黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~

さんが

文字の大きさ
45 / 53

第45話 黒子天使の力の証明

しおりを挟む
「1つ聞くが、ブランシュの力に匹敵する黒子天使はおるのかの?」

 ザキーサが問う黒子天使の力とは、地上の人々から姿や存在を隠す力。自身の姿だけでなく、黒子天使の触れたものや魔力を込めたものは姿が見えなくなってしまのは、全ては黒子天使の頭上の黒い輪っかのお陰になる。
 ただ、触れたものを何でも見えなく出来るわけではない。熾天使の輪っかは、地上の人々に畏敬の念を抱かせ、隠匿する黒子天使とは真逆の力といえる。

「ブランシュの姿を消せるヤツは……」

「力だけではないぞ。消すには相性も重要じゃて」

 ザキーサの言葉で、黒子天使から大きなどよめきが起こる。ブランシュの姿を消すには、最低でもブランシュの体に触れなければならない。そして、マリクは意味もなく大きく肩を回して、アピールしながら前へと出てくる。

「ブランシュさんを呼んでくるっすよ」

 そして、マリクがブランシュを連れて戻ってくる。勝手に想像を膨らませ締りのない顔になったマリクと、満面の笑顔のブランシュ。

「急にどうしたの?マリクからダンジョンの外に連れて行ってくれるって聞いたけど」

「マリク、何て伝えたんだ?ピクニックに行くんじゃないんだぞ」

「えっ、もう遅いわよ。ローゼがサンドイッチ作ってるわ」

「安心して下さい。マリクがしっかりと責任を取って、職務を遂行するっすよ」

「ああ、それだけどな……残念ながら、今お前は失格になったんだ」

「先輩っ、ちょっとそれは横暴じゃないっすか。チャンスは皆一緒で、やってみなきゃ分からないことも多いっす。先輩も可能性は無限大だって、良く言ってるじゃないっすか」

「残念だけど、もう試されてるんだ」

 ブランシュを呼びに行って近付いただけのマリクだったが、頭上の黒い輪っかの色が薄れてしまっている。
 普段なら問題ないが、ダンジョンの中にずっと居たブランシュ。そして、外に出れるという喜びの感情が、頭上の輪っかをさらに輝かせている。そのハロの光は、黒子天使マリクの黒い輪っかの力を弱める。これでは、ブランシュの姿を消すどころかマリク自身の姿でさえ隠せない。

「ブランシュも、これはピクニックじゃないんだ。初めのダンジョンの聖女マリアナを探しに、迷いの森に行くんだぞ」

「でも、それなら余計に食事は必要よだし、問題ないわ」

 そして、俺たちの会話を遮るようにザキーサが動き、定位置であるブランシュの肩に収まる。

「人数は厳選することじゃ。大人数で押し掛ければ、マリアナは出てこぬ」

「ああ、分かってる。もともと可能性があるのは、カシューかシーマ、それに俺だけだからな」

「雑念だらけでは、どう足掻いても不可能じゃぞ。ブランシュだけじゃなくて、余も一緒なのじゃからな」

 ブランシュだけじゃなくザキーサの姿も消すとなれば、さらに難易度は上がる。

 そして、カシューもシーマもブランシュに触れようと手を伸ばす。2人ともマリクとは違い、黒い輪っかはハッキリと現れたままだったが、ブランシュに触れた瞬間僅かに色が薄くなってしまう。

「残念じゃな。2人ともまだまだ修行が足らん。それでは、余の姿を消すことは出来ん」

 そして、残るは俺一人。

「ザキさん、確認するけど外に出たくないだけじゃないよな」

「笑止な。余はブランシュの護衛じゃ。ダンジョンの外であろうが、ブランシュを1人にすることはないわ。それも、もう言い訳をするのかの?」

 薄っすらと笑みを浮かべ、俺を挑発しているようにも見える。ザキーサの見えない圧力に抵抗することだけに意識を集中し、ブランシュに手を伸ばせば想定外の出来事が起こる。

「何やってるの。早く行きましょうよ」

 伸ばした俺の手は一瞬でブランシュに絡めとられ、腕を組んだ状態になっている。さらに、ブランシュに引っ張られば、俺の腕にハッキリとブランシュの柔らかい感触が伝わってくる。そして、黒子天使達の鋭い視線が突き刺さる。

「ローゼも連れていくわ。イイでしょ」

「あっ、ああっ」

「それじゃあ、ローゼのお供はカシューね。ローゼもいいわよね」

「カシューがエスコートか。誰であっても、妾がしっかりと教育してやる。問題ないぞ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...