経営破綻したダンジョンから始まる、俺と幼馴染み熾天使の快適生活~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~

さんが

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第3話 ダンジョンの経営破綻

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 勇者タームが放つ、ペルセウス流星剣。

「ぐうぉぉぉーーーっ」

 実際にスキルを発動していつのは、第6ダンジョンでもトップクラスの剣士カシュー。
 どんなに技能がない勇者でも構わないが、光速で放たれる無数の斬撃に、タームの筋肉は断裂し骨が砕け、血飛沫が舞う。

 勇者の体は秘密裏に黒子天使によって改造されているが、まだ完全体ではない。剣をたったの一振りしただけで、肉体は崩壊寸前。

『閃光放出します。残り10秒』
『タームの痛覚麻紙開始』
『同時に回復魔法全開』

 それを隠すために、黒子天使達はペルセウス流星剣に合わせて閃光を放つ。さも、それがペルセウス流星剣の技であるように見せかけて。
 傷付きボロボロになる体を隠すと同時に、タームの痛覚を麻痺させ全開で治癒が行われる。

 勇者のボロボロとなる体。しかし、傷付けば傷付く程に、ダンジョンは勇者の生命力を吸収しより大きく成長する。そして、大地から魔力を吸い上げる。
 それが、熾天使が司るダンジョン。ダンジョンという生き物は、生命力を糧として成長し、大地からより多くの魔力を集める。

 それが、神々に秘匿されたダンジョンの秘密。


『ペルセウス流星剣の閃光終息まで、残り3秒』
『地竜ミショウへの幻影発動します』

「ミショウの右足断裂、頭部への致命傷の映像確認。幻影に異常なし」

『地竜ミショウ、60階層に転移します』
『続けて、ドロップアイテム転送』
『ドロップアイテム確認次第、撤収準備に入ります』

 関係部署のの黒子天使から次々と報告がもたらされる。

「マリク、魔力予備率は!」

「大丈夫っす。魔力予備率5%を確保……。待ってください、魔力予備率4%切りました。まだ低下中……どうして? ペルセウス流星剣の発動は終了してるのに」

『報告します。25階層A5モンスター部屋で、魔力消費の増大確認。まだまだ増加します』

「25階層だって。ワイーザ管轄のエリアじゃないか。マリク、モニターに映せるか?」

「今、やってますよ。あの野郎め、足引っ張りやがって!」

 映し出されたモニターには、上位魔法を連発するヒト族がいる。魔物達に囲まれて完全に周りは見えておらず、最大威力の魔法を連発している。

「勇者チクリーンって、何すか? 先輩、聞いてます?」

「聞いてたら、こんなことする訳ないだろうが。どうせ、フジーコかラーキにワイーザが取り入ったんだろ」

「どうします、魔力予備率3%を切りました!」

「これは、だめだな。ワイーザとの回線を繋げ」

「ダメッす。回線繋がりません。あっ」

 25階層を映しだしていたモニター映像が消える。

「魔力予備率は!」

「えーっとすね、魔力予備率。2%を切りました」

 次々と照明やモニターの明かりが消え始める。危険水域とされる5%を遥かに下回る数字は、第6ダンジョンの誰もが経験したことがない。

『デマンド警報発令、デマンド警報発令! ダンジョン内での魔力消費が増大中。直ちに全ての業務、魔力消費を中止し、不測の事態に備えよ!繰り返す……』

 機械的に流れる、デマンド警報を告げるアナウンス。しかし、それも魔力の消費でしかなく、数度繰り返すと途中で消えてしまう。

「総員退避だ。ブラックアウトによる被害を最小限にする。ダンジョン内の冒険者だけでなく、黒子天使に魔物、総員退避せよ」

「先輩は、どうするんすか?」

「俺は最後だ。俺が残っている中で最高責任者なんだから仕方がないだろ」

「でも、それは理不尽っすよ。どうせアイツらは、遊んでるだけなんすから」

「仕方がない。それが組織ってもんだ」

「何か手はあるんすよね、先輩」

「奥の手ってやつは誰にも見せないもんだろ。さっさと、避難しやがれ。足手まといになるぞ」

「絶対すよ。俺、ブランシュさんに報告するなんて出来ないっすからね」

「そんな事より、自分の心配しろ!」

 次々にパソコンやモニターの明かりが消える。予備の魔力もあるが、ダンジョンを維持管理するには僅かでしかない。

「まさか、こんな日が来るとはな。5分は持ってくれよ」

 全ての明かりは消える中で、俺のノートパソコンだけが再起動を始める。



 第6ダンジョンでブラックアウト発生。全60階層の内、残されたのは10階層のみ。禍々しい魔力が残留し、近付くもの全てを狂わせる。そして、千年の封鎖が決定された。
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