23 / 169
第一章 忘却の通り魔編
23.見えない幸せ
しおりを挟む
日もすっかり落ち、暗闇と月明りに囲われた宿屋で、ミコは仕事を進めていた。
にゃーん。
「おや……?」
どこからか、猫の鳴き声が聞こえた。
どことなく不思議に思い、声のした方へ行ってみると、そこは建物裏の洗濯物を干すスペースだった。
「どうしたんですか猫さん~って、もう。畳んだ服の上に乗っちゃダメですよー」
また洗い直さなきゃいけないなぁ。
なんて考えつつも、黒猫を責める気持ちはこれっぽっちも無かった。
洗濯ものを置きっぱなしにしていた自分に落ち度がある。
ミコは、そのように考える子であった。
黒猫を抱え語りかける。
にゃーん、にゃーん。
「ご飯ならさっき上げたでしょう。どうしたんですか?」
お腹が空いた時によく鳴く黒猫だったが、今日は何やら様子がおかしい。
抱え上げても鳴きやまないのだ。
困ったなぁ。まだ仕事はあるけど、この子の事もほおっておけない。
誰か呼ぼうか、それともサラに見てもらおうか。
そんな事を考えていたその時だった。
「ひっ!?」
地響きと共に、どこからか衝撃にも似た轟音が聞こえてきた。
ミコは思わず驚いて声を漏らす。
「……な、何の音でしょうか?」
商店街から宿屋への森は、普段なら魔物は生息していない。
どこかの冒険者が特訓でもしているのかな。
宿屋の近くでやられるのは困るし、黒猫が落ち着かない事にも繋がっていそうだ。
一度注意しに行かないと。そう思い、一歩外へ出た。
瞬間。
聴覚が壊れそうなほどの轟音がまた聞こえた。
「え……?」
森から伸びる、水柱と共に。
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
でも、その水柱は良く知っていた。知っていたからこそ、瞬時に悟った。
「サラ……ッ!!」
黒猫を下ろし飛び出す。
すれ違った従業員や宿泊客の呼び止める声も聞こえないほどに、ミコはただひたすら、森を目指し駆け出した。
────────────────────
月明りを浴びた水は、似つかわしくないほど綺麗に輝いていた。
「脈打つ水流ッッッ!!」
「ぐはぁっっっ!?」
その水は、豪雨のように激しく。
その水は、大滝のように力強く。
その水は、湖に潜む主のように狂暴であった。
一瞬の隙も与えず、巨大な水の柱はシキを目掛けて飛び出し続ける。
「クソッ!!」
「溶け落ちる水流ッッッ!!」
何とかかわした先に、不気味な透明の液体が糸のように細く伸び襲い掛かる。
死に物狂いで避けるが、衣服には既に数ヵ所穴が空いていた。
(劇薬……あれだけは絶対に直撃してはならない)
しかしシキの思考を読んでいるかのように、逃げたい場所へは水の柱が襲い掛かってくる。
「シキ……いい加減諦めてくれ。私は別にお前を殺したい訳じゃないんだ。ミコのために、私の邪魔をしないでほしい。そう言っているだけなんだよ」
「ふざけるな。ミコのためだと……? その行為のどこがミコを思っての行動なんだ」
「……ッ、知ったような事をッ!!」
サラは感情的に水の柱をムチのように振り回す。
何度も衝撃を与えられるうちにいくつもの木々が折れ、身を隠せる場所も減っていた。
「どうして通り魔などという方法を取った!? なぜ人を傷つける!! そんな力があればもっと他の方法だってあるだろうに!!」
残された木から木へと身を隠しながら、シキはサラへと語りかける。
「黙れッ!! これが師匠への一番の近道だからだ!! 冒険者を襲い記憶を見る、その記憶をたどりに次の記憶を探す!! そうやってやっと、やっと記憶を奪う使い手を見つけたんだぞ……!!」
サラは二つの水塊を逆巻かせながら、ギラついた目で木の影に潜んでいるシキを睨む。
「確かにそうかもしれない。その方法でお前の師匠へたどり着けるかもしれない。だがなサラ、お前まで通り魔になってしまったら意味が無いだろう!!」
