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婚約破棄と王子様の本音
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結局私は一週間も学園をお休みしてしまいました。
久しぶりに行った学園の校内で、王子様とばったり出会った時、お声をかけて頂けるかと思っておりましたが、王子様は側近の方と何やらお話をされていて、私の事は目に入らなかった様でした。
そこで私は、また手紙に
一週間休んでしまった事
お会いした時、お声をかけて頂けず悲しかった事
そして変わらず【大好き】である事をしたためました。
翌日 いつも通り学園へ向かう支度をしていましたら、婚約者が訪ねて来られました。
彼は侯爵子息
私は男爵令嬢
という身分差があり、お父様は侯爵家からの申し出に対し断る事が出来なかったとの事で、私は意にそぐわない婚約を強いられたのです。
が、婚約者は、
貴女は私という婚約者がおりながら、他の殿方に、しかも王族である殿下に懸想されているとは。我が侯爵家を侮辱するのか?と静かに仰られました。
お父様は必死で謝罪なさいますが、私は王子様の事が、どうしても好きなのです。
どうしても私が殿下を忘れられないと言うのなら、自分との婚約破棄もやむなしだと仰られ、お父様は泣く泣くその申し入れを受け入れました。
私にとっては願ったり叶ったりのお話だったので、嬉しさのあまり頬が緩んでしまうのを抑える事が出来ませんでした。
王子様にそのお話をお伝えしながら、お手紙もお渡ししようと、私は学園へと向かいました。
私の婚約破棄は既に貴族達に知れ渡っていた様で、白い目でみられてしまいますが、私にとってそれは些細な事でした。
王子様に私の想いを伝えたい
それだけを考え、お昼休みになると、王子様を探して校内を歩き回りました。
王子様は学園でも執務に追われる身でいらっしゃる事を思い出した私は、早速王子様にお会い出来ると執務室前まで参りました。
ドアをノックしようと手を胸の前まで持ってきた時、部屋の中から王子様の声が聞こえて来たのです。
私は嬉しくなりノックをして中に入ろうとすると、王子様の声以外に女性の声も聞こえてきました。
「それにしてもあの男爵令嬢は何なのでしょうね。折角婚約を申し出て下さった侯爵家子息との婚約でしたのに破棄にまで追い込むなんてどうかなさっているとしか思えませんわ。」
「私もあの男爵令嬢から毎日手紙を貰ってほとほと参っていたから、侯爵子息との婚約が決まれば、流石に手紙も止まるだろうと思っていたのに変わらなかった時は、どうしようかと思ったよ。」
「私の忠告も全く効き目なしでしたもの。躾のなっていない動物以下ですわ。」
「貴女はなかなか辛辣だな。」
「あら?殿下。そんな私の事がお気に入りなのでは?」
「あぁそうさ、貴女は最高で最愛の婚約者だよ、エリー。」
「ありがとう存じますわ、ジュリアン殿下。」
「嫌だなエリー。私はちゃんと愛称で呼んでるのに。」
「もう……。ここは王宮の殿下のお部屋では無いのですよ?ジュリー様。」
「エリー。愛してるよ。」
「私もですわ、ジュリー様。」
私はそこに固まったまま動けずにおりました。
すると王子様の側近の方々に肩を掴まれ、ここへは許された者しか近づけないはず。貴女はそんな学園の規則さえ知らない愚か者なのか?と言われてしまいした。
そして弁明しようとする私の腕を掴むと、学園の理事長室に連れてこられました、
久しぶりに行った学園の校内で、王子様とばったり出会った時、お声をかけて頂けるかと思っておりましたが、王子様は側近の方と何やらお話をされていて、私の事は目に入らなかった様でした。
そこで私は、また手紙に
一週間休んでしまった事
お会いした時、お声をかけて頂けず悲しかった事
そして変わらず【大好き】である事をしたためました。
翌日 いつも通り学園へ向かう支度をしていましたら、婚約者が訪ねて来られました。
彼は侯爵子息
私は男爵令嬢
という身分差があり、お父様は侯爵家からの申し出に対し断る事が出来なかったとの事で、私は意にそぐわない婚約を強いられたのです。
が、婚約者は、
貴女は私という婚約者がおりながら、他の殿方に、しかも王族である殿下に懸想されているとは。我が侯爵家を侮辱するのか?と静かに仰られました。
お父様は必死で謝罪なさいますが、私は王子様の事が、どうしても好きなのです。
どうしても私が殿下を忘れられないと言うのなら、自分との婚約破棄もやむなしだと仰られ、お父様は泣く泣くその申し入れを受け入れました。
私にとっては願ったり叶ったりのお話だったので、嬉しさのあまり頬が緩んでしまうのを抑える事が出来ませんでした。
王子様にそのお話をお伝えしながら、お手紙もお渡ししようと、私は学園へと向かいました。
私の婚約破棄は既に貴族達に知れ渡っていた様で、白い目でみられてしまいますが、私にとってそれは些細な事でした。
王子様に私の想いを伝えたい
それだけを考え、お昼休みになると、王子様を探して校内を歩き回りました。
王子様は学園でも執務に追われる身でいらっしゃる事を思い出した私は、早速王子様にお会い出来ると執務室前まで参りました。
ドアをノックしようと手を胸の前まで持ってきた時、部屋の中から王子様の声が聞こえて来たのです。
私は嬉しくなりノックをして中に入ろうとすると、王子様の声以外に女性の声も聞こえてきました。
「それにしてもあの男爵令嬢は何なのでしょうね。折角婚約を申し出て下さった侯爵家子息との婚約でしたのに破棄にまで追い込むなんてどうかなさっているとしか思えませんわ。」
「私もあの男爵令嬢から毎日手紙を貰ってほとほと参っていたから、侯爵子息との婚約が決まれば、流石に手紙も止まるだろうと思っていたのに変わらなかった時は、どうしようかと思ったよ。」
「私の忠告も全く効き目なしでしたもの。躾のなっていない動物以下ですわ。」
「貴女はなかなか辛辣だな。」
「あら?殿下。そんな私の事がお気に入りなのでは?」
「あぁそうさ、貴女は最高で最愛の婚約者だよ、エリー。」
「ありがとう存じますわ、ジュリアン殿下。」
「嫌だなエリー。私はちゃんと愛称で呼んでるのに。」
「もう……。ここは王宮の殿下のお部屋では無いのですよ?ジュリー様。」
「エリー。愛してるよ。」
「私もですわ、ジュリー様。」
私はそこに固まったまま動けずにおりました。
すると王子様の側近の方々に肩を掴まれ、ここへは許された者しか近づけないはず。貴女はそんな学園の規則さえ知らない愚か者なのか?と言われてしまいした。
そして弁明しようとする私の腕を掴むと、学園の理事長室に連れてこられました、
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