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第七章 襲撃
第21話 断罪3
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1mLも血の繋がりがないと私に言われ、漸く黙った桃花。
だが、親友を傷付けた事だけは絶対に許すわけにはいかない。
「貴方方はずっとそうでした。我儘で自己中心的な考え方しか出来ず、人の心を無視して自分の思いどおりにならなければ平気で切り捨てる。人は誰も過ちをおかします。ですが、きちんとそれに向き合い謝罪をし反省します。そしてそこから学ぶものです。が、貴女方は謝罪も反省もしないから何も学ばない。そればかりか、自分がおかした過ちなのに人のせいにする。人の過ちに対しては鬼の首を取ったかの様に攻撃するという愚かな行為を繰り返した結果が、今の様な状況になっているのが分かりませんか?」
「百合香さんの仰るとおりですよ。白金社長?貴方は、いえ貴方方ご夫妻は、桃花氏ばかりを可愛がり、常識や世の中のルールを教える事を怠った。そして、百合香さんを虐げる事で、桃花氏に優越感を植え付け、更に常識知らずの人間に育ってしまった。これは親の育て方が間違っていたと言われても致し方ないと思います。それにより短絡的な考え方しか出来ない桃花氏は簡単に犯罪に手を染める事になったのではないですか?」
「桃花は、最初からこんな事をする子では無かったはずです。私と出会った頃の桃花は、社長の裏工作でAクラスになった学園ではありましたが、真摯に勉強を頑張ろうとしていたように見えましたし、私を蔑む目付きで見ていた社長ご夫妻とは違う目で挨拶をしてくれたと覚えています。持ち前の明るさと人懐っこさから、いつもクラスの中心で楽しそうでした。なのに、貴方方の私に対する態度に影響され、いつしか同じ態度を取るようになったのですよ。」
「え?」
私がそんな風に桃花を見ていたとは知らなかったであろう元父は、私の言葉に驚いていた。
「私は幼い頃からずっと、社長から『目立つな!』『大人しくしていろ』と言われていた為、貴方の言いつけを守っている体で関わりを持たずにいましたが、最初の頃はよく学園で話しかけてくれていました。が、毎日毎日、貴方方から罵られ無視される扱いを受ける私を見て、桃花も同じ様な態度へと変わっていったんです。それでも私には、私を信じてくれる菜々子がいましたし、理解してくれる駿斗がいてくれたので、全く気にはならなかった。私が貴方方の前から消えれば、関わり合いを持つ事も無くなり、心穏やかで平和な生活を送れるようになる、そう思って水面下で綿密な計画を立て、それを実行したのです。なのに……私の大事な人を……貴方方とは無関係な人物である私の親友を傷付けた事だけは、どうしても許せない!彼女を傷付けていい理由なんて1つもない!!」
「本来なら、百合香を虐待した事で、民事裁判にかけられてもおかしくない状態だったところを、誓約書の取り交わしにより裁判を避けてくれた百合香の気持ちを貴方方は理解していなかった。百合香は貴方方を許そうとしていたんですよ?」
「そ、それは本当なの?お義姉様。」
「えぇ。そのつもりでした。」
「ですが、貴方方はそれを踏みにじった。誓約書の内容を無視し、無関係の人物やその御家族をも巻き込み、被害者だけでなく、百合香本人をも傷付けたんです。だからこそ、百合香は貴方方の前に現れた。貴方方に罪を認めさせ、糾弾する為に。」
「残念です、白金社長。もう終わりにしましょう。」
だが、親友を傷付けた事だけは絶対に許すわけにはいかない。
「貴方方はずっとそうでした。我儘で自己中心的な考え方しか出来ず、人の心を無視して自分の思いどおりにならなければ平気で切り捨てる。人は誰も過ちをおかします。ですが、きちんとそれに向き合い謝罪をし反省します。そしてそこから学ぶものです。が、貴女方は謝罪も反省もしないから何も学ばない。そればかりか、自分がおかした過ちなのに人のせいにする。人の過ちに対しては鬼の首を取ったかの様に攻撃するという愚かな行為を繰り返した結果が、今の様な状況になっているのが分かりませんか?」
「百合香さんの仰るとおりですよ。白金社長?貴方は、いえ貴方方ご夫妻は、桃花氏ばかりを可愛がり、常識や世の中のルールを教える事を怠った。そして、百合香さんを虐げる事で、桃花氏に優越感を植え付け、更に常識知らずの人間に育ってしまった。これは親の育て方が間違っていたと言われても致し方ないと思います。それにより短絡的な考え方しか出来ない桃花氏は簡単に犯罪に手を染める事になったのではないですか?」
「桃花は、最初からこんな事をする子では無かったはずです。私と出会った頃の桃花は、社長の裏工作でAクラスになった学園ではありましたが、真摯に勉強を頑張ろうとしていたように見えましたし、私を蔑む目付きで見ていた社長ご夫妻とは違う目で挨拶をしてくれたと覚えています。持ち前の明るさと人懐っこさから、いつもクラスの中心で楽しそうでした。なのに、貴方方の私に対する態度に影響され、いつしか同じ態度を取るようになったのですよ。」
「え?」
私がそんな風に桃花を見ていたとは知らなかったであろう元父は、私の言葉に驚いていた。
「私は幼い頃からずっと、社長から『目立つな!』『大人しくしていろ』と言われていた為、貴方の言いつけを守っている体で関わりを持たずにいましたが、最初の頃はよく学園で話しかけてくれていました。が、毎日毎日、貴方方から罵られ無視される扱いを受ける私を見て、桃花も同じ様な態度へと変わっていったんです。それでも私には、私を信じてくれる菜々子がいましたし、理解してくれる駿斗がいてくれたので、全く気にはならなかった。私が貴方方の前から消えれば、関わり合いを持つ事も無くなり、心穏やかで平和な生活を送れるようになる、そう思って水面下で綿密な計画を立て、それを実行したのです。なのに……私の大事な人を……貴方方とは無関係な人物である私の親友を傷付けた事だけは、どうしても許せない!彼女を傷付けていい理由なんて1つもない!!」
「本来なら、百合香を虐待した事で、民事裁判にかけられてもおかしくない状態だったところを、誓約書の取り交わしにより裁判を避けてくれた百合香の気持ちを貴方方は理解していなかった。百合香は貴方方を許そうとしていたんですよ?」
「そ、それは本当なの?お義姉様。」
「えぇ。そのつもりでした。」
「ですが、貴方方はそれを踏みにじった。誓約書の内容を無視し、無関係の人物やその御家族をも巻き込み、被害者だけでなく、百合香本人をも傷付けたんです。だからこそ、百合香は貴方方の前に現れた。貴方方に罪を認めさせ、糾弾する為に。」
「残念です、白金社長。もう終わりにしましょう。」
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