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第二章 前世其ノ壱
第四幕 生誕祭⑴
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リュークアッセンドラ殿下とロイド様を見送った後、私はまた壁の絵画を眺めては感心していました。
暫くすると、壇上にガーディランス公爵ご夫妻が上がられました。
公爵閣下は、よく通るお声でこう仰いました。
「今宵は私共の愚息ロイドの生誕祭にお集まりいただきありがとう存じます。ロイドよりご挨拶申し上げます。ロイド。此方へ。」
促され壇上に上がられたロイド様は、
「ガーディランス公爵家嫡男ロイド•J•ガーディランスにございます。此度は私のような若輩者の為にこのような盛大な生誕祭を開催してくださいました父上 母上及びお集まりくださった皆様には、感謝の念しかございません。本日お忙しい中お越しくださいましたリュークアッセンドラ王太子殿下の側近として宰相として精進を重ねてまいる所存でございます。今後共、宜しくお願い申し上げます。」
と仰い、深々と頭を下げられました。そんなロイド様に惜しみない拍手と賞賛の言葉がかけられました。
公爵閣下もたいそうご満悦のご様子で、首を縦に振りながら目を細めておいででした。
私もご立派な挨拶をなさるロイド様を尊敬の眼差しで見ておりました。
「では、誠に恐れながら、王太子殿下にもお言葉を頂きたく、お願い出来ませんでしょうか。」
と公爵家の執事が殿下に近づき、殿下を檀上へと促しました。
殿下は笑いながら「承知した。」と仰い、ロイド様のお隣に並ばれました。
するとよく通る甘く低音で、
「今宵は私の友人であり、未来の宰相になりうる男ロイド•J•ガーディランスの生誕祭である。彼は幼き頃より私と共に勉学に勤しみ剣術を習い、共に成長してきた本当に優秀な男である。本日この会場におられる貴族の方々は、ロイドを心より祝福し、これからも末永く彼と良い付き合いをしてやって欲しいと思う。ロイド。」
「はっ。殿下。」
「おめでとう。」
「有り難きお言葉。身に余る光栄にございます。」
殿下とロイド様は、がっしりと手を取り合い、そして笑いあっていらっしゃいました。
お二方のご様子に、ガーディランス公爵閣下は目を細められ、公爵夫人は目元をハンカチで押さえていらっしゃいました。
壇上のお二方へは、会場からは割れんばかりの拍手と賞賛の声が発せられておりました。
(殿下…殿下は本当に素敵でいらっしゃいます。ロイド様も)
私は心の中でそう呟きながら、お二方を見つめておりました。
ややもするとお兄様が、
「アイリーン。もうすぐロイド様への音楽の贈り物の時間が来るよ。大丈夫かな?」
と優しく問いかけて下さいました。
「大丈夫…です……多分……」
いきなり緊張し始めてしまった私の頭をそっと撫でながら、
「大丈夫だよ?アイリーン。沢山練習したのだから。そうだろ?」
と、優しく笑いかけてくださったのでした。
「はい!お兄様。練習の成果を発揮出来ますよう、落ち着いて演奏して参ります。お兄様?どうか見守っていて下さいませ。」
そう言ってにっこり笑うと、
「可愛い可愛い私の妹。ずっと見ているよ。」
と手をギュッと握ってくださいました。
暫くすると、壇上にガーディランス公爵ご夫妻が上がられました。
公爵閣下は、よく通るお声でこう仰いました。
「今宵は私共の愚息ロイドの生誕祭にお集まりいただきありがとう存じます。ロイドよりご挨拶申し上げます。ロイド。此方へ。」
促され壇上に上がられたロイド様は、
「ガーディランス公爵家嫡男ロイド•J•ガーディランスにございます。此度は私のような若輩者の為にこのような盛大な生誕祭を開催してくださいました父上 母上及びお集まりくださった皆様には、感謝の念しかございません。本日お忙しい中お越しくださいましたリュークアッセンドラ王太子殿下の側近として宰相として精進を重ねてまいる所存でございます。今後共、宜しくお願い申し上げます。」
と仰い、深々と頭を下げられました。そんなロイド様に惜しみない拍手と賞賛の言葉がかけられました。
公爵閣下もたいそうご満悦のご様子で、首を縦に振りながら目を細めておいででした。
私もご立派な挨拶をなさるロイド様を尊敬の眼差しで見ておりました。
「では、誠に恐れながら、王太子殿下にもお言葉を頂きたく、お願い出来ませんでしょうか。」
と公爵家の執事が殿下に近づき、殿下を檀上へと促しました。
殿下は笑いながら「承知した。」と仰い、ロイド様のお隣に並ばれました。
するとよく通る甘く低音で、
「今宵は私の友人であり、未来の宰相になりうる男ロイド•J•ガーディランスの生誕祭である。彼は幼き頃より私と共に勉学に勤しみ剣術を習い、共に成長してきた本当に優秀な男である。本日この会場におられる貴族の方々は、ロイドを心より祝福し、これからも末永く彼と良い付き合いをしてやって欲しいと思う。ロイド。」
「はっ。殿下。」
「おめでとう。」
「有り難きお言葉。身に余る光栄にございます。」
殿下とロイド様は、がっしりと手を取り合い、そして笑いあっていらっしゃいました。
お二方のご様子に、ガーディランス公爵閣下は目を細められ、公爵夫人は目元をハンカチで押さえていらっしゃいました。
壇上のお二方へは、会場からは割れんばかりの拍手と賞賛の声が発せられておりました。
(殿下…殿下は本当に素敵でいらっしゃいます。ロイド様も)
私は心の中でそう呟きながら、お二方を見つめておりました。
ややもするとお兄様が、
「アイリーン。もうすぐロイド様への音楽の贈り物の時間が来るよ。大丈夫かな?」
と優しく問いかけて下さいました。
「大丈夫…です……多分……」
いきなり緊張し始めてしまった私の頭をそっと撫でながら、
「大丈夫だよ?アイリーン。沢山練習したのだから。そうだろ?」
と、優しく笑いかけてくださったのでした。
「はい!お兄様。練習の成果を発揮出来ますよう、落ち着いて演奏して参ります。お兄様?どうか見守っていて下さいませ。」
そう言ってにっこり笑うと、
「可愛い可愛い私の妹。ずっと見ているよ。」
と手をギュッと握ってくださいました。
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