ずっとずっと大好きです 《加賀城 百合音 作》【完結】

Saeko

文字の大きさ
1 / 4

溢れる想い

しおりを挟む
身分違いの恋でした。

貴方は王子
私は男爵令嬢

王子様との出会いは、学園で行われる年に一度のダンスパーティの時

私が一年、王子様は二年生でした。

飲み物を貰おうとしても、侍従の人になかなか声をかけられなかった私に、王子様は優しく話しかけて下さいました。

私は、王子様の綺麗なお顔に一目惚れをしてしまいました。

それからというもの
毎日毎日お手紙をしたため、王子様のお付きの方にお願いをして、王子様あなたに私の気持ちが届く事を願っていました。

何通かの私からのお手紙に、王子様あなたは初めてお返事を下さいました。

『いつも気持ちの篭った手紙をありがとう。』

たったそれだけでしたが、とても嬉しかったのです。

もっともっと私を知って頂きたくて
私の気持ちを分かって頂きたくて
当日あった些細な事や
学園内で貴方を見かけた事
噂話を聞いた事
色んな事を書いては、毎日お送り致しました。

『頑張っておられる貴女は素敵だと思います。』
『私を好きだと仰って下さっている事、とても嬉しく思います。』

いつも短い文でのお返事でしたが、王子様あなたの私に対する気持ちが溢れる文に、心が通じあっている事を感じました。



そんなやり取りをしていたある日
私の事を好いて下さる方が現れ
私は婚約させられそうになりました。

でも……私はどうしてもその婚約者が好きになれず、その事を王子様あなたへのお手紙にしたためました。

王子様あなたからお返事が返ってきた時は、天にも昇る気持ちでしたが、

『私にも婚約者がおります。彼女とは政略結婚ですが、お互い信頼し尊重し合っている間柄です。彼女とならこの国を二人で盛り上げていける。そういう存在なのです。貴女もきっとその方と何度かお会いしてお話をなされば、きっと信頼関係を結べると思いますよ。』

と書かれた文を拝読した瞬間
私は奈落の底に落とされた様な気持ちになりました。

酷いです 王子様
私を好きだと仰って下さったではありませんか?
そのお言葉は嘘だったのですか?
私がこんなに毎日【大好き】をお伝えしているのに、何故そのような酷い仕打ちをなさるのですか?

悲しくて寂しくて
私の心はどんどん小さくなっていくようでした。
私自身が今にも消えて無くなりそうです。

私はまた王子様あなたに苦しい胸の内を打ち明けたくて、手紙にしたためました。

翌日学園で、王子様あなたの側近の方にその手紙をお渡ししようとしたのですが、横から出てこられた王子様のご婚約者と仰る方からお叱りを受けてしまいました。
人の婚約者 しかも王族に恋文を送る等、男爵令嬢の分際で失礼極まりないない。
ましてや自身にも婚約者がいるというのにどういう見解なのかしら?
人の婚約者に懸想けそうを抱く等、一体どんな教育を受けたのでしょう。と

男爵令嬢の‪私
ご婚約者は公爵令嬢

王子様あなたに釣り合うのは私ではない
王子様あなたの隣に立てるのは私ではない

私は恥ずかしさのあまりその場から逃げ出してしまいました。

邸に帰り自室に閉じこもると、私はずっとベッドに伏せって泣いていました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

行き場を失った恋の終わらせ方

当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」  自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。  避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。    しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……  恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。 ※他のサイトにも重複投稿しています。

婚約解消の理由はあなた

彩柚月
恋愛
王女のレセプタントのオリヴィア。結婚の約束をしていた相手から解消の申し出を受けた理由は、王弟の息子に気に入られているから。 私の人生を壊したのはあなた。 許されると思わないでください。 全18話です。 最後まで書き終わって投稿予約済みです。

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

私のことを愛していなかった貴方へ

矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。 でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。 でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。 だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。 夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。 *設定はゆるいです。

愛のバランス

凛子
恋愛
愛情は注ぎっぱなしだと無くなっちゃうんだよ。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

【完結】時計台の約束

とっくり
恋愛
あの日、彼は約束の場所に現れなかった。 それは裏切りではなく、永遠の別れの始まりだった――。 孤児院で出会い、時を経て再び交わった二人の絆は、すれ違いと痛みの中で静かに崩れていく。 偽りの事故が奪ったのは、未来への希望さえも。 それでも、彼を想い続ける少女の胸には、小さな命と共に新しい未来が灯る。 中世異世界を舞台に紡がれる、愛と喪失の切ない物語。 ※短編から長編に変更いたしました。

処理中です...