黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~

さんが

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第22話 吸血虫のドロップアイテム

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 イスイの森にやってきたターム達冒険者は、第13ダンジョンへと直行する。イスイの森に漂う異常な魔力には気付いておらず、純粋にダンジョンに潜りに来ている。

「流石に、自意識過剰だったみたいだな。所詮は、準ダンジョン扱いのちっぽけな存在か?」

 急に現れた冒険者達御一行に、影で暗躍するラーミウや曲者揃いの熾天使達の姿が、脳裏をよぎったが思い込み過ぎなのかもしれない。

「油断してくれてるならイイと思うわ。でも、何しに来たのかしら」

 ブランシュも同じことを考えてはいるが、手に持っているのは幾つかの企画書で、恐らくブランシュ的に良かった一次選考通過の企画書なのだろう。今はそれには触れずに、モニターに映し出されている冒険者達を眺める。

「いやいや、一寸の虫にも五分の魂っすよ」

「一寸もないだろが」

「でも、狙いは吸血虫っすよ」

 冒険者達は厳つい装備とは不釣り合いで、戦っているのは蚊ほどの大きさの吸血虫。流石に剣や槍を振り回して倒すことはっしていない。
 所々で炎の明かりが灯ると、ゴウッという音と共に一斉に炎が放たれ、少し遅れてチャリーンッとドロップアイテムの鉄貨の落ちる音がする。

「ドロップアイテムを狙ってるのか?」

「そうみたいすっね。でも、今のところ鉄貨しか落とさないんすけど」

 モニターに映る冒険者達は、ドロップアイテムである鉄貨を探し、拾い上げるとしげしげと眺めている。

「あれっ、捨ててしまうの?」

「タームだけは拾ってるけどな」

 捨てられた鉄貨にタームだけが飛び付き、他の冒険者達は次の吸血虫を探してダンジョンの奥へと進んでゆく。
 他の冒険者達の装備を見れば、安物の武器や防具を身に付けている者はいない。恐らくは第6ダンジョンよりも上位のダンジョンに潜る実力のある冒険者達で間違いない。
 そんな冒険者にとって鉄貨は、数百枚あってやっと1日分の、それも質素な食事代になる程度の価値しかない。大量に集めても、邪魔な荷物にしかならない。

「でも、少し気分が悪いっすね。せっかくドロップさせたのに、何だか俺達のダンジョンが馬鹿にされてるみたいで。タームのやつも、もう少し第6ダンジョンの勇者らしくしろってんですよ」

「まあ、そう言うなって。ダンジョンに来ただけ儲け物なんだから」

 必死に鉄貨を集めるタームの惨めな姿が、第13ダンジョンの存在とダブって見えてしまう。

 しばらくは、同じ光景が繰り返される。脅威はないが、気味が悪い吸血虫。虫除け対策をすれば、余計に吸血虫は近寄ってこず、倒す手段はより魔法に限定される。
 ただ、魔法で倒し続けるにはコストパフォーマンスは悪く、魔力の消費量だけが増える。半日経っても探し求めているものが見つからない状態に、諦めムードが漂い始めている。

 一方のタームはフジーコから与えられた加護はなく、簡単な魔法すら使えない。地道にフジーコから授かった聖剣ペルセウスを振り回し、吸血虫も聖剣ペルセウスの光に集まってくる。そして、虫除け対策をしていないタームの顔は、吸血虫に刺されて原形をとどめていない。
 聖剣ペルセウスを振り回すよりも、顔に止まった吸血虫を叩き落としている方が、倒している数は遥かに多い。

「フジーコの奴は生きてるんっすよね」

「ええ、死んだとは聞いていないわよ」

「タームのしぶとさは、フジーコの加護かもしれんな」

 フジーコに想いを馳せていると、タームが奇声を上げる。一枚の鉄貨を掲げるタームに、他の冒険者達も集まってくる。
 タームの持つ鉄貨を取り上げようとしたが、タームの動きは素早く、取り上げようとした冒険者が驚いている。フジーコの加護ではなく、俺達の地道な肉体改造の効果が出始めている。

「もしかして、古銭じゃないかしら?」

「古銭か?ラーミウの嫌いそうなやつだけど、古代のダンジョンらしくもあるな」

「古代の遺産。第13ダンジョンの売りとしてはイイんじゃないかしら。他にも、眠ってるものがあるかもしれないわよ」

「そうだな、シーマに調べさせてみるか」

「古代の遺産って?先輩もブランシュさんも、何言ってるんすか?」
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