人間さんと暮らしてみましたが、ちっとも馴染めません。

白光猫(しろみつにゃん)

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ログーザ王国の子供向け教本より(余談)

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 むかしむかし、世界はとても平和でした。

 平和すぎて、人間はどんどん刺激を求めていきました。

 隣の人間よりも、贅沢で便利な暮らしを求めていきました。

 そしていつの間にか、争いごとが絶えない世界へと、戻ってしまっていたのです。

 そんな時代に、とても力のある、悪い魔導士がひとり現れました。

 彼は強大な魔力で、たくさんの国を滅ぼし、たくさんの人間を支配下に治めていきました。

 そして人間のなかで、力も富も一番もっている、【魔王】と呼ばれる存在となったのです。

 しかし彼は、人間のなかで一番になっても、二番になりたくはなかったので、自分以外の人間を、暴力と恐怖で支配し続けました。

 人間は、たくさんの刺激と引き換えに、平和のありがたみを思い出すことになりました。

 すると、天から大きな竜が現れ、鱗を一枚だけ地上に落として、去っていったのです。

 それを拾った人間の若者は、光り輝く鱗を材料に、一本の剣をこしらえました。

 その剣は、どんな強いものも倒すことができる、不思議な力をもっていました。

 若者はその剣をふるって、悪いことをする魔王の手下たちを、たくさん倒していきました。

 それは魔王も例外ではありませんでした。

 魔王を倒した若者は、【勇者】とたたえられ、やがて人間の国の王様になりました。

 王様は、隣の困っている人間に、あたたかな手を差し伸べました。

 そして役目を終えた剣は、人間の愚かさを後世へ語り継ぐために、賢い王子へ譲られたのです。

 こうして、竜の加護と優しい王様のおかげで、世界に平和は戻りました。

 めでたしめでたし。





 ――本当に?
 ――めでたしめでたし?

 お話は続きます。
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