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弟
呼び出しの電話
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その日の夜、私はお父さんに、家からの外出を禁止された。
さらには、私を精神科につれて行くとまで言った。
そんな酷い事を言われても、もう私は傷つかなかった。
もう誰にも、何も期待しないと決めたからだ。
それより今は、すぐにでもリッくんを助け出さないといけなかった。
けれども、玄関からは出られないので、2階の私の部屋のベランダから、外に行くしかない。
そう思い、ベランダに向かおうとした時、電話が鳴った。
その相手は、カイくんだった。
「……っ!!」
私は一瞬戸惑ったが、すぐに電話に出た。
「……カイくん、いや、海斗。」
「どう、今の気分は?」
私は海斗を呼び捨てにしたが、本人は全く動じる様子はなかった。
「………最悪よ。警察官に捕まるし、家族には厄介者扱いされるし。でも、1番最悪なのは、リッくんがあんな目に遭っているという事と、あなたが存在している事!」
こうしている今も、リッくんは酷い目に遭っているかもしれない。
そう思うと胸が苦しくなる。
「そう…。でもね、僕だって最悪の気分だよ。まさか君に、家を壊されるなんて、思っても見なかったし。」
「そう……、で、本題は何?こんな事言うために、わざわざ電話をかけてきたわけじゃないよね。」
私は海斗の態度にイライラして、話を急かした。
「じゃあ、単刀直入で言うけど、今からあのペンションに来てほしいんだ。ほら、前に僕たち家族と一緒に行った、あのペンションだよ。」
どうして、とは聞かなかった。
これは間違いなく、罠だ。
「あっ、そうそう。今僕の家に行っても無駄だよ。兄さんもペンションにいるから。」
まるで私の考えを読み取ったように、海斗は言った。
海斗がどうして、ペンションに呼び出そうとしているのかは、はっきりしている。
でも、逆にこれはチャンスでもあった。
「………分かった。今から行く。」
私は電話を切ると、ペン立てから鋏を、棚の上から懐中電灯と殺虫剤を手に取り、カバンに入れた。
そして両親にバレないよう、こっそりベランダから外に抜け出した。
さらには、私を精神科につれて行くとまで言った。
そんな酷い事を言われても、もう私は傷つかなかった。
もう誰にも、何も期待しないと決めたからだ。
それより今は、すぐにでもリッくんを助け出さないといけなかった。
けれども、玄関からは出られないので、2階の私の部屋のベランダから、外に行くしかない。
そう思い、ベランダに向かおうとした時、電話が鳴った。
その相手は、カイくんだった。
「……っ!!」
私は一瞬戸惑ったが、すぐに電話に出た。
「……カイくん、いや、海斗。」
「どう、今の気分は?」
私は海斗を呼び捨てにしたが、本人は全く動じる様子はなかった。
「………最悪よ。警察官に捕まるし、家族には厄介者扱いされるし。でも、1番最悪なのは、リッくんがあんな目に遭っているという事と、あなたが存在している事!」
こうしている今も、リッくんは酷い目に遭っているかもしれない。
そう思うと胸が苦しくなる。
「そう…。でもね、僕だって最悪の気分だよ。まさか君に、家を壊されるなんて、思っても見なかったし。」
「そう……、で、本題は何?こんな事言うために、わざわざ電話をかけてきたわけじゃないよね。」
私は海斗の態度にイライラして、話を急かした。
「じゃあ、単刀直入で言うけど、今からあのペンションに来てほしいんだ。ほら、前に僕たち家族と一緒に行った、あのペンションだよ。」
どうして、とは聞かなかった。
これは間違いなく、罠だ。
「あっ、そうそう。今僕の家に行っても無駄だよ。兄さんもペンションにいるから。」
まるで私の考えを読み取ったように、海斗は言った。
海斗がどうして、ペンションに呼び出そうとしているのかは、はっきりしている。
でも、逆にこれはチャンスでもあった。
「………分かった。今から行く。」
私は電話を切ると、ペン立てから鋏を、棚の上から懐中電灯と殺虫剤を手に取り、カバンに入れた。
そして両親にバレないよう、こっそりベランダから外に抜け出した。
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