隣の芝は

Saeko

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隣りの家は

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公立の幼稚園に通う娘那智にはとっても仲良しのお友達がいる。名前は橋本結奈ゆいなちゃん
結奈ちゃんとは幼稚園でもずっと一緒に遊んでいるのだと、さくら組さんの担任の先生も仰っていた。
そしてその仲の良さは幼稚園から帰って来ても続いている。

そんな仲良しの彼女達は今、リビングでお人形遊びをしている最中だ。結奈ちゃんは毎日我が家に遊びに来ては、小2の息子が帰宅する16:00頃迄遊んで帰るのだ。
子供同士が仲良しなのはいい事だと、私はいつも微笑ましく見ているのだけれど、何故か結奈ちゃんのお母さんである芽衣子めいこさんまで我が家に上がり込んでいる。しかも結奈ちゃんの来る平日は毎日だ。
一度娘が
「結奈ちゃん家に遊びに行きたい」
と言ったのだけれど、
「うちは家族以外は入れないの!」
という謎の理由で、しかもえらい剣幕で断られてしまい、那智は半べそをかいた事があった。それ以来娘は結奈ちゃんの家に行きたいとは言わなくなった。落ち込む娘に私は、
「色んなお家の事情っていうのがあるんだから仕方ないよね。」
と言って慰めた。

娘が行きたがった結奈ちゃんのお家は、最近駅近くに出来たタワマンなのだが、よく芽衣子さんが、
「うちはほらタワマンじゃない?だから、凛子さんとお宅みたいに一軒家じゃないからお庭が無いのよ。それに間取りも1つひとつの部屋が狭いから、那智ちゃんが遊べる部屋が無くて…。でも良いわね~、凛子さんのお宅は。ちょっと古い ┄ 我が家は築20年の中古住宅だ。今は遠方の義兄夫婦の家で暮らす主人のご両親から譲り受け、リノベーションをしているのだ ┄ けどがあるっていうの?なんかとっても懐かしい感じがするのよね~。まるで田舎のおばあちゃん家に帰ったみたいなそんな感じ。」
と、如何にも悪気なんてありませんとでも言いたげな雰囲気を出しつつ、しれっと古い家だとディスられた事があった。だがどうやら彼女が言いたいのは、一軒家である我が家の方が、子供たちがのびのび遊べるから、その方がいいのでは?という事のようだった。

だけど私は、その言葉の本当の理由を知ったんだ。
それは結奈ちゃんと同じタワマンの同じ階に住んでいて、娘と同じ幼稚園に通う、学年が1つ上のお子さんを持つママから聞いた話だ。
結奈ちゃんのパパ、即ち芽衣子さんのご主人は今、インドに単身赴任中で不在なのだそう。それをいい事に?部屋がゴミ屋敷の様になっていて、バルコニーにもゴミ袋が散乱しているのだそうだ。そのせいで、それを啄つき(漁り)に烏が飛んできていて、住人から多数の苦情が出た為、マンションの管理人からゴミの撤去を求められているのだとか。
「何度言っても全っ然片付けてくれないのよ、あの女。マジでマンション中、皆迷惑してんのよ。本音を言えば、早く出てって欲しいわ。」
と嘆いていた。
どうやら娘を自宅に上げたがらなかった本当の理由は、それなのだろうと思った。
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