに、櫻井のお爺様が白金社長と親族であるわけないだろう。」
と駿斗に諭される様に言われた桃花は、
「なんか訳ありで、パパがお爺様の家から追い出されちゃって~。で、苗字が違くなった…とか?お爺様に意地悪されて~勘当されちゃったみたいな?」
と本気で思っていたらしい。
そんな事あるわけないじゃない。
「なんでそう思ったのか知らないけど、考え方を改めて貰えるかしら?貴女と私のお爺様との血の繋がりは1mLもないから。」……」
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