キャバ嬢メルメの花と仁義

hamiru

文字の大きさ
12 / 13

12 レイコやヒノメやピンクスイートピー

しおりを挟む
ヒノメのテーブルには花瓶に生けられたピンクのスイートピーがふわふわと、その花びらを目にすれば優しい気持ちになれた
空調や話し声、行き交う人の風が花弁が小さく揺らす
その繊細な花の繊維が細くて細緻な神経のように思えて、触れれば、申し訳ない気がした


1.ヒノメ 23  スイートピー
2.アオナ  22
3.ブラック 24
5.グラマ  27
7.スリム  21
8.ネール  25
9.マミア 23
16.メルメ 22
22.コムギ 26
28.レイコ 22
29.ミドリ 27
2025年1月29日

「おいでなすって!ご両人!」
メルメの任侠風接客には拍車が掛かり、少々破茶滅茶になっていた
キャバ的任侠風仁義様接客も認知されてきて、一部の熱狂的な客がメルメを指名するようになっていた
昨年の6月に入店して以来3ヶ月あたりは27~30番を彷徨いていた売上も順調に伸ばして今月は16番となっていた


2024年12月
本店キャバHでNo.3のキラコがNo.8のキイロを伴い札幌はススキノでキャバkのキャバ長として経営に乗り出していた
現地でドレスという31歳になる女性を採用した
今は3人で、か細く経営している
キラコは可能な限り市場調査に時間を割いていた


2025年3月
No.2のアオナがNo.5のグラマを伴い福岡は中洲にキャバaを出店させる
北海道と同じように現地で1人採用して、3人体制で開店させる


栄本店キャバHではブラックがキラコの穴を埋めるようNo.3の座を確実にしていた
黒のワンピースから覗く白い肌膚の明暗がエロスを醸し出した


肌色の肌に肌色のキャミソールのスリムが7番
グリーン系のネイルを好んだネール8番
褐色の肌コムギ26番


メルメと姉妹盃を交わしたマミアは9番につけていて8番ネールとの差は七万円ほどだった
1月もあと3日、積極的営業を掛ければ上の順位に食い込める可能性があるが、マミアは電話やメールといった営業をしなかった
先見が利くタイプの子で、目先の売上と月末連絡による不愉快の危険性を天秤にかけて、長期的な視点でお客様と対峙していた


28番令子
メルメが嫌いだった女レイコ
同級生のレイコ
お嬢様のレイコ
親から姦の苦しみを受けた、悲壮感を常に抱えたまま学生時代を過ごしたメルメ
令子が嫌いだった
本人は社長令嬢という立場を鼻に掛けていたつもりではないのだろうが、常日頃夕食をディナーといった
DINNERの響きは優雅な夕食と家族団欒の風景を勝手に脳裏に想像させちまって、私の悲壮感と孤独を募らせた
彼女の親の会社の経営が傾いたことで、レイコは仕事をする必要に迫られキャバHで面接を受けて通り、晴れてキャバ嬢になった
今日もロリータファッションで出勤してきた


「メルメちゃん」
「ああ、レイコ」
「宜しくね、今日もお互い頑張ろう」
「うん、でも、一応このお店では私が先輩だからね」
「うん、わかってるよ。いろいろ教えてください。あの任侠風とか」
「あはは、それはいいのよ。あなたはロリ的接客でしょ」
「うん。私はロリ的接客でいくつもり」
「頑張ってね」
「うん・・」
「どうしたの?顔色悪いよ」
「うん、今日ブレックファスト抜いてきちゃって」

(チッ)

「食べれなくて」
「調子悪いの?」

「おかねがないの」

ふう
一息ついて
メルメは控え室に向かった
ロッカーを開けて五枚で一包装のビスケットを手に取った
スマホで翻訳アプリを立ち上げる

「令子、MUNCHIES、ヘイ!」

店内には何処かで聴いた覚えのあるクラシックが流れていた
13の花冠のピンクスイートピーは合唱団のように揺れて穏やかに歌ってた



#HAMIRU
#メルメ
#ヒノメ
#アオナ
#キラコ
#キイロ
#ドレス
#ネール
#グラマ
#スリム
#ブラック
#コムギ
#レイコ
#マミア
#キャバ嬢メルメの花と仁義
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...