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プロローグ
しおりを挟む家を出ると既に太陽が攻撃的で、わずか五分で帰りたくなった。
凍らしておいたスポーツドリンクは早々に汗をかいて雫がぼたぼたとアスファルトを濡らしている。
だけど今飲んでしまうと味が濃くて甘ったるいから、あと少しだけ我慢しよう、とヒマリはペットボトルを縦に振った。顔に垂れてくる汗のせいで眼鏡がずれていく。あぁうざったい。
こんな猛暑日にわざわざ家を出て、向かった先は学校の図書室。
別にクーラーの効いた部屋から出なくても勉強は出来る。だけど夏休みに図書室に行くのは勉強のためではない。図書委員の務めだから。
あと少しで図書室の冷たいクーラーの風を浴びれることだけを糧に、なるべく日陰の道を選んで進んだ。
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