黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~

さんが

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第28話 ザキーサの過去

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 突然繰り広げられたガルグイユとの命懸けの戦いに、ブランシュが待ったをかけた。自然と俺とカシューは正座し、その間に並ぶようにザキーサが置かれる。
 笑顔を浮かべ、腕を組んで仁王立ちするブランシュ。冷ややかな視線だが、頭上の輪っかから放たれる何時もの優しいハロの光は、今は焼け付く真夏の陽射しのように痛い。

「さあ、詳しく説明してもらいましょうか」

「ああ、ガルグイユなら竜鱗をドロップするのに相応しいだろ。見た目も問題ない竜の姿。後はドロップするのに相応しい力があるか、確かめる必要があったんだ」

「命懸けの戦いに見えたけど、そこまでする必要があったのかしら?」

「仕方ないだろ。こっちは仕掛けられたら方なんだから、どうにも出来ない」

「それにしてはノリノリに見えたけど、気の所為かしらね」

 永い間、竜種と関わっている影響もあるかもしれない。そして、俺の周りにはバトルジャンキーも多い。その筆頭のカシューを横目で見れば、横一列に並んでいるように見えて、いつの間に僅かに後ろに下がっている。全ての責任を俺になすりつけて、自身は黙りを決め込むつもりでいる。

「レヴィン、人のせいにするつもりなの。私は、あなたにダンジョンの司令官をお願いしたのよ」

「はい、おっしゃる通りです」

 そして、俺の後ろに隠れようとしていたザキーサはブランシュに首を摘ままれて元の位置に戻される。

「ザキちゃんは、ここで待てよ、待て。分かるかしら」

 ザキーサはコクコクと頷くと、項垂れて座り込む。この部屋で起こった異変を他の竜達も気付いてはいるが、遠巻きに様子を窺うだけで、ザキーサを助けにはこない。

「それで、あれをダンジョンの6階層に置くつもり?こんなのが暴れたら、どうなるか分かってるでしょ」

「ガルグイユは石柱に掘られた彫刻なんだ。だから不用意に、近付かなければ問題ない。ザキさん、そうだよな」

 ザキーサは、必要最低限の意思表示として、コクコクと頷くだけ。

「じゃあ、不用意に近付いたらどうなるの?そうじゃなくても、意図しないところで巻き込まれる可能性だってあるわよね」

「そうだな……それは、ちゃんと考えてある」

「ふーん、本当にそうかしら」

 俺がブランシュの癖を知っている以上に、ブランシュは俺の癖を知っている。

「今回だけは、そういう事にしておいてあげるわ。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶだったわよね。レヴィンは、どっちなのかしら?」

「大丈夫だ、十分に分かってる。経験する必要はない、大丈夫だ」

 大丈夫と繰り返す俺に満足したのか、ブランシュはザキーサの前でしゃがむと、優しい笑みでザキーサに話しかける。

「ザキちゃん、始まりのダンジョンで何があったの?」

 ザキーサの目の前の空間が歪み、アイテムボックスの魔法が発動される。再び中から鉄貨が出てくると、ブランシュの前でフワフワと浮かぶ。ブランシュが手を差し出せば、そっと上に収まる。

「これが、サージさんなの?」

「ああ、そうじゃ。余はな、サージ様にスカウトされて始まりのダンジョンで暮らしておったんじゃ。でもな、余がダンジョンを離れた僅かな間に、ブラックアウトは起こった。何も問題は無かったはずなのに、ブラックアウトは起こった。余はサージ様も仲間も助けることは出来なんだ」

「ザキちゃんは、私を守ってくれるの?」

「うむ、サージ様とは違うのは分かる。でもな、どうしても他人とは思えんのじゃ」

「じゃあ、私達のダンジョンに一緒に来てくれる」

「イイのか?ダンジョンに行っても」

「だって、私達よりも先にダンジョンで暮らしてたんでしょ」

 それと同時に、遠巻きに様子を窺っていた竜達が部屋の中へと雪崩れ込んでくると、どの竜もひれ伏して従順の意を示している

「レヴィン、イイわよね」

「ブランシュ様の、仰せのままにだよ」




【ガルグイユ発動の注意事項】
■彫刻時のガルグイユに与えられたダメージが、1200以上の場合に発動する
■ガルグイユを発動させた冒険者及びパーティーを、指定空間に転移させる
■指定空間に転移させる上限人数は6人まで
■指定空間から一人でも離脱した場合は、全ての冒険者が元の場所へと戻される
■攻撃力及び魔力が900以上の冒険者が、第13ダンジョンに現れた場合はモニタリングを実施
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