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02,授業の前は

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 いつの間にか時間は過ぎて、朝のホームルームも終わった。那音君と朝から話せるとは・・・。今日はついているかもしれない。
 とりあえず一時限目は英語だ。さっき言ってた抜き打ちテストがあるんだろうな。教室行くか。
「あーかーり!」
自分の教室を出て、廊下を歩いていると、急に後ろから誰かの声をした。私は「ぎゃっ!?」なんて女の子らしくない声を上げた。
「もうそんなに驚かないでよ!茜李ったら怖がりだなぁ」
隣のクラスの紅上 桜雨あかがみ さくらだった。
「なんだ、桜雨か・・・。驚かさないでよ」
「ごめんごめん。英語は同じクラスだから一緒に行こーかなって」 
普通のクラスとは別に、各教科ごとでA~Gのクラスがあるこの高校。ちなみに私はどれもAクラス。桜雨も英語だけはAクラスで、いつも一緒に行っている。那音君も・・・最近Aクラスに上がってきたけど、早くも心が折れそうになってた。
自分の席につき、軽く息を吐く。テストあるんだよね、だるい。パラパラと適当に教科書をめくる。そんなに難しくなさそうだし、大丈夫かな。あ、でもここちょっと苦手・・・。ここスペルミスしそうだな。ちゃんとメモっとかなきゃ。一応今年受験だし、そろそろ進路も決めなきゃだな。そんなことを考えながら、テストで出るらしい所の問題を解いていく。
「日宮」
「・・・・・・」
それなりに集中していたのと、話しかけてきたのが誰だったのか分かったから、私は名前を呼ばれたが無視をした。だって話し始めたらこの人止まんないから、できるだけ関わりたくない。
「無視すんなよー」
肩をちょんちょんと触ってくるその人。しつこい、なんて思いながらも無視を続ける。今やってる問題難しいし!
「日宮ったら!返事してー!」
「あぁもううるさいな!今問題解いてんじゃん!空気読んで」
「わぁ返事してくれたぁ!」
し、しまった・・・。
「問題解いてるんでしょ?俺にも教えてー!」
「えぇ・・・」
「なんで嫌そうなの!?」
「ちょっと黙ろ?黒木」
「ひどい!」
こいつは黒木 月夜黒木 月夜くろき つきや。こんなに落ち着いた雰囲気の名前なのに、高校生には見えない落ち着きの無さ。元気を超えてうるさい。全然関わったことないのに、勝手に近づいてきた。勝手に連絡先も交換させられたし・・・。まぁ使われてないけど。
「なんでよー教えてよ」
「教えなくても分かるでしょ?成績トップなんだから」 
そう、こんな性格なのに成績は上位。いつも一位か二位なのだ。私は五位~十位以内ってだけ。私的には満足だけど、親はまだ不満らしい。一位取れ一位取れってうるさい。
「分かるけど・・・今回は苦手な所なの!」
「分かるならいいじゃん。後もう時間だよ?そろそろ座んないと」
私は時計を指して黒木にそう言った。
「英語の先生座ってないと怒るよ?まぁそれで怒られて居残りさせられてもいいなら別にいいけど」
「うっ、それは・・・」
英語の先生は時間厳守主義だから、一秒でも遅れたら血相変えてその人を叱る。
「さぁさ、怒られたくないならさっさと自分の席戻りなさいな」
「はぁい・・・」
黒木はあからさまに不満気な顔をしながら、自分の席に戻っていった。全く、どうして毎回毎回英語が始まる前に話しかけてくるのか。私いつも前の授業の復習か、予習してるじゃん?ちょっとは空気よも?ね?少しため息をついて伸びをすると、先生が教室にやってきた。
「お、今日も皆席についてるね!感心感心。それじゃあ抜き打ちテスト・・・って言ってもみんなテストやるって知ってるか。はい、じゃあテストしまーす。教科書類閉まってー」
先生のその声で皆ガサゴソと教科書をしまい始める。一番後ろの窓側の席。桜雨はその斜め前で、少し不安そうな顔だ。ここ難しいもんね。黒木は余裕そうな顔で口笛を吹いていて、先生に軽く叩かれていた。那音君は・・・うん、頭抱えてる。前のテストで、英語がたまたまいい成績だったから、Aクラスにきたらしい那音君。心の中でエールを送りつつ、無意識に頭を抱えながらぐらぐらと揺れる那音君に、微笑みが漏れた。
「はい、それではテスト開始!」
先生はパンッと手を叩く。その音を合図に、一斉にシャーペンの音が響き始めた。
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