「私の事などどうでもいい!! 私はもう、ミコの悲しい顔など見たくないんだ!! やっと、やっとまた明るくなって、宿も上手くいって、彼女は幸せを取り戻していたんだ……!! なのに、なのに師匠が攫われて……クソッ!! どうしてあの子ばかり、不幸にならなきゃいけないんだぁぁぁ!!」
サラは叫ぶ。その声に答えるように二つの水塊と劇薬の球は柱となり、シキを森ごと貫く。
「グッ…………」
「シキ……どうしてそこまで邪魔をする。そんなにネオンが大切か? その感情すら、彼女によって後から植え付けられたものかもしれないんだぞ」
「そうかも……しれない……。私には何もない……。記憶も、過去も、家族も、何もない。……だから、あいつの事を特別に見ていたのも事実だ。だから知ってしまった。また失ってしまう怖さを。だから分かってしまった。お前がミコを思う気持ちも、彼女を大切にしたいという思いも、理解してしまった」
「…………何が言いたい」
「お前は私に言ったな。ミコの力になってほしいと」
「……ああ、言ったさ。けれどここで戦っている以上、それは叶いそうにないけどね」
「お前は私に、何をして欲しかった?」
「別に何も。ネオンを捕える邪魔さえしてくれなければ、それでよかったんだよ」
「……違うな。そんな軽い気持ちで言っていなかったはずだ。あの時お前はもう、覚悟を決めていたんだろう。通り魔として生きる。いずれ罪に問われる事を見越して、私にミコを守るよう託そうとした、そうだろう」
シキは地面に倒れたまま、視線だけはサラへ送っていた。
強く、強く、強く。彼女へ問いかけるために。
「はぁ……」
サラはため息をつく。それはシキに呆れたから。ではない。
「何だ、全部伝わっているじゃないか。だったらどうして、私の邪魔をする? 私はもう決めているんだ。この身がどうなろうとも、必ずミコを幸せにしてやる。それが私の出来る全てだから」
「それは……違う」
「なに?」
シキは起き上がる。
何度倒れても、何度届かなくても、曲げられない目的を掲げた。だから何度でも立ちふさがる。
「ミコの幸せ。それにはサラ、お前がいなくてどうする!!」
「……ッッッ!!」
「お前は……幸せを考えた事はあるか? お前の幸せ、ミコの幸せ、他の誰かの幸せ。どれでもいい。その幸せを考えた時、一番見えていない部分がある。それは自分自身だ。目の前に広がる世界には、自分自身だって含まれているはずだ。それが、お前には見えていなかった」
「……黙れ」
「私だってついさっきまでそうだった。人の考える幸せに、自分が入っている事など考えもしなかった。だがな、付き合いが長いほど、楽しい時間を共有するほど、誰かの中に私という存在が作られていく。特別な存在へと変わっていく」
「黙れ」
「お前だってそうだったのだろう? この私から何かを感じたから、自分が去った後ミコを任せたいと考えた。サラ、お前の描く世界に私が現れたから、だからネオンを連れ、私の知らぬところで事を起こそうとした」
「黙れと言っているだろ……シキィィィ!!」
捩じ切れるような水圧を轟かせるこれまでで最大威力の水柱が、交差する竜のようにシキを目掛けて放たれる。
だがシキは、一歩、また一歩と踏み出しサラへ近づく。二本の巨大な水柱の間をすり抜けていく。
「ミコの力になる。そのために、私は何度でもお前の前に立ちふさがるぞ、サラァァァァァ!!」
踏み込む。走り出す。
全身に力を入れ、拳に願いを込めて、睨み付けるサラの視線を切り開く。
「止まれッ!! 溶かされたくなかったら、これ以上私に近づくなァ!!」
水柱はもう追いつかない。
サラは胸の前に残った透明な液体を操り、シキへ向けて放った。
「止まってたまるかあああああ!!」
シキは止まらない。止まってはならない。
向かってくる劇薬の塊を見てなお、シキは止まらない!!
「サラ、お前は私が止めるッッッ!!」
ドガッッッッッ!! と、鈍い音が響いた。
それと同時に、轟く水柱が地面へ崩れ落ちる。
けたたましい音と共に、横に倒れたサラと、右腕を突き出したシキが姿を現す。
「サラ……。お前は優し過ぎる。お前に通り魔など、似合わないんだ」
放たれた劇薬は直前で軌道を変え、シキの服に穴を空け、消え去っていた。
にゃーん。
「おや……?」
どこからか、猫の鳴き声が聞こえた。
どことなく不思議に思い、声のした方へ行ってみると、そこは建物裏の洗濯物を干すスペースだった。
「どうしたんですか猫さん~って、もう。畳んだ服の上に乗っちゃダメですよー」
また洗い直さなきゃいけないなぁ。
なんて考えつつも、黒猫を責める気持ちはこれっぽっちも無かった。
洗濯ものを置きっぱなしにしていた自分に落ち度がある。
ミコは、そのように考える子であった。
黒猫を抱え語りかける。
にゃーん、にゃーん。
「ご飯ならさっき上げたでしょう。どうしたんですか?」
お腹が空いた時によく鳴く黒猫だったが、今日は何やら様子がおかしい。
抱え上げても鳴きやまないのだ。
困ったなぁ。まだ仕事はあるけど、この子の事もほおっておけない。
誰か呼ぼうか、それともサラに見てもらおうか。
そんな事を考えていたその時だった。
「ひっ!?」
地響きと共に、どこからか衝撃にも似た轟音が聞こえてきた。
ミコは思わず驚いて声を漏らす。
「……な、何の音でしょうか?」
商店街から宿屋への森は、普段なら魔物は生息していない。
どこかの冒険者が特訓でもしているのかな。
宿屋の近くでやられるのは困るし、黒猫が落ち着かない事にも繋がっていそうだ。
一度注意しに行かないと。そう思い、一歩外へ出た。
瞬間。
聴覚が壊れそうなほどの轟音がまた聞こえた。
「え……?」
森から伸びる、水柱と共に。
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
でも、その水柱は良く知っていた。知っていたからこそ、瞬時に悟った。
「サラ……ッ!!」
黒猫を下ろし飛び出す。
すれ違った従業員や宿泊客の呼び止める声も聞こえないほどに、ミコはただひたすら、森を目指し駆け出した。
────────────────────
月明りを浴びた水は、似つかわしくないほど綺麗に輝いていた。
「脈打つ水流ッッッ!!」
「ぐはぁっっっ!?」
その水は、豪雨のように激しく。
その水は、大滝のように力強く。
その水は、湖に潜む主のように狂暴であった。
一瞬の隙も与えず、巨大な水の柱はシキを目掛けて飛び出し続ける。
「クソッ!!」
「溶け落ちる水流ッッッ!!」
何とかかわした先に、不気味な透明の液体が糸のように細く伸び襲い掛かる。
死に物狂いで避けるが、衣服には既に数ヵ所穴が空いていた。
(劇薬……あれだけは絶対に直撃してはならない)
しかしシキの思考を読んでいるかのように、逃げたい場所へは水の柱が襲い掛かってくる。
「シキ……いい加減諦めてくれ。私は別にお前を殺したい訳じゃないんだ。ミコのために、私の邪魔をしないでほしい。そう言っているだけなんだよ」
「ふざけるな。ミコのためだと……? その行為のどこがミコを思っての行動なんだ」
「……ッ、知ったような事をッ!!」
サラは感情的に水の柱をムチのように振り回す。
何度も衝撃を与えられるうちにいくつもの木々が折れ、身を隠せる場所も減っていた。
「どうして通り魔などという方法を取った!? なぜ人を傷つける!! そんな力があればもっと他の方法だってあるだろうに!!」
残された木から木へと身を隠しながら、シキはサラへと語りかける。
「黙れッ!! これが師匠への一番の近道だからだ!! 冒険者を襲い記憶を見る、その記憶をたどりに次の記憶を探す!! そうやってやっと、やっと記憶を奪う使い手を見つけたんだぞ……!!」
サラは二つの水塊を逆巻かせながら、ギラついた目で木の影に潜んでいるシキを睨む。
「確かにそうかもしれない。その方法でお前の師匠へたどり着けるかもしれない。だがなサラ、お前まで通り魔になってしまったら意味が無いだろう!!」
