赤ずきん その後の話

もふニー

文字の大きさ
7 / 9
第2章

第6話 準備 狼視点

しおりを挟む
僕は王様から軍資金をたんまりもらい、市場へ来た。

金貨1000枚、これを使えば僕の家が2個建てられる。

さっそく武器屋に入った。 

「あのー、よろしいですか?」

「帰っとくれ、今日は店じまいなんだ」

機嫌が悪そうに鍛冶屋の主人であろうおじいさんが言う。

「なんでですか?」

「お得意様の剣を今日の夜までに調整しなきゃならん」

主人は面倒くさそうに僕に答えた。

でも困る。ここが一番良いところだと王様に言われて来たからこの店にお願いしたい。

僕は主人に事情を話した。

「そうかお前、」

主人は何かを察したようにうなづいてくれた。

「お前、ちょっとこの剣振ってみろ」

主人は僕に小剣を手渡した。

見た目は軽そうで、装飾もないんだけど、武器として持つからか。少し重い。

これで誰かを傷つける。

そんなことが僕に本当に出来るのだろうか。

「それどうだ?」

主人が聞いてくる。

「少し重くてずっしりときます。」

そうか、と主人は少し悩む。

「これを使え、手のサイズもぴったりだろう」

僕に赤い宝石のついたこれもシンプルな先ほどよりも小さい剣を渡してきた。

「刺してよし、切ってよし、投げてよしだ。お前の好きなように使え」

手になじむ剣というのはこういうことを言うのだろうか、ずっと前から使っていたかのようだ。試しに軽く振るがなんのストレスも感じない。

「......だ」

「え?」

主人が何かを言ったが、僕には聞こえなかった。

主人は真面目な顔をして、

「なんでもねぇよ、結局一番大切なのは、お前にとって一番大切なものは何か、それを考えながら戦うことなんだよ」

一番大切なもの、か、そんなの昔から変わらない。


僕はその次に、情報屋なるところへ寄った。

情報屋というと暗いイメージがあって少しいくのをためらったのだが、

「「王室御用達!なんでも知ってるよ!」」

このアホくさい看板を見てもっと行きたくなくなった。

なんだよ王室御用達って、、、

そりゃすごいよ。

ドアを開けて中に入ると中は結構賑わいを見せていた。

受け付けの人が忙しそうに立ち回っている。

「「恋しいあの子の家から釣りの穴場、はたまたあの世の入り口まで!なんでもわかるよ!」」

あの世の入り口って、とても怖いけどなんか気になる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...