17 / 19
17
しおりを挟む
すでに見慣れた灰色の壁と鉄格子。違いと言えば足につけられた足枷と、寝かされていたのが地べた(より酷くなってる)ということだろうか。
「はぁ~~」
ついたため息にどうしたのかと少女に首をかしげられる。今まではじっくりと見る機会が無かったが、少女は長い茶色の髪に同じ色の瞳をしていた。前髪の流しかたの問題で顔半分が見えないが、かなりかわいいと思う。
「いや、デシャヴを感じる状態に落ち込んでるだけだから」
「....何でろうやに感じるの?」
「....なんでだろうね....」
少女の質問に遠い目になる。私この世界に来てからろくな目にあってないわぁ....。
まぁ、ため息をついてても仕方がない。早く切り替えよう。そう思って鉄格子から外を覗く。
どこの建物かは分からないが、木で作られた窓のない大きな部屋に幾つもの牢屋が並んでいる。光源が一定の間隔で並ぶ蝋燭の火しかないため、酷く薄暗い。向かいの牢屋の中身さえよく見えず、精々が同じ牢屋に閉じ込められた少女に、判別がつくぐらいの明るさだ。
とりあえず抜け出すのは無理そうだ。足枷と牢屋が何とかなったら、この暗さを利用できそうだが、まず何とかなっていないので仕方がない。
「....どう?」
「....奴隷にでもされるのかなぁ....」
人目を気にせず(目の前の少女しかいないが)地べたに体育座りで座り込む。
どっかの競売にも出されるんだろうなぁ....。そんで金持ちとかが落札して?奴隷とか?下手したら趣味の悪いオヤジにあんなことやそんなことされたり?
「....こんな転生望んでない....」
「どんなのが良かったの?」
「逆ハールート」
「?よく分からないけどむりだと思うよ」
「よく分かんないのに否定しないで....」
どうして否定した。いや、こんな状況下で何言ってんだって私も思うよ?思うけどね?やっぱり夢は持ち続けていたいです。
「そういや君名前は?」
そう聞くと、少女は不思議そうな顔をして首をかしげた。いや、何故かしげる。わかるだろそれぐらい。
「さぁ?」
「....年は?」
「....さぁ?」
「....お家どこ?」
「........?」
さてこれはどう反応したらいいのだろうか。からかわれているのか本当に分からないのか。表情に出ていないので全く分からない。
「....お姉ちゃんは?」
「ん?」
「名前」
「あぁ、木下凛。あ、凛の方がファーストネームだから」
そう答えると、少女は何度か口の中で私の名前を呟いた。
「....それでお姉ちゃんに聞きたいことがあるんだけど」
「結局呼ばないの!?」
何だったのさっきのくだり!?
「まぁ、君がそうしたいなら別にいいけどさぁ。で、何を聞きたいの?」
「がんばれる?」
「え?何を?」
これまた唐突かつ主語が抜け落ちた質問だが、少女は特におかしいと思わなかったのだろうか。....思っていなさそうだ。
「....がんばれる?」
「いや、何かにもよるんだけど」
「....どうしたらがんばれるの?」
「いや、だからその頑張る内容を教えて欲しいんですけど....」
詳しい内容を尋ねてみてもいっこうに頑張れるのかとしか聞いてこない。自分が頷かない限りこの問答はずっと繰り返されるのだろうか。しかも表情が無いのは相変わらずだが、次第に目が微妙に揺らいであるような気がする。何で誘拐されたときは平然としてるのに、こんな時だけそんな顔するの!?