「私の事などどうでもいい!! 私はもう、ミコの悲しい顔など見たくないんだ!! やっと、やっとまた明るくなって、宿も上手くいって、彼女は幸せを取り戻していたんだ……!! なのに、なのに師匠が攫われて……クソッ!! どうしてあの子ばかり、不幸にならなきゃいけないんだぁぁぁ!!」
サラは叫ぶ。その声に答えるように二つの水塊と劇薬の球は柱となり、シキを森ごと貫く。
「グッ…………」
「シキ……どうしてそこまで邪魔をする。そんなにネオンが大切か? その感情すら、彼女によって後から植え付けられたものかもしれないんだぞ」
「そうかも……しれない……。私には何もない……。記憶も、過去も、家族も、何もない。……だから、あいつの事を特別に見ていたのも事実だ。だから知ってしまった。また失ってしまう怖さを。だから分かってしまった。お前がミコを思う気持ちも、彼女を大切にしたいという思いも、理解してしまった」
「…………何が言いたい」
「お前は私に言ったな。ミコの力になってほしいと」
「……ああ、言ったさ。けれどここで戦っている以上、それは叶いそうにないけどね」
「お前は私に、何をして欲しかった?」
「別に何も。ネオンを捕える邪魔さえしてくれなければ、それでよかったんだよ」
「……違うな。そんな軽い気持ちで言っていなかったはずだ。あの時お前はもう、覚悟を決めていたんだろう。通り魔として生きる。いずれ罪に問われる事を見越して、私にミコを守るよう託そうとした、そうだろう」
シキは地面に倒れたまま、視線だけはサラへ送っていた。
強く、強く、強く。彼女へ問いかけるために。
「はぁ……」
サラはため息をつく。それはシキに呆れたから。ではない。
「何だ、全部伝わっているじゃないか。だったらどうして、私の邪魔をする? 私はもう決めているんだ。この身がどうなろうとも、必ずミコを幸せにしてやる。それが私の出来る全てだから」
「それは……違う」
「なに?」
シキは起き上がる。
何度倒れても、何度届かなくても、曲げられない目的を掲げた。だから何度でも立ちふさがる。
「ミコの幸せ。それにはサラ、お前がいなくてどうする!!」
「……ッッッ!!」
「お前は……幸せを考えた事はあるか? お前の幸せ、ミコの幸せ、他の誰かの幸せ。どれでもいい。その幸せを考えた時、一番見えていない部分がある。それは自分自身だ。目の前に広がる世界には、自分自身だって含まれているはずだ。それが、お前には見えていなかった」
「……黙れ」
「私だってついさっきまでそうだった。人の考える幸せに、自分が入っている事など考えもしなかった。だがな、付き合いが長いほど、楽しい時間を共有するほど、誰かの中に私という存在が作られていく。特別な存在へと変わっていく」
「黙れ」
「お前だってそうだったのだろう? この私から何かを感じたから、自分が去った後ミコを任せたいと考えた。サラ、お前の描く世界に私が現れたから、だからネオンを連れ、私の知らぬところで事を起こそうとした」
「黙れと言っているだろ……シキィィィ!!」
捩じ切れるような水圧を轟かせるこれまでで最大威力の水柱が、交差する竜のようにシキを目掛けて放たれる。
だがシキは、一歩、また一歩と踏み出しサラへ近づく。二本の巨大な水柱の間をすり抜けていく。
「ミコの力になる。そのために、私は何度でもお前の前に立ちふさがるぞ、サラァァァァァ!!」
踏み込む。走り出す。
全身に力を入れ、拳に願いを込めて、睨み付けるサラの視線を切り開く。
「止まれッ!! 溶かされたくなかったら、これ以上私に近づくなァ!!」
水柱はもう追いつかない。
サラは胸の前に残った透明な液体を操り、シキへ向けて放った。
「止まってたまるかあああああ!!」
シキは止まらない。止まってはならない。
向かってくる劇薬の塊を見てなお、シキは止まらない!!
「サラ、お前は私が止めるッッッ!!」
ドガッッッッッ!! と、鈍い音が響いた。
それと同時に、轟く水柱が地面へ崩れ落ちる。
けたたましい音と共に、横に倒れたサラと、右腕を突き出したシキが姿を現す。
「サラ……。お前は優し過ぎる。お前に通り魔など、似合わないんだ」
放たれた劇薬は直前で軌道を変え、シキの服に穴を空け、消え去っていた。
0
あなたにおすすめの小説
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる