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芝の青さを守れずに
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そして今日
それも引っ越しのトラックが来る2日前の朝。漸くゴミが片付いた。
ふぅっと一息ついたのもつかの間
「おいハンプティダンプティ!ぼけっとしてないで、とっとと荷造りしろよ、ボケ」
と旦那から引っ越し用のダンボールが投げられる。私は雪だるまからハンプティダンプティに改名されてしまった。だが、ダンボールを投げつけるはいただけない。
「ちょっと!危ないじゃない!怪我したら「はぁ?怪我なんかするわけないだろ?その肉でガードされるだろうが。」………」
文句を言った私の言葉に被せて嫌味を言う旦那。
ホントめちゃくちゃムカつくけど…正直、姑と同居なんて、舅の介護なんて絶対嫌だ!だから離婚したい!!って思うけど…それは無理だった。出来なかった……
だって私は皆が羨む【専業主婦】になりたかったんだもん
那智ちゃんママみたいに齷齪働くなんて有り得ないって思ってたし、あんな古い家になんて絶対住みたくなかったからタワマン借りたんだし。
で、幼稚園のママ友達から
「橋本さん家は良いわね~」
って目で見られたかった。
〖隣りの芝は青かった〗て言わしめたかったのに。
でも結局、古い家に住まなきゃならなくなったし、仕事はしないかもだけど、介護という名の重労働が待っている。しかも無給の
誰も労ってくれない
舅の世話をするのが当たり前だと。それが長男の嫁の義務だと思われがちなド田舎の家で……
そして退去の日
荷物が全て運び出され、不動産屋が鍵の引渡しに来るまでの間、何も無くなった部屋の中をなんとなく歩いてみる。
ここに入居が決まった時の嬉しかった思い出が蘇ってきた。
絶対このお城を死守する
いつも掃除してピカピカにする
そう思って越してきた4年前
結局死守する事もピカピカに掃除する事も出来ず、離れる事になってしまった。
「はい。確かに引渡しを受けました。」
と言って不動産屋は窓と玄関のドアの戸締りをすると、さっさと帰って行った。実にあっさりしたものだ。
「おーい。出るぞー」
と、来客用の駐車場に止めてあった車の中から旦那が私を呼んでいる。
既に荷物を乗せた引っ越し業者のトラックは先行して出て行ったあとだった。
「はーい。今行くー」
と返事をして、マンションのエントランスの方を振り返ったけれど、住人は誰も居なかった。
さっき管理人室に入って引っ越しの挨拶をしたけれど、管理人は「はい」と言っただけだった。
少しは愛想良くしなさいよ!とは思ったけれど、再三再四ゴミの撤去指示を無視してきたのだから、この対応も仕方ない事なのかもしれない。
まさに、"身から出た錆”"自業自得”なのだから
車に乗り込むと、旦那が誰かと電話をしていた。口調と内容から、姑だと分かった。
「今からこっち出るから、ぶっ通しで走ってもそっち着くのは夜の9時くらいかな。うん…ああ。分かった。じゃあ宜しく」
電話を切った旦那に
「おまたせしました」
と声をかける。すると旦那の
「ああ。じゃ出発だ!」
の言葉に結奈が
「レッツゴー!」
とはしゃいだ声で答えていた。
それも引っ越しのトラックが来る2日前の朝。漸くゴミが片付いた。
ふぅっと一息ついたのもつかの間
「おいハンプティダンプティ!ぼけっとしてないで、とっとと荷造りしろよ、ボケ」
と旦那から引っ越し用のダンボールが投げられる。私は雪だるまからハンプティダンプティに改名されてしまった。だが、ダンボールを投げつけるはいただけない。
「ちょっと!危ないじゃない!怪我したら「はぁ?怪我なんかするわけないだろ?その肉でガードされるだろうが。」………」
文句を言った私の言葉に被せて嫌味を言う旦那。
ホントめちゃくちゃムカつくけど…正直、姑と同居なんて、舅の介護なんて絶対嫌だ!だから離婚したい!!って思うけど…それは無理だった。出来なかった……
だって私は皆が羨む【専業主婦】になりたかったんだもん
那智ちゃんママみたいに齷齪働くなんて有り得ないって思ってたし、あんな古い家になんて絶対住みたくなかったからタワマン借りたんだし。
で、幼稚園のママ友達から
「橋本さん家は良いわね~」
って目で見られたかった。
〖隣りの芝は青かった〗て言わしめたかったのに。
でも結局、古い家に住まなきゃならなくなったし、仕事はしないかもだけど、介護という名の重労働が待っている。しかも無給の
誰も労ってくれない
舅の世話をするのが当たり前だと。それが長男の嫁の義務だと思われがちなド田舎の家で……
そして退去の日
荷物が全て運び出され、不動産屋が鍵の引渡しに来るまでの間、何も無くなった部屋の中をなんとなく歩いてみる。
ここに入居が決まった時の嬉しかった思い出が蘇ってきた。
絶対このお城を死守する
いつも掃除してピカピカにする
そう思って越してきた4年前
結局死守する事もピカピカに掃除する事も出来ず、離れる事になってしまった。
「はい。確かに引渡しを受けました。」
と言って不動産屋は窓と玄関のドアの戸締りをすると、さっさと帰って行った。実にあっさりしたものだ。
「おーい。出るぞー」
と、来客用の駐車場に止めてあった車の中から旦那が私を呼んでいる。
既に荷物を乗せた引っ越し業者のトラックは先行して出て行ったあとだった。
「はーい。今行くー」
と返事をして、マンションのエントランスの方を振り返ったけれど、住人は誰も居なかった。
さっき管理人室に入って引っ越しの挨拶をしたけれど、管理人は「はい」と言っただけだった。
少しは愛想良くしなさいよ!とは思ったけれど、再三再四ゴミの撤去指示を無視してきたのだから、この対応も仕方ない事なのかもしれない。
まさに、"身から出た錆”"自業自得”なのだから
車に乗り込むと、旦那が誰かと電話をしていた。口調と内容から、姑だと分かった。
「今からこっち出るから、ぶっ通しで走ってもそっち着くのは夜の9時くらいかな。うん…ああ。分かった。じゃあ宜しく」
電話を切った旦那に
「おまたせしました」
と声をかける。すると旦那の
「ああ。じゃ出発だ!」
の言葉に結奈が
「レッツゴー!」
とはしゃいだ声で答えていた。
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