堕ちた双子

ゆきみまんじゅう

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新たなる幕開け

真実は未だ隠したまま──

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次の朝、いつものように、俺は何気なく朝食を取っていた。

だが昨日の事が頭に引っかかり、どうしても海斗の顔をチラチラと見てしまう。

海斗の様子は、いつもと変わらないように思える。

おかしいのは俺の方だ。

そう言い聞かせながら食事を続けていた時だった。

「ねえ、兄さん……。」

急に海斗が抑揚のない声で話しかけてきた。

その目は、あの日の夜と同じように、笑っておらず、氷のように冷たく見えた。

「もう、そろそろいいんじゃないの。僕の代わりをしなくても。」
「………。」

確かに、海斗の言う通りだった。

もうあの男が現れない以上、電車の中で痴漢に遭うことはない。

そもそも目的は俺だったため、なおさら海斗が被害に遭うことはないはずだ。

なのに俺は、首を縦に振れずにいた。

どうして今でも海斗の身代わりとして電車に乗っているのか、答えは何となく分かっている。

でもそれを認めてしまったら、俺は本当に戻れなくなってしまう。

いや、すでに戻れない…のか。

「……兄さん、何か言ってよ。」

あれこれと考え込んでいたため、すっかり黙り込んでしまったと焦り、海斗に再び目を触れ向けると、すでに笑顔が消えていた。

今まで見たことのない、海斗の冷徹な表情──。

そんな海斗の圧に押され、必死に言い訳を考える。

「………ごめん!本当は、俺、こうして海斗のフリして学校に通うのが楽しかっただけなんだ。だからもう、痴漢とか関係なくなってたんだ。」

自分でも何を言っているかよく分からなかったが、口から出た以上、それで通すしかなかった。

「ふーん。じゃあ、僕に嘘付いてたってこと?」

その海斗の言葉は、俺の胸に深く突き刺さった。

例えそれが、海斗を守るためだったとしても、大切な弟を騙し続けていることに、俺は罪悪感を抱いていたからだ。

「………ごめん。」

今の俺に言えるのはそれしかなく、後の言葉は何も浮かばなかった。

そして俺は、その場から逃げるように、食べかけの朝食を片付けて、家から出て行った。
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