「あー、もうわかったから!!頑張るから!!」
「....ありがとう」
とうとうこっちが折れてしまった。私は何をしたらいいんだ....。
だが少し明るくなった彼女の顔に(ほんと少しだけど)私も少しだけ気分が明るくなる。こんな牢屋の中だが、思ったよりはポジティブになれるらしい。
「ただこっから出れたらの話だからね?流石に人生が終わったら無理だからね?」
「....わかった」
本当に理解しているのかさえ謎だが、とりあえずは納得してくれたらしいので安堵する。ただまぁ、自分の言葉通りここから抜け出すのが大前提なのだが。
「じゃあ、その約束を果たすためにも、こっから抜け出す算段でも立てよっか」
「はぁ~~」
ついたため息にどうしたのかと少女に首をかしげられる。今まではじっくりと見る機会が無かったが、少女は長い茶色の髪に同じ色の瞳をしていた。前髪の流しかたの問題で顔半分が見えないが、かなりかわいいと思う。
「いや、デシャヴを感じる状態に落ち込んでるだけだから」
「....何でろうやに感じるの?」
「....なんでだろうね....」
少女の質問に遠い目になる。私この世界に来てからろくな目にあってないわぁ....。
まぁ、ため息をついてても仕方がない。早く切り替えよう。そう思って鉄格子から外を覗く。
どこの建物かは分からないが、木で作られた窓のない大きな部屋に幾つもの牢屋が並んでいる。光源が一定の間隔で並ぶ蝋燭の火しかないため、酷く薄暗い。向かいの牢屋の中身さえよく見えず、精々が同じ牢屋に閉じ込められた少女に、判別がつくぐらいの明るさだ。
とりあえず抜け出すのは無理そうだ。足枷と牢屋が何とかなったら、この暗さを利用できそうだが、まず何とかなっていないので仕方がない。
「....どう?」
「....奴隷にでもされるのかなぁ....」
人目を気にせず(目の前の少女しかいないが)地べたに体育座りで座り込む。
どっかの競売にも出されるんだろうなぁ....。そんで金持ちとかが落札して?奴隷とか?下手したら趣味の悪いオヤジにあんなことやそんなことされたり?
「....こんな転生望んでない....」
「どんなのが良かったの?」
「逆ハールート」
「?よく分からないけどむりだと思うよ」
「よく分かんないのに否定しないで....」
どうして否定した。いや、こんな状況下で何言ってんだって私も思うよ?思うけどね?やっぱり夢は持ち続けていたいです。
「そういや君名前は?」
そう聞くと、少女は不思議そうな顔をして首をかしげた。いや、何故かしげる。わかるだろそれぐらい。
「さぁ?」
「....年は?」
「....さぁ?」
「....お家どこ?」
「........?」
さてこれはどう反応したらいいのだろうか。からかわれているのか本当に分からないのか。表情に出ていないので全く分からない。
「....お姉ちゃんは?」
「ん?」
「名前」
「あぁ、木下凛。あ、凛の方がファーストネームだから」
そう答えると、少女は何度か口の中で私の名前を呟いた。
「....それでお姉ちゃんに聞きたいことがあるんだけど」
「結局呼ばないの!?」
何だったのさっきのくだり!?
「まぁ、君がそうしたいなら別にいいけどさぁ。で、何を聞きたいの?」
「がんばれる?」
「え?何を?」
これまた唐突かつ主語が抜け落ちた質問だが、少女は特におかしいと思わなかったのだろうか。....思っていなさそうだ。
「....がんばれる?」
「いや、何かにもよるんだけど」
「....どうしたらがんばれるの?」
「いや、だからその頑張る内容を教えて欲しいんですけど....」
詳しい内容を尋ねてみてもいっこうに頑張れるのかとしか聞いてこない。自分が頷かない限りこの問答はずっと繰り返されるのだろうか。しかも表情が無いのは相変わらずだが、次第に目が微妙に揺らいであるような気がする。何で誘拐されたときは平然としてるのに、こんな時だけそんな顔するの!?
「あー、もうわかったから!!頑張るから!!」
「....ありがとう」
とうとうこっちが折れてしまった。私は何をしたらいいんだ....。
だが少し明るくなった彼女の顔に(ほんと少しだけど)私も少しだけ気分が明るくなる。こんな牢屋の中だが、思ったよりはポジティブになれるらしい。
「ただこっから出れたらの話だからね?流石に人生が終わったら無理だからね?」
「....わかった」
本当に理解しているのかさえ謎だが、とりあえずは納得してくれたらしいので安堵する。ただまぁ、自分の言葉通りここから抜け出すのが大前提なのだが。
「じゃあ、その約束を果たすためにも、こっから抜け出す算段でも立てよっか